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職種紹介:林業

令和5年9月15日更新

職務内容

県産材の利用拡大など林業・木材産業の振興、森林の整備・保全に関する業務や、木材や特用林産物、森林管理技術、優良種苗の安定確保など試験研究のほか、環境緑化や野生生物の保護管理などの業務を行います。

主な勤務課所は、本庁であれば林業振興課、森林整備課、自然保護課などで、地方機関であれば各地方振興事務所、林業技術総合センターになります。

宮城県の林業職を目指す皆さんへ(PDF:1,190KB)

主な配属先1

林業振興課【本庁】

みやぎ森と緑の県民条例に基づく県内の森林づくり及び林業・木材産業の振興施策の企画立案や、森林の適正な管理・保全を図るための森林計画の策定、森林組合等林業の担い手の育成支援とともに、きのこ等特用林産物の生産振興を図っています。また、CLT等新たな木製品による県産材の利用拡大や木材流通対策、林業制度金融等を通じた県内木材産業の振興のほか、木材生産や森林管理に必要な林道の整備を行います。

主な配属先2

森林整備課【本庁】

木材供給や国土保全、二酸化炭素の吸収など森林の持つ多面的機能を高度に発揮するため、主伐・再造林などの森林整備を推進するほか、松くい虫などの病害虫対策やスギ花粉症発生源対策の取り組みを行います。また、東日本大震災で被災した海岸防災林の再生、令和元年東日本台風による林地被害の復旧などの治山事業を行うほか、保安林の指定・解除、県有林の管理・経営などの業務も行います。

主な配属先3

地方振興事務所林業振興部(大河原・仙台・北部・栗原・東部・登米・気仙沼)【地方機関】

県内7圏域毎にある地方振興事務所の林業振興部では、森林所有者への林業経営指導や技術指導をはじめ、木材加工・流通業者に対する施設整備支援など、補助事業の活用を通じて林業・木材産業の生産流通合理化を図る取り組みを推進しています。

そのほかにも、森林整備、森林病虫獣害対策、栽培キノコなど特用林産物の生産指導、林地開発の規制や鳥獣保護管理、林道などの路網整備や治山事業など、林業振興から自然保護に至る幅広い事業を担っています。

主な配属先4

林業技術総合センター【地方機関】

県の試験研究機関の一つで、試験研究の総合的な企画調整や評価とともに自らも造林育種に関する試験研究などを行う「企画管理部」、森林・林業の研修及び指導や試験研究成果の普及、林業技術の情報収集及び広報を担当する「普及・研修部」、森林保護・林業機械・林業経営・木材利用・きのこ等特用林産に関する試験研究などを行う「試験研究部」で構成されています。

職員インタビュー

【本庁】水産林政部林業振興課・佐々木さん(令和2年度入庁)

入庁から現在までの経歴
年度 配属先
令和2年度~令和4年度 水産林政部森林整備課【本庁】
令和5年度~ 水産林政部林業振興課【本庁】

Q1:在の担当業務を教えてください。また、その仕事は県民の生活等にどのような関わりがありますか?

森林計画を担当しています。
森林計画は、森林資源の利用と森林の公益機能発揮のバランスを図る役割のほか、無秩序な伐採による森林の荒廃から県民の生活を守る役割を果たしています。
私は、計画制度の中でも、民有林区域や資源管理を行うシステムの管理のほか、森林所有者等が持続的な森林経営を達成できるよう森林経営計画策定の指導を行っています。

森林クラウドシステム

Q2:やりがいがあった、嬉しかったというエピソードがあれば教えてください。

森林整備課に勤務していたときに、県有林業務に携わり、造林地での補植・下刈りや、事業者への立木売払い業務を経験しました。
木を植えて、伐るまでの流れを通して、林業の生産現場を知ることができたことは、大変勉強になった経験でした。また、森林を経営する側としての悩みを知ることができたことは、林業職員としての糧になっています。

県有林立木売払い

Q3:これまでの業務で印象に残っていることを教えてください。

入庁直前に令和元年東日本台風の被害があり、入庁して1週間経たずに現場の調査に行ったことが印象に残っています。
それまで災害というものは「誰かに何とかしてもらわないと」というような遠い認識をしていましたが、公務員として「何とかする側」の立場になったことに気が引き締まったのを覚えています。

Q4:日々どんなことに気をつけて仕事をしていますか?

担当業務だけでなく、ほかの業務まで視野を広く持つように心がけています。
県の業務は多様で、個々の職員にはそれぞれ担当業務が割り振られることになるため、視野が自分の担当業務に狭まりがちですが、それぞれの業務がどういった繋がりがあるかを把握し、ほかの業務のサポートもできるように心がけています(まだまだサポートしてもらうことの方が多いですが…)。

Q5:学生時代の経験が生かされていると思ったことは?

