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農業・園芸総合研究所では、花き生産振興に向けて、無加温で栽培が可能な低温開花性花きとして、令和3年度から「切り花葉ボタン」の栽培試験に取り組んでいます。
切り花葉ボタンは、縁起物として迎春用の花材や、クリスマスなどのアレンジメント用として需要が拡大しています。色は白・紅系、葉の形状は丸葉系やちりめん系、切れ葉系など、品種は多様であり、“花”ではなく、“葉”であるため長く鑑賞できます。
秋口から冬季の暖房が不要で、無加温栽培が可能です。定植から収穫終了までの施設占有期間は8月下旬から1月頃までのため、水稲育苗ハウスを含め、空きハウスの有効活用につながることが期待されます。
栽培管理は葉かきが中心となり、農薬の散布回数も比較的少ないことから省力栽培が可能です。アブラナ科であるため、野菜栽培経験者への導入も期待されます。また、収穫適期が長いため、作業スケジュールを柔軟に組むことが可能で、初心者、高齢者にとっても、取り組みやすい品目です。
現在は多様な経営体の栽培品目拡大を目指し、ハウス占有期間の短縮を目的とした定植時期の晩限の検討や、栽培様式の拡大に向けて露地栽培やトレー栽培での試験を行っております。さらに、各農業改良普及センターや農産物直売所とも連携し、普及に向けた活動も進めています。今後も、当チームでは切り花葉ボタンをはじめ、新規品目の提案を行っていきます。
農業・園芸総合研究所花き・果樹部
図1 切り花葉ボタン
図2 生育時(葉かき前後)
図3 収穫時期のハウス
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