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近年、全国各地の研究機関において様々な樹種でロボットの利用を想定した省力型樹形の研究が進められていますが、どの樹種においても栽培試験に用いた品種は一部に限られているのが現状です。宮城県でも省力型樹形であるジョイントV字樹形の研究を進めてきましたが、リンゴで用いた品種は「ふじ」のみでした。そのため、「ふじ」以外の品種におけるジョイントV字樹形への適応性やその栽培管理方法を明らかにすることで生産者が取り組みやすくなるものと考え研究を進めています。
今回は、リンゴの黄色系品種「ぐんま名月(図1)」と「はるか(図1)」をジョイントV字樹形(図2)に仕立てて実施している栽培試験について紹介します。
図1「ぐんま名月(上)」と「はるか(下)」の果実
図2リンゴジョイントV樹形の栽培様式
【ジョイントV字樹形「ぐんま名月」と「はるか」の栽培試験】
この試験は、ジョイントV字樹形に仕立てたリンゴ「ぐんま名月」と「はるか」の収量性や果実品質が慣行樹形(図3)とどの程度違いがあるかを確認する内容です。
定植5年目の「ぐんま名月」と「はるか」における樹形別収量は、慣行樹形よりジョイントV字樹形の方が収量を多く得られることが確認できました(表1)。また、果実品質は慣行樹形と同程度であることが確認できました(表2)。
今後は、品種ごとに最適な側枝(主枝から斜め上方に伸ばした果実をならせる骨格枝)本数の検討や収量の経年調査、樹形完成時期の確認、更なる省力化に向けた栽培試験等について実施していく予定です。
本試験は農林水産省国際競争力強化技術開発プロジェクト(うち輸出促進のための新技術・新品種開発)の一環として実施しています。
農業・園芸総合研究所花き・果樹部
図3慣行樹形「はるか」
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