学生時代には森林生態学を専攻しており、天然広葉樹林・菌根菌といった、直接林業に生かされる研究はしてきませんでした。
しかし、伐って植える時代を迎えるこれからの森林・林業においては、針広混交林などの多様な森林施業も検討されてきており、学生時代の経験が生かされるときが近づいているのを感じています。

Q6:宮城県職員を目指した理由を教えてください。

学生時代の専攻を生かせるよう森林に関係する仕事を探していた時に、宮城県林業技術総合センターを訪れる機会があり、そこで県職員という選択肢もあるのかと気づき、受験を決めました。

Q7:宮城県職員を目指そうとしている方に一言メッセージをお願いします。

林業という職種は、森林整備や木材産業、治山林道等の森林土木、山菜きのこ等の特用林産など、業務が多岐にわたります。幅広い分野の業務で不安もあるかもしれませんが、個々の職員がそれぞれの得意な分野を見つけ、特技を生かして仕事をしています。
入庁後に自分に適性のある業務が見つけられると思うので、ぜひ宮城県の林業職を目指してもらえればと思います。

職場風景

【本庁】水産林政部森林整備課・島貫さん(平成27年度入庁)

入庁から現在までの経歴
年度 配属先
平成27年度~平成29年度 農林水産部森林整備課【本庁】
平成30年度~令和2年度 北部地方振興事務所栗原地域事務所林業振興部【地方機関】

令和3年度~

水産林政部森林整備課【本庁】

Q1:現在の担当業務を教えてください。また、その仕事は県民の生活等にどのような関わりがありますか?

治山事業を担当しています。
治山事業とは、森林の維持造成を通じて、豪雨や地震、津波等により発生する山地災害から住民の生命・財産を守るための事業です。
山地災害が発生する恐れがある森林で、斜面の崩壊の防止及び沢の勾配緩和等を目的とした工事を行ったり、森林の持つ水源涵養機能や土砂流出防備機能を高めるための森林整備を行ったりすることで、山地災害の防止を図っています。

また、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた海岸防災林の再生も行っており、潮害・飛砂・風害の防止などの多面的機能を有する海岸防災林となるよう、保育管理を行っています。


ドローンによる海岸防災林の調査


治山事業箇所の現地調査

Q2:やりがいがあった、嬉しかったというエピソードがあれば教えてください。

北部地方振興事務所栗原地域事務所林業振興部で特用林産物の担当をしていた際に、東日本大震災以降、出荷制限が続いていた山菜の一部の出荷制限が解除されたことです。

福島第一原発事故の影響により、市町村によっては未だ出荷制限の続く林産物があることから、県では、地元住民の協力を得ながら林産物の放射性物質濃度のモニタリング調査を行っています。特用林産物を担当していた際に、栗原市のクサソテツ(コゴミ)やタケノコ(タケノコについては一部の旧町村のみ。)の放射性物質濃度が安定的に低い値となったことが確認できたので、出荷制限の解除を行うことが出来ました。
地元の方々から出荷制限の解除を願う声が多く挙がっていたので、出荷制限の解除に至った時は私も嬉しく感じました。

Q3:これまでの業務で印象に残っていることを教えてください。

栗原地域事務所に勤務していた際に、苔の地場産品化に取り組んだことです。
栗原地域事務所では、苔の普及・地場産品化に取り組んでいます。苔栽培に興味を持っていただいた地元の方々と苔の栽培に取り組むとともに、苔を栽培している地元住民等を対象に苔玉や苔テラリウムの製作講習会など、商品化を見据えた活動を行いました。
令和元年度以降は、他県からも苔栽培業者等を集めて苔のお祭りを開催し、広くPRしました。
地元の方々には今も引き続き苔の栽培に取り組んでいただいていますが、苔の地場産品化はまだ道半ばなので、勤務地は変わっても普及に関わっていきたいです。

Q4:々どんなことに気をつけて仕事をしていますか?

基本的に3年ごとに人事異動があるので、書類を作る際は、なるべく自分以外の人が見ても何を根拠としているのか分かりやすいように、根拠資料をそろえるよう心がけています。
期限のある仕事が多いので、作業量や期限を踏まえて優先順位をつけて業務を進めています。特に地元の方々や外部の団体・企業等が関わる仕事は早めに対応するよう気をつけています。

Q5:学生時代の経験が生かされていると思ったことは?

