クロピラリド被害に係る注意喚起について
除草剤の一種であるクロピラリドが残留した輸入粗飼料を給与された家畜ふん尿を原料とした堆肥が原因と疑われる野菜や花きなどの園芸作物の生育障害については,平成17年当時から事例の発生が確認されたところです。なお,畜産物や農産物については人の健康に悪影響はないとされています。
クロピラリドが原因と疑われる生育障害の事例は現時点で農林水産省に65件報告されていますが,耐性が弱いトマト等の一部の作物に限られ,育苗や施設栽培が大半であり露地栽培の発生は少ない状況です。
畜産農家,園芸農家・育苗業者,堆肥製造・販売業者,培土製造・販売業者の皆様につきましては,下記の関連情報に御留意の上,該当すると判断された場合には適切な対応をお願いいたします。
リーフレット
「農林水産省ホームページ」リンク
「牛等の排せつ物に由来する堆肥中のクロピラリドが原因と疑われる園芸作物等の生育障害の発生への対応について(通知改正溶け込み版)」(平成30年7月20日付け30消安第2274号・30消安第2275号・30生産第842号・30生産第843号・30生産第841号・30生畜第637号・30生畜第635号 消費・安全局農産安全管理課長,消費・安全局畜水産安全管理課長,生産局園芸作物課長,生産局技術普及課長,生産局農業環境対策課長,生産局畜産部畜産振興課長,生産局畜産部飼料課長連名通知)(PDF:562KB)
「輸入飼料中及び堆肥中に含まれるクロピラリドの調査結果について」(別添1)(PDF:1,072KB)
「研究紹介 作物被害低減のためのクロピラリド動態解明」(別添2)(PDF:264KB)
「クロピラリドによる生育障害の発生状況」(別添3)(PDF:31KB)
「輸入飼料に含まれるクロピラリドが原因と疑われる園芸作物等の生育障害への対応について」(PDF:121KB)
【参考】クロピラリドが原因と疑われる生育障害の最近の事例
(農林水産省 消費・安全局農産安全管理課)
- 事例1(A県)
- 平成28年5月、ミニトマトの生産者が購入した培土(40リットル/袋)を使用して育苗したところ、生育障害(生長点の奇形や芯止まり)が発生。
- マニュアルに基づき、生物検定を実施した結果、クロピラリドが原因と疑われる症状が確認された。
- 培土製造業者は原料の堆肥を堆肥製造業者(甲)から購入。
- 堆肥製造業者は、6~7戸の農家から堆肥を購入。
- 事例2(A県)
- 平成28年6月、ミニトマトの生産者が購入した培土(25リットル/袋)を使用して育苗したところ、生育障害(生長点の奇形や芯止まり)が発生。
- マニュアルに基づき、生物検定を実施した結果、クロピラリドが原因と疑われる症状が確認された。
- 培土製造業者は原料の堆肥を堆肥製造業者(乙)から購入。
- 事例3(B県)
- 平成28年9月に花き生産者において、クロピラリドが原因と疑われる生育障害(生長点または株全体が萎縮、葉がカップ状に変形)が圃場全体に発生。
- 生産者が購入した堆肥を分析したところ、定量下限値0.01ppmを下回る量の成分を検出。
- 堆肥の投入量は2~3トン/10a