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弾力的管理試験とは、平常時に空容量となっているダムの洪水調節容量の一部に洪水調節に支障を及ぼさない範囲で流水を貯留し、新たな活用容量を確保します。この活用容量内の貯留水を一定期間放流し、ダム下流の河川環境の保全を図ることを目的として、3ヶ年の放流試験を行い、その効果や放流時の安全性を確かめるために行ったものです。
この試験によって効果や安全性が確かめられれば、それ以降毎年度において放流を行うこととなります。このことを「ダムの弾力的管理」と言います。
漆沢ダム直下から漆沢発電所放流口の約1km間は夏期の渇水時(※1)になると無水状況となるため、この解消を目的とします。
3年度目となった本年度の実施期間は7月1日から9月26日までの88日間で、約70万立方メートルの放流を行いました。放流の効果として川の水量が多くなり、流量も放流前に比べ0.10~0.24立方メートル/s程度大きくなり、水面幅も放流前に比べ1.0m程大きくなりました。このため、渇水時の無水状態・よどみ状態と放流後をくらべると魚類等の生息及び河川景観の改善に効果があることが判断できました。
3ヶ年の放流試験を行い、河川環境の改善については効果があると判断できましたが、事前放流(※2)に伴う安全性の確認を検証する必要があるため、平成18年度以降も引き続き試験を行う予定です。
※1.夏期の渇水時:雨の降る量が少ないと川やダムの水が徐々に減っていき,水不足になりやすい時期です。
※2.台風などによる大雨が予想される場合に、洪水調節容量を確保するため、弾力的管理で貯留した水をダムから放流し、洪水に備える事。(約70万立方メートルの水をダムから放流し、ダムの水位を夏期制限水位まで短時間で下げることが出来るかの検証)
放流前(上流)
放流後(上流)
放流前(下流)
放流後(下流)
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