住宅瑕疵担保履行法について
- 平成12年4月「住宅品質確保法」が制定され、住宅の主要構造部分の瑕疵について10年間の瑕疵担保責任を負うこととされた。
- 構造計算書偽装問題を契機に、売主等が倒産した場合、瑕疵担保責任が履行されない事態となった。
- 平成19年5月に10年間の瑕疵担保履行を確実にするため「住宅瑕疵担保履行法」が制定された。
法律名 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律
公布 平成19年5月30日
- 住宅瑕疵担保責任保険法人の指定や特別紛争処理体制の整備 平成20年4月1日施行
- 新築住宅の売主等に対しての瑕疵担保責任を履行するための資力確保の義務付け 平成21年10月1日施行
※平成21年10月1日以降に新築住宅を引き渡す場合に適用される。
10年間の瑕疵担保責任(住宅品質確保法)の履行の確保
- 建設業者、宅地建物取引業者に保険又は供託による資力確保措置を義務づけ。
- 万が一売主等の倒産などにより瑕疵の補修等ができなくなった場合でも、保証金の還付又は保険金により必要な費用が支払われる。
保険や供託の状況の届け出
- 年2回、建設業の許可や宅地建物取引業の免許を受けた国土交通大臣または都道府県知事に、保険や供託の状況の届け出が必要。
- 宮城県における届け出先
- 宅地建物取引業者 建築宅地課
- 建設業法の許可を受けた建設業者 事業管理課
資力確保措置
- 住宅建設瑕疵担保保証金等の供託
- 住宅瑕疵担保責任保険契約の締結
対象となる事業者
- 宅地建物取引業法の免許を受けた宅地建物取引業者
- 建設業法の許可を受けた建設業者
※対象外「建築一式工事1,500万円未満」又は「延べ面積150平方メートル未満の木造住宅」の工事は建設業法の対象とならないため、この範囲で工事をしている建設業法の対象とならない業者
対象となる住宅:平成21年10月1日以降に引き渡される新築住宅
例 注文住宅、分譲住宅(建売住宅、マンション等)、賃貸住宅
※中古住宅は対象外
対象となる部位:「住宅品質確保法」で定める10年の瑕疵担保責任の範囲と同じ
- 構造耐力上主要な産分:基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、床版、屋根版、梁・桁等、筋かい等
- 雨水の浸入を防止する部分:屋根、建具、雨水排水管等
供託金
- 過去10年間に引き渡した新築住宅の戸数に応じて算定した額の保証金を法務局等に供託する。
- 制度施行当初は経過措置として低減される。
- 供託金は瑕疵担保責任がなくなった時点で返還される。
- 供託金の額の例
- 1戸の場合 2,000万円
- 100戸の場合 1億円
還付
- 売り主等が倒産などにより瑕疵担保責任が履行できなくなった場合
住宅購入者等に対して、供託金の還付により、補修等に必要な費用が支払われる。
(下図参照)
「住宅瑕疵担保責任保険法人(指定保険法人)」との保険契約の締結
保険金
- 売り主等が倒産などにより瑕疵担保責任が履行できなくなった場合
住宅購入者等に対して、保険金の支払いにより、補修等に必要な費用が支払われる。
(下図参照)
- 購入者等は、請負人もしくは売り主(売り主等)へ不具合を申し出、売り主等が瑕疵による不具合の補修等を行うこととなる。
- その場合、指定保険法人からは売り主等へ、補修費用の80%が保険金として支払われる。
申し出た時点で売り主等が倒産している場合
- 購入者等は補修費用を指定保険法人請求し、指定保険機関により瑕疵と判断された場合は、購入者等に補修費用の100%が保険金として支払われる。

- 購入者は、売り主等へ不具合を申し出、売り主等が瑕疵による不具合の補修等を自己資金により行う。
申し出た時点で売り主等が倒産している場合
- 購入者等は、国土交通大臣の確認を受け、その上で、供託所に補修費用の還付請求を行い、費用が還付される。

紛争処理機関:住宅紛争審査会
- 消費者保護の観点から専門の紛争処理機関
- 住宅品質確保法に基づき、弁護士会単位で指定国土交通大臣が指定
- 申請により「あっせん」「調停」「仲裁」を行う。
- 申請手数料1万円
バックアップ体制:住宅紛争処理支援センター
- (財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター内に設置
- 指定住宅紛争処理機関の紛争処理業務について、費用の助成や情報・資料の収集、調査・研究といった様々な支援業務を行う。