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令和5年9月15日更新
水産業の振興、安心・安全な水産物の流通、後継者・担い手の育成などに関する業務のほか、漁場環境の調査や生産から加工・流通までの技術開発などの試験研究も行います。
主な勤務課所は、本庁であれば水産業振興課、水産業基盤整備課、食産業振興課などで、地方機関であれば沿岸部の地方振興事務所、水産技術総合センターになります。
水産業の振興施策及び試験研究の企画調整や水産業技術の改良普及、後継者・担い手の育成、漁業者の経営支援のほか、水産物の流通、水産加工業の振興、販路開拓支援に関することなどを行います。また、各種漁業の調整・許可や漁業権の免許・登録、遊漁船の適正化、漁業取締に関することなどを行います。
養殖業振興策の基本となる「養殖振興プラン」や水産生物の生育に重要な役割を持つ藻場の保全・創造のための「藻場ビジョン」の策定と、計画した各種事業を実施し、水産業の基盤整備を行っています。また、持続可能な水産業の推進と産業力強化を目指し、計画的な種苗放流、漁業者による資源管理の取組推進、養殖種苗の安定確保のほか、「みやぎサーモン」や「伊達いわな」のブランド力強化などの施策の立案・実行も担っています。
水産に関する主な業務は、水産振興班と漁業調整班の2班で行っています。
水産振興班では、漁業者に対して漁業に関わる様々な情報の提供や技術指導を水産技術総合センターと連携して行うとともに、漁業経営の指導等を行っています。
漁業調整班では、関連法令に基づき、漁業許可の発給や、漁業に使用する漁船の登録、管理を行っています。また、漁業者や水産加工事業者と連携し、「みやぎ水産の日(毎月第3水曜日)」を中心に、消費者の皆さんへ水産物の消費拡大に向けたPR活動を実施しています。
本所(石巻市)、気仙沼水産試験場(気仙沼市)、内水面水産試験場(大和町)
県内の水産業界が更に発展していくために必要な試験研究課題を選定し、水産業関係者、国や大学等の研究機関、県内関係機関と連携しながら効率的に試験研究を実施しています。また、得られた研究成果は、関係者へ速やかに普及しています。
年度 | 配属先 |
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平成30年度~令和3年度 | 水産技術総合センター気仙沼水産試験場【地方機関】 |
令和4年度~ | 水産林政部水産業振興課【本庁】 |
漁業就業者数の減少や高齢化の進行が全国的な問題となっていることから、主に宮城県の漁業の担い手確保・育成支援に関する業務を担当しています。
宮城県の漁業就業者数は、高齢化の進行や担い手不足等によって年々減少していますが、東日本大震災の影響により、その傾向はさらに顕著になっています。この傾向に歯止めを掛けるため、具体的には、漁業就業を目指す人向けの研修や就業支援フェア等を企画する業務、法人化や青色申告等の漁家経営の改善を支援する業務に取り組んでいます。
これらの業務を通じて、将来の水産業を担う人材を確保し、漁業経営の安定化を支援することで、宮城県の美味しい海産物を、県民の皆さん、全国の皆さんに持続的にお届けすることを目指しています。
漁業就業を目指す人向けの研修には、実家の家業を継ぐ人、脱サラをして小さい頃からの憧れであった「漁師」を目指す人など様々な方が参加しています。どんな方にとっても、この研修が今後の人生における分岐点のひとつになると思います。
そのような重要な機会に携われることはとてもやりがいを感じますし、より充実した研修となるよう、カリキュラムを企画しています。研修終了後に参加者の方から感謝の言葉をいただいた時には非常に嬉しく思います。
宮城県の漁業に興味があるという方向けの、2泊3日の漁業研修に同行したことです。
水産技術総合センター気仙沼水産試験場に勤務していた時は、自ら船を運転して漁場環境調査などを行っていたので、養殖業を中心に実際の漁業現場を見ていましたが、同じワカメ養殖漁業でも気仙沼市と石巻市の漁業者さんでは、養殖スタイルが大きく異なっていたり、宮城県でも比較的新しいトラフグの延縄漁業の様子を見学させていただいたりと新しい経験が多く、研修生と一緒に私も学ばせていただきました。