卒業研究で海岸防災林の研究を行っていた際に、マツの樹齢の数え方を覚えたことです。
マツは1年ごと規則性を持って枝が伸びるので、枝の伸び方さえ覚えれば、ある程度の樹高までは植栽年度が分からなくてもおおよその樹齢を数えることが出来ます。
現在、治山業務で海岸防災林の復旧に携わっていますが、海岸防災林に植栽されているのはほとんどクロマツなので、樹齢の数え方を覚えていると、現場に行った際に図面等で植栽年度を確認しなくてもおおよその樹齢を予測出来るので役立っています。

Q6:宮城県職員を目指した理由を教えてください。

元々生物の分野が好きだったことに加え、昔から環境問題に関心があったので、多少なりとも環境問題に関わるような仕事に就きたいと思っていました。
そういった理由から、大学で農学部に進学し、座学や実習を通して林業について学ぶうちに、林業に関係する仕事に興味を抱きました。
大学の講義で林業の情勢等を学び、インターンシップで森林組合の実際の仕事について学ぶ中で、森林組合や製材所等のような林業事業体で働くよりも、林業の施策面に携わりたいと思ったため、宮城県の林業職員を目指しました。

Q7:宮城県職員を目指そうとしている方に一言メッセージをお願いします。

一口で林業職員といっても、林業事業体に対する補助事業や県が持つ森林の管理、林地開発の許可手続、森林の病虫害の対策、木材の流通拡大、特用林産物の需要拡大、治山・林道工事など多種多様な分野の業務があります。技術職の中でも特に業務の幅が広い職種なので、異動で担当業務が変わるたび新鮮な気持ちで仕事に取り組むことが出来ます。

また、地球温暖化が進み異常気象が増えた現代では、二酸化炭素を吸収し、土砂災害を防止する森林の果たす役割は大きいものとなっているので、とてもやりがいのある仕事です。

新たな林業職員が増えることを楽しみにしています!

通常業務の様子

【地方機関】東部地方振興事務所林業振興部・本田さん(令和元年度入庁)

入庁から現在までの経歴
年度 配属先

令和元年度~令和3年度

水産林政部森林整備課【本庁】

令和4年度~ 東部地方振興事務所林業振興部【地方機関】

Q1:現在の担当業務を教えてください。また、その仕事は県民の生活等にどのような関わりがありますか?

石巻地域の森林保護業務を担当しています。
特別名勝「松島」地域の一部である東松島市宮戸地区などの観光資源となりうる松林を、松が枯死してしまう病気「松くい虫被害」から守るため、薬剤散布などの予防措置や発生源駆除作業を実施しています。被害木を放置しておくと、景観が悪くなるばかりか、倒木などの地域安全に関わる事態に発展する可能性があるため、早期発見・早期駆除を目標に日々業務を行っています。

離島部の松くい虫被害調査へ向かう様子

Q2:やりがいがあった、嬉しかったというエピソードがあれば教えてください。

関係市町や事業体と協力して実施する松くい虫被害予防のための「薬剤空中散布」は、地域住民の方々の理解を得て実施する必要があります。住民説明会などを通して、観光資源としての松を守る必要性について御理解いただき、円滑に事業を終えることができた時には、達成感とやりがいを感じました。


ナラ枯れ被害に係る捕獲実験

Q3:日々どんなことに気をつけて仕事をしていますか?

できるだけ広い視野をもって仕事をしたいと思っています。自分の業務だけに集中していても、仕事の背景や全体像、本質をつかむことはできないと思います。日々、他の職員の仕事にも関心をもつことはもちろんですが、事業体や職員との他愛ない雑談の中に、実はヒントが隠れていることもあるのではないでしょうか。広い視野で点と点が繋がっていく瞬間を見出していきたいです。

Q4:学生時代の経験が生かされていると思ったことは?

大学時代に経験した、アルバイトでの接客経験は生かされていると思います。仕事における一般的なマナーなどを就職前に学ぶことができるのは、非常に大きいメリットだったと感じています。
また、仕事で関わる人との意外な共通点になったりするので、サークル活動などで自分の趣味を深掘りしておくのもいいかもしれません。

Q5:宮城県職員を目指した理由を教えてください。

中学2年生の時に発生した東日本大震災で、出身地である東松島市の景色が一変してしまいました。毎日目にしていた海岸沿いの松林がほとんど流失してしまい、とても悲しい気持ちになったことを覚えています。元々樹木医に憧れがあったために、大学で林学を学んでいましたが、在学中に東日本大震災で失われた松林の復興に関わりたいという思いが強くなり、林業職で宮城県職員を目指すこととしました(樹木医の資格もいつかは取りたいです)。

Q6:宮城県職員を目指そうとしている方に一言メッセージをお願いします。

公務員は毎日同じ仕事をしてつまらなそう…というイメージをもっている方もいると思いますが、まず、インターンシップ等を活用して、仕事の雰囲気を知ってもらいたいです。
特に林業職は、現場に行くことも多く、色々な仕事や人に出会うので、刺激的な毎日を過ごすことができます。
森林という大きなフィールドで、自分の持ち味を生かしましょう!


