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「田んぼにすむ生きものといえば?」と質問されたら何を思い浮かべますか?ここでは、チョット地味ですが甲殻類を紹介します。甲殻類とは大雑把にいうと、エビやカニの仲間です。田んぼにすむ甲殻類でよく知られているのは、アメリカザリガニだと思います。でも、田んぼにはもっと小さくて、とっても不思議な甲殻類がいます。
ザリガニの次に有名な甲殻類です。名前は聞いたことがあるかもしれません。大量発生したという新聞記事を読んだ方もいると思います。
日本には、アメリカカブトエビ、アジアカブトエビ、ヨーロッパカブトエビが生息しています。ヨーロッパカブトエビは宮城と山形県でのみ確認されています。
左の写真は、箟岳地区(涌谷町)おいての採捕の様子です。
カブトエビは、田植え直後の雑草の芽などを食べるため、“田の草取り虫”とも呼ばれています。
探すときは、姿形がオタマジャクシと間違えやすいので、気付いていないだけで意外に近所にいるかもしれません。
ホウネンエビは意外と知っている人がいるかもしれません。あの”シーモンキー”の近縁種です。ホウネンエビの存在は江戸時代から知られていました。一部の記録では金魚売りが一緒に売っていたともされています。
毎年同じ場所に発生するわけではなく場所を変えて突発的に発生します。泳ぐ姿は、ゆらゆらのーんびり泳ぐのでとても涼しげかもしれません。
ホウネンエビの”ホウネン”は、漢字で『豊年』と書きます。田んぼにこのエビが発生すると、豊作になるとの言い伝えがあります。甲殻類の発生は、豊かな田んぼであることの証です。
カイエビは、二枚貝のような甲殻に覆われています。鹿島台町や三本木町で確認されています。くるくると回転しながらせわしなく泳ぐ姿はとてもかわいいものです。
カブトエビやホウネンエビに比べ、非常に地味な存在です。施工直後のほ場でも確認されましたが、土に卵が残っていたのか、用水にのってきたのか定かではありません。
この仲間の産む卵は、“耐久卵”といい、乾燥や温度変化に非常に強く条件が整うまで何年も卵のまま眠り続けることが出来ます。また、田んぼにすむカエルや幼魚にとって貴重なえさにもなります。
この仲間の寿命は30~50日と短く、6~7月までしか観察できません。田んぼをのぞいて観察にチャレンジしてみましょう。
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