限られた時間の中で沢山の業務に取り組んでいくと、前例踏襲をする場面が少なからず存在します。前例踏襲が必ずしも悪いことだとは思いませんが、「昨年度こうやっていたから、今年も同じようにやろう。」で済ませることはしないように心掛けています。
どのような背景や法令を元にその業務を行っているのか、より良い方法がないのかなどを考えながら取り組むことで主体性が生まれ、業務の楽しさや、やりがいを見つけることができるようになります。
学部4年と修士1~2年の3年間、サケ科魚類の生理生態に関する研究を行っていました。
学生時代に培った実験器具の扱い方や研究の考え方などは、水産技術総合センター気仙沼水産試験場で試験研究に取り組んだ際にとても役立ちました。また、論文を書いた経験や研究内容を発表した経験は、日々文章を書いたり、自分の考えを上司に説明したりする場面で生かされています。
業務成果報告会の様子
私は海の無い県の出身ですが、母親が南三陸町出身だったので、幼い頃から何度も宮城の海を訪れて遊んでいました。それがきっかけで海の生き物を好きになり、海の生き物や環境等について深く学ぶことができる大学へ進学したので、宮城の海があったからこそ今の自分があると思っています。
卒業後は宮城の海に携わる仕事がしたいと考えた時に、研究職と行政職のどちらか一本には絞りたくなかったこと、宮城県全体の水産業に携わるには宮城県の職員が最も適している(国家公務員では広すぎる、市町村職員では狭すぎる)ことから、宮城県職員を志望しました。
宮城県の水産技術職員は、水産試験場の試験研究業務や県庁の水産行政に関する業務、地方振興事務所での直接漁業者さんと関わる普及指導業務など、職場によって業務内容は様々です。異動を繰り返す中で様々な立場から宮城の水産業に携わり、知識・経験や人脈を築いて自分を成長させていくことができます。
全国でも屈指の水産県である宮城県の水産業を共に盛り上げていきましょう!皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしております。
年度 | 配属先 |
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平成26年度~平成29年度 | 水産技術総合センター内水面水産試験場【本庁】 |
平成30年度~令和元年度 | 水産技術総合センター【地方機関】 |
令和2年度~令和4年度 | 仙台地方振興事務所水産漁港部【地方機関】 |
令和5年度~ | 水産林政部水産業基盤整備課【本庁】 |
主に、宮城県に帰ってくるサケに関する業務を行っています。
サケは宮城県内のふ化放流事業を行う団体の皆さんが毎年種苗放流を行っており、宮城県の沿岸漁業をはじめとする県内水産業になくてはならない魚種ですが、近年、河川への遡上数や沿岸での漁獲量が著しく減っています。
宮城県のサケふ化放流事業やサケ漁業が持続的なものとなるよう、各種補助金の交付や他地域からの卵の移入に関する調整などを行っています。
その他にも、東日本大震災以降、いまだに沖合で回収されるがれきの処分を行っている漁業者の方に対し、がれきの回収から処分にかかった費用を補助する事業も担当しています。
初任地である水産技術総合センター内水面水産試験場では、大学時代に学んできたことを直接生かす機会は多かったですが、2か所目以降の所属では業務担当となって初めて学ぶことばかりでした。
異動する度に新しい事に触れ、「水産」というものをより多角的に捉えるためのきっかけをいただいているように感じています。
私は宮城県職員となるまで、宮城県を訪れたことがありませんでした。
入庁1年目の冬、当時の勤務地が内陸の山間部だったこともあり、宮城県の冬の寒さと大量の雪に驚いたことを覚えています。勤務地内を歩く通路を確保するため、毎朝1時間ほど雪かきをしていました。
また、3か所目の勤務地へ異動してから、初めて漁船というものに深く触れ、漁船の規模を表す「●●トン」が重さを表している訳ではないことを知り、自分はまだまだ知らないことがたくさんあると改めて痛感しました。