測量の様子

【地方機関】林業技術総合センター・山崎さん(平成30年度入庁)

入庁から現在までの経歴
年度 配属先
平成30年度~ 林業技術総合センター【地方機関】

Q1:現在の担当業務を教えてください。また、その仕事は県民の生活等にどのような関わりがありますか?

林木育種に関する試験研究業務を担当しており、主に花粉を出さないスギ(無花粉スギ)の品種開発に取り組んでいます。
現在、スギ花粉症に罹患している国民の割合は4割以上とも推計されており、スギを植えて活用している林業の面から対策を講じることはとても重要です。現在、県内では通常のスギと比較して花粉の飛散量が1%以下である「少花粉スギ」品種を挿し木と種子で供給していますが、
今後、究極的な花粉症対策を講じるためには、無花粉スギの品種開発が求められています。

カラマツの種子採取の様子

Q2:やりがいがあった、嬉しかったというエピソードがあれば教えてください。

無花粉スギの品種開発の他、林業用スギ等の種子や穂木を採取する施設の管理にも携わっており、苗木を育てることは業務の上で必須となります。自分で交配して作出した種子や、穂木を発根させた苗を育て、植栽し、種子(穂)採取用の母樹に仕立て上げることはとても達成感があります。あんなに小さかった苗がこんなに大きな母樹になったのかと感無量です。
私はこの仕事に携わるまで、スギの雄花や雌花を注意深く観察したことはありませんでしたし、苗木を育てたこともなかったので、新しい発見がたくさんあり、とてもやりがいがあります。


スギ雌花


スギ雄花

Q3:これまでの業務で印象に残っていることを教えてください。

育てている苗木の状態確認と水かけのために苗畑に毎日足を運んでいることです。
着任した当初は、苗木の育て方がよく分からず、施肥や水管理を間違えて苗木の状態を悪くしてしまったこともありました。私が管理する苗木は1800本程度ですが、自動散水設備で賄えない場合もあるため、気温が30度を超えるような暑い日は、水分不足が心配になり、その都度様子を確認していました。
試験研究で扱う苗木は正確なデータを得る必要があるため、とくに丁寧に管理しています。

Q4:々どんなことに気をつけて仕事をしていますか?

私は植物の動きに気をつけるようにしています。天気や温度等の環境の変化によって植物の動きは毎年同じとは限らないので、人工交配をはじめとした各種作業の適期も毎年同じとはいきません。交配作業を例に挙げると、スギ等の植物は1年に1回しか花が咲かないため、その年の適期を見逃した場合、挽回する機会は1年後になってしまいます。そのような状況を防ぐため、日々天気予報をチェックし、植物の様子を観察しています。

Q5:学生時代の経験が生かされていると思ったことは?

学生時代の勉強もアルバイトも遊びも全ての経験が生かされる可能性を秘めていると思います。
私の場合は、講義で学んだ内容がフィールドワークや、会話のネタとして役立ったりしたこともありますし、柿園でのアルバイトで経験した摘花や剪定作業が現在の業務に生かされていると感じています。
大学時代の趣味は社会人になった後も休日の良い息抜きになります。私はたまに船釣りに行って海の開放感に浸るのが好きです。釣りが上手なわけではないので釣れない日もあるのが悲しいところです…。

Q6:宮城県職員を目指した理由を教えてください。

林業とは関係の無い職場で働いている時に、たまたま林業関係者の方とお話しする機会があり、その時からせっかく大学で林学に関する知識を学んだのだから、それを生かせる環境で働きたいと考えるようになり、宮城県職員を目指しました。

Q7:宮城県職員を目指そうとしている方に一言メッセージをお願いします。

私は大学卒業後に別な職場で働いた後、転職して宮城県職員になりました。以前の職場は業務内容が全然違っていましたが、現在の業務の中で前の職場の経験が生かされることが少なくありません。別な職場環境で働いたことがあるという経験は、その人が持つ強みの1つになると思います。
大学卒業予定の未来の新社会人の方々はもちろんですが、転職しようか悩んでいる方々もぜひ宮城県職員を目指してみませんか?自分だけの経験を生かして働いてみませんか?


スギの種子採取作業

お問い合わせ先

人事委員会事務局総務課任用班

宮城県仙台市青葉区本町三丁目8番1号
県庁行政庁舎17階

電話番号:022-211-3761

ファックス番号:022-211-3797

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