予算決算（平成13年度当初）

平成13年度当初予算について

平成13年2月
宮城県

1　財政状況

我が国経済は、長引く不況からの脱却を目指した各種の政策効果の浸透などにより、緩やかな改善が続いているものの、依然として雇用情勢は厳しく、個人消費も横ばいの状態にあるなど、未だに先行き不透明感を払拭できずにいる。県内経済も、一部に改善の兆しが見えてきたものの、景気回復の足取りは重く、先行きは楽観視できない状況が続いている。
このような中、本県の財政は、平成11年10月に財政危機を宣言して以来、財政健全化を至上命題として、聖域なき歳出削減や歳入確保対策などに取り組んできた結果、当初懸念された平成13年度の準用財政再建団体への転落は回避できる見通しとなったが、平成14年度以降においては、公債費の増加等により、財政赤字の発生が見込まれるなど、依然として予断を許さない極めて厳しい状況にある。

2　財政運営の基本方針

自律的景気回復への足取りが不透明な中、県総合計画に掲げた事業の着実な実践を図っていくためには、歳入・歳出両面にわたる徹底した見直しを進め財政構造を転換することによって、より機動的な財政運営を行うことができるシステムを確立する必要がある。
このため、歳入面においては、引き続き県税収入の確保や使用料・手数料の適正化、遊休資産の売払い促進等に努めることとする。
歳出面では、聖域なしにその見直しを行い、財政健全化に向けて総額を抑制していくため、経常的経費はもちろん政策的経費についてもシーリングを徹底するほか、人件費については、職員給与等の削減を継続することとする。一方、投資的経費については、キャップ制の設定等により後年度負担の軽減に努めるとともに、行政評価システムを活用しながら効果性、効率性の高い事業を厳選することにより、重点化、効率化を図っていくものとする。

3　予算編成の基本的な考え方

このような財政状況及び基本方針の下、平成13年度当初予算編成にあたっては、財政健全化への歩みを更に確かなものにするため、昨年度に引き続き事業の進度調整や縮小・廃止などの見直しに努めた。
一方、通常のシーリング枠内で予算要求が困難な事業について、重点政策事業関連枠を設定することにより、県総合計画に掲げた「福祉、環境、教育」の三つの基軸への取組及び「みやぎ産業振興重点戦略」の着実な展開と政策シフトを図るなど、限られた財源を、緊急度、優先度の高い事業に重点的に配分した。
また、補助公共事業については、キャップ制の下で一層重点化、効率化に努めたほか、本年9月から10月にかけて開催される第56回国民体育大会及び第1回全国障害者スポーツ大会推進事業についても、新世紀の幕開けにふさわしい大会運営を目指し、所要の予算措置を講じている。

4　財源の確保

一般会計の財源については、次のように措置した。
一般財源の太宗を占める県税については、製造業を中心とした法人関係税の持ち直しなどにより、全体としては、年間総額で前年度を上回る見込みであるが、地方交付税は、その総額が5％減額されることにより、本県においても、前年度を下回るものと見込んでいる。当初予算では、県税、地方交付税とも現時点で見込みうる最大限の額を計上した。
また、地方債については、引き続き発行総額の抑制に努めているが、財政健全化債や実質的な赤字地方債である臨時財政対策債の発行を余儀なくされるため、全体では、前年度を上回るものと見込まれる。
なお、各分野にわたる諸施策を実施するためには、これらの財源措置ではなお不足が生じるため、地域整備推進基金等を取り崩すこととした。

5　予算の規模

この結果、平成13年度当初予算の規模は、一般会計で約8,482億円、総会計で約1兆1,183億円となった。
予算の前年度比較では、一般会計0.6％の増、総会計で約5.2％の増となり、当初予算としては、3年ぶりに増加に転じているが、国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会開催等の特殊要因や大口県債の償還期限到来による臨時的な財政支出を除く実質ベースでは、一般会計で1.0％の減となった。
また、一般会計歳出規模から公債費及び地方消費税交付金等の影響額を控除した一般歳出は、対前年度比0.2％の減となった