役に立ちそうな仕事の進め方がないか、周囲の職員の方々のお仕事の様子を、日々観察しています。
初任地である水産技術総合センター内水面水産試験場では、河川の環境のモニタリング業務の一環として、捕獲された魚を種類ごとに分け、それぞれ何という魚か判別する作業を行っていました。学生時代に行っていたことがそのまま活用できたなと、その時は強く感じました。
水産に関する研究を行いたかったことと、学生時代ずっと実家暮らしだったため、いずれ遠方で一人暮らしをしたいと考える中で、運良く宮城県の水産職の募集を知りました。技術職の募集人数が多く、またとない機会だと思ったことに加え、私の家族が訪れたことのない東北という地域での一人暮らしへの期待感もあり、宮城県職員を目指しました。
宮城県は都市部があるほか、海や山などの自然も豊富であり、かなり暮らしやすいところだと思います。ぜひ宮城県職員となってお越しください。
年度 | 配属先 |
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令和2年度~令和4年度 | 水産林政部水産業基盤整備課【本庁】 |
令和5年度~ | 仙台地方振興事務所水産漁港部【地方機関】 |
漁業法や宮城県漁業調整規則に基づく、漁業許可の発給や漁業権の免許及び管理などの漁業調整を主な業務としております。
乱獲による水産資源の減少や、過密養殖による漁場環境の悪化など、ルールを設けずに漁業、養殖業をしていると海の生態系が崩れるばかりか、漁業者間のトラブルが発生してしまいます。水産業の発展のためには、漁場の環境に適合するように資源管理や養殖生産等を行い、将来にわたって持続的に漁業生産力を高められるよう、漁場を活用する必要があります。
漁業者との信頼関係も必要な業務となるため、常に現場に出て、海の現状を知ることを心がけています。
漁業許可証の交付
私がこれまで経験した業務の中で特にやりがいを感じた業務は、県内の養殖業者の方に対して、高騰する養殖資材の購入を支援する施策の立案です。
近年、原材料高騰が相次ぎ、多くの産業が影響を受けていますが、水産業も例外ではありません。
県内には多くの養殖業者がいるので、出来るだけ多くの方に、不公平とならないような支援策を講じる必要がありとても悩みました。そのため、漁協職員の方と何度も打ち合わせを重ね、より良い形での支援策を考えました。時間はかかりましたが、最終的には数百名の養殖業者の方に支援が行き渡ったときは嬉しかったです。
水族館でワカメに関するイベントを開催したことです。
生産量トップクラスを誇る宮城のワカメについて、主産地である気仙沼市から生産者を招き、養殖方法の説明や試食会を行いました。イベント開催まで、募集人数が集まるか、自分が作成したスライドの内容が子供たちに伝わるかなど、不安がたくさんありましたが、水族館スタッフや、生産者の協力により、大盛況のイベントとなりました。
後日、本イベントでワカメに興味を持ったご家族が、実際に気仙沼市を訪れたという報告を生産者の方が嬉しそうにしてくださったことが印象に残っています。
水産業とひとことで言っても、漁船漁業、養殖業、内水面漁業、水産加工業、販路開拓など業務内容は多岐にわたります。自分の担当業務だけこなしていても、水産職員に求められるそれらの知識をカバーすることは難しいため、他の職員の業務でも出張に同行することを心がけています。知らない知識が身に付くだけでなく、自分の業務との繋がりに気づき、よりよい解決策を提案できることもあります。
学生時代は底曳き網船に乗り込み研究をしていました。合計で半年ほどの航海でしたが、現場での経験や覚えた魚種、同乗した研究者の方々との人脈は現在の業務に生きていると感じています。また、長期の航海でも楽しみながら乗船できたことで、水産関係の職業を志望するようになりました。
水産職は現場作業や水産業界の方との関わりが多い職種です。研究内容によってはラボにこもりきりの学生も多いと思いますが、積極的に現場に出て人と関わることで、その経験が社会人になったときの強みとなるはずです。
元々海のない内陸の県出身ですが、幼いころから海と魚が好きで、大学進学を機に宮城県に来ました。宮城県出身の方からすれば当たり前と感じるかもしれませんが、地元のテレビ番組では日々水産関係のニュースが流れていたり、スーパーでは新鮮な魚が並んでいたりする環境に感動したことを覚えています。その後、本格的に研究が始まり、宮城県内の各浜や市場、加工場や内水面の河川を回ることで、改めて水産県としての強みを感じ、宮城県職員を目指しました。
海水温上昇に伴う魚種転換や持続可能性など、水産業には新たな課題やキーワードが出てきています。私が学生のころはそこまで浸透していなかった言葉ですが、今では大学や高校で当たり前のように教えられていることと思います。どの業界にも共通して言えることですが、水産業も常に進化していく必要があります。現場では皆さんが現在学んでいる新しい知識が求められていますので、一緒に働くことになった際には是非ともよろしくお願いします。
みやぎ水産の日の活動
漁船検認業務(エンジンの確認)
【地方機関】東部地方振興事務所水産漁港部・西澤さん(平成24年度入庁)
年度 | 配属先 |
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平成24年度~平成26年度 | 気仙沼地方振興事務所水産漁港部【地方機関】 |
平成27年度~令和3年度 |
水産技術総合センター【地方機関】 (4年程度の産休・育休取得期間有) |
令和4年度~ | 東部地方振興事務所水産漁港部【地方機関】 |
近年、海洋環境の変化により本県でも暖水性魚種が多く見られるようになり、冷水性魚種の水揚げ量が減少するなど、水産業を取り巻く環境は急激に変化しています。このような状況のもと、私は水産業普及指導員として、石巻市沿岸部で養殖業を営む漁業者の方々が、海洋資源維持や自身の漁家経営の安定のために取り組む磯焼け対策への協力、ナマコや海藻類などの種苗生産への技術的な支援をしています。安心・安全な美味しい水産物を皆さんにお届けできるように漁業者と力を合わせて、水産業の維持・発展に取り組んでいます。
水産物の安定供給のためには、水産物に病気がまん延しない手立てをとることが重要となっています。養殖生産物に限らず、水域で水産動物がへい死した場合に、病気によるものなのかどうか、病気が原因ならばどのような病気かを検査し、対策を講じています。病気の診断については、専門知識が必要なため、魚病研修を受講したほか、特定の病気については、診断技術認定試験を受験するなど、県職員になってからも学生時代のように勉強やテストを頑張りました。少しずつ自分の力で病気を診断できるようになったときは、努力が実を結んだようで嬉しかったのを覚えています。
皆さんが普段召し上がっている「サケ」は、実は1種類ではなく、宮城県沿岸で養殖されている「ギンザケ」、海外から輸入される「ベニザケ」や「アトランティックサーモン」、秋から冬にかけて海から河川に上ってくる「シロサケ(秋サケ)」など色々な種類があります。
このうち、「シロサケ」は、さけふ化団体の方々が親魚から卵を採り、稚魚に育てて河川に放流することで資源が維持されてきました。晩秋から冬の寒い早朝に行われる採卵、その後、3~4か月もの間、毎日欠かさず卵と稚魚のお世話をして初春にやっと放流するという一連の作業を見学させていただき、ふ化団体の方々の苦労や県民と私たち公務員の協働がいかに大切か学ぶ機会になりました。
これまで宮城県職員として業務をしてきて、何度か県民の方々のニーズと県が提供するサービスに食い違いが出てしまうことを経験し、どうにかできないものかと歯がゆく思っていました。そこで、できるだけ直接県民の方々の所に足を運んで詳しくお話を伺い(大切なお話を忘れないようにメモは必須)、県民の方々が本当に必要としている手助けは何かを把握して、私が公務員としてできる最大限の手助けをするように心がけています。
学生時代は海洋プランクトンの研究をしており、長期的に調査船に乗って研究することがありました。初めて調査船に乗った時は、沖に出てしばらくしてからひどい船酔いになり、体を起こしているのも精一杯だった苦い記憶があります。
宮城県職員になってからも船に乗って調査することが度々ありますが、学生時代に乗船していた経験から、あまり船酔いせずに(時々は酔いますが)楽しく調査できているように思います。
学生時代は、大学で専攻していた生物海洋学(生物を通して海洋のメカニズムを明らかにする学問)で学んだことを生かせる仕事に就きたいと考えていました。そのような中、東日本大震災が発生し、宮城県の水産業は壊滅的な状態になりました。生まれてからずっと住んでいる愛着ある地元・宮城の水産業の復興のために、これまで勉強してきたことを少しでも役立てたいと考え、宮城県職員を目指しました。
宮城県職員の中でも特に技術職を目指している皆さんへ。
県職員になって特定の分野で仕事をしてみたいけれど、専門的な知識が不十分かもしれないと不安に思う方がいましたら、心配ありません。県職員になってからでも、各分野に精通した先輩方から知識と技術を教えてもらうことができます。興味がありましたら、ぜひ一緒に働きましょう。
ワカメ種苗の顕鏡
放流用種苗の計測作業
磯焼け対策のために種苗生産したアラメ
ふ化場で育てられたサケ稚魚
年度 | 配属先 |
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平成29年度~令和元年度 | 農林水産部水産業基盤整備課【本庁】 |
令和2年度~令和4年度 | 水産技術総合センター【地方機関】 |
令和5年度~ | 気仙沼地方振興事務所水産漁港部【地方機関】 |
水産業普及指導員として、気仙沼市・南三陸町で行われているホタテガイやホヤといった水産養殖業についての調査や技術指導、助言を行っています。
また、近年問題となっている不漁対策として、栽培漁業の推進に関する業務や、「磯焼け」への対策として、藻場や干潟の造成に関する業務などを担当しています。
海藻分布調査の様子
水産技術総合センター水産加工開発チームに配属された際、近年水揚げが増加傾向にある「暖水性魚種(チダイ・サワラ・タチウオ等)」の加工開発試験について、事業立ち上げから実施まで担当しました。
事業の予算確保のための計画立案やプレゼンからスタートし、水産加工大県である宮城県の水産加工企業の方々ですら「知らない、食べたことがない」、「加工の仕方が分からない」といった暖水性魚種について、自分で市場に魚を買いに行き、市場や企業の方々と意見交換しながらレトルト加工品や干物などの試作品を数多く作りました。
完成した試作品や原魚サンプルは企業訪問時に持参し事業提案しました。当初は宮城県内での認知度が低いこともあり、反応もまばらで少し不安になりましたが、最終的に、開発に携わった商品が仙台駅のお土産コーナーや石巻元気いちばで販売されている様子を見たときは、諦めずに企業提案を続けて良かったと、嬉しく思いました。
水産加工企業への試作加工品提供・事業提案の様子
入庁1年目は県庁の水産業基盤整備課養殖振興班に配属になりました。
当時の主な担当は二枚貝類(ホタテガイ、カキ、マボヤ等)の貝毒検査関係で、消費者の方々が県内で生産される二枚貝類を安全・安心に食べられるように調整する業務をしていました。
入庁前までは何気なく食べていたホタテガイやカキが、行政職員、漁業者、加工業者、流通関係者、貝毒検査機関など、こんなにも多くの人たちの仕事の上に成り立っているのだと、改めて実感し、自分の仕事にもやりがいを感じたことから、初めての主担当業務として深く印象に残っています。
不器用なりになるべくなんでもやってみるように意識しています。苦手意識があっても、やってみたら意外と出来た、出来なくても段々出来てきた、という蓄積が自信に繋がる気がします。
また、自分一人で頑張ることももちろん大切ですが、声をあげて周りの人たちを巻き込みながら仕事をすることがより大切だと思っています(巻き込まれすぎて迷惑だと感じている職場の方々がいたら申し訳ありません…笑)。職場内でも外でも、なるべく気軽に話すことで、悩みや課題がすぐに解決した、なんていうことが意外と多くあります。
幼少時から水族館や磯遊びが好きだった影響で、水産学を学べる大学に入学しました。大学時代には、水産学を志しただけあって、水産に対して様々な考えや趣味趣向を持った友人達と知り合うことができ、その後に水産職に就くことになった自分としては、視野が広がったことが大きな財産になったと感じています。
大学卒業後、築地に本社がある水産小売・卸売の企業に就職し、4年間勤めました。
毎日、いろいろな水産物を丸のままからフィレー、切り身、サク、刺身、寿司など様々な形態で商品づくりをし、お客様に販売するような仕事です。
私事で恐縮ですが、社会人3年目の時、結婚を考えたことが県職員への転職を決意したきっかけです。将来的には地元に戻り、民間企業で学んだ知識や魚捌き、接客技術を宮城県の水産振興のために生かしてみたいと考えていたこともあり、社会人3年目の冬から公務員試験の勉強を始めました。
宮城県の水産職は、一般的な「公務員」としてイメージできるデスクワークももちろんありますが、実際に漁業者の方々と海や浜で調査や作業をしたり、市場や水産加工場に出入りしたりと、現場での仕事がとても多いです。
また、おおよそ3年ごとに異動があるため、県内の様々な地域で勤務することができ、その土地ごとの水産業の特色を、直接肌で感じることができる体験はとても新鮮です。
「より多く現場で水産の仕事がしたい」「様々な経験をしてみたい」といった方には宮城県の水産職はお薦めの職業だと思います。
最後に、私と同じように転職を目指している方へメッセージですが、前職で身に付けた知識や技術は、いつか宮城県の水産業振興のために生かせるはずです。毎日の仕事をこなしながら、採用試験に向けた勉強をするのは厳しい時期もあるかもしれませんが、体調に気を付けながら頑張ってください。応援しています!
ナマコ種苗生産の様子
年度 | 配属先 |
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平成30年度~令和元年度 令和2年度 |
農林水産部水産業振興課【本庁】 水産林政部水産業振興課【本庁】 |
令和3年度~ | 水産技術総合センター【地方機関】 |
養殖生産チームで、カキやノリなどの養殖生産物を安定生産するための調査研究を行っています。私は主にカキを担当しており、漁業者の皆さんが安定してカキ養殖を行えるよう、また宮城県産のカキを全国の方に美味しく食べてもらえるように業務に励んでいます。
カキ浮遊幼生調査の様子
水産技術総合センターに異動して1年目は、漁業者の方から生産方法など教えてもらうことが多かったのですが、3年目になって相談を受けるようになりました。宮城県のカキ養殖が良い方向に進むように、担当として努力していきたいと思います。
カキの養殖研修会
上手くいかない業務もありますが、漁業者の方から「頑張っているな」と言われたときは気持ちが楽になりました。厳しいご意見をいただくこともありますが、気にかけて応援してくれる方もいるのだなと前向きな気持ちになれました。
「百聞は一見に如かず」をモットーになるべく生産現場に行き、自分の目で見て、直接漁業者の方とお話しすることを心がけています。私はカキ担当になって3年目ですが、漁業者は何十年とカキ養殖を行っている職人です。漁業者が日々感じている変化などを数値化して、生産に役立てられるデータがとれたらと考えて仕事をしています。
大学時代はラクロス部に所属しており、レベルアップのための県外遠征や武者修行(他チームの練習への飛び入り参加)などで、様々な人と話す機会がとても多くありました。この経験のおかげで人見知りせずに、初対面の人とも話せるようになったと思います。
私は宮城県出身ではありませんが、大学時代を宮城県で過ごしたことから、宮城県職員に興味を持ちました。宮城県庁の職場見学会に参加した際に、大学の先輩が親身になって相談にのってくれたことがきっかけで受験し、宮城県職員になりました。優しくて頼れる先輩方がいるので安心してくださいね!
宮城県は漁船漁業・養殖業ともに盛んで、水産職として働きがいのある職場です。これを読んだ方が「宮城県職員を目指そうかな」と少しでも思ってくれたら嬉しいです。宮城県の水産業振興のため、一緒に働けることを楽しみにしています。
漁協でのカキ共同販売の様子
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