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知事室へようこそ
令和4年12月26日
令和4年の仕事納めに当たり、挨拶をいたします。
休みを長めにとってリフレッシュしていただきたいので、今年も年末の挨拶を少し早めに設定しました。
今年は、仙台育英学園高等学校が夏の甲子園で東北勢初の優勝を成し遂げてくれました。宮城県制150周年の節目に、多くの感動と勇気、夢と希望を与えてくれたことに深く感謝するとともに、監督・選手の並々ならぬ努力に心から敬意を表します。
一方で、危機管理への対応も様々あり、大変な年でもありました。昨年末から続いた豚熱に加え、鳥インフルエンザ、地震・大雨による災害など、いずれも全庁一丸となって迅速に取り組んでくれました。本当にお疲れ様でございました。
さて、「新・宮城の将来ビジョン」がスタートして2年目となり、皆さんには、富県躍進に向けて全力で取り組んでいただきました。
まずは新型コロナウイルスについてでありますが、夏の第7波では、医療提供体制を維持するため、ギリギリの対応が続きましたが、関係団体や市町村と連携し、速やかに対策を講じることができました。
特に、全数の届出の見直しに全国に先駆けて取り組んだことは、県内医療機関の事務負担の大きな軽減につながるだけではなく、国による全国一律の動きに一つのモデルを示すことができたと思っております。
第8波に対しては、ワクチン接種を更に加速化させるため、大規模接種センターを12月から再開させるなど、対策の強化も図ってまいりました。
また、社会経済活動の回復に向けては、コロナ対策に加え、国際情勢の影響による物価高騰も含めた総合的な対策が必要となりましたが、迅速かつ柔軟に対応してくれました。
昼夜を問わず、関連の職務を全うした職員の皆さん、大変ご苦労様でございました。現在も、感染高止まりの状況が続いておりますが、県民の命と暮らしを守れるよう、引き続き関係者の皆様と一丸となった対応をお願いいたします。
次に、震災復興についてであります。
今年の3月で東日本大震災から11年が経過し、ハード面の復旧復興は、一部を除いて概ね完了いたしました。これまで取り組んできた「創造的な復興」も実を結び始めております。
1つ目は、国内で37年ぶりの医学部新設となった東北医科薬科大学において、3月に1期生が卒業いたしました。今後、総合診療医として地域医療を支える人材に育っていただけることを大いに期待しております。
2つ目は、4月から、上工下水道事業の「みやぎ型管理運営方式」がスタートいたしました。民間事業者に対して運営権を譲渡する新しい仕組みとして、全国のモデルになるようにしてまいりたいと思います。
一方で、被災者の心のケアや地域コミュニティの再生、産業やなりわいの回復などは、今後も継続した支援が必要であります。引き続き、きめ細かなサポートを行ってまいりましょう。
震災伝承については、オープン2年目となった「みやぎ東日本大震災津波伝承館」や、9月に設立した「震災伝承みやぎコンソーシアム」を中心に、多様な主体と連携した活動にさらに力を入れてまいります。
また、令和元年東日本台風による被害で、応急仮設住宅での生活を余儀なくされている方々につきましても、10月で3年が経過したことから、一日も早い復興に向けて、しっかりと支援していかなければなりません。
さらに、3月の地震や7月の大雨災害において被災された方々についても、全力で支援するとともに、今後の災害に備えた対策に、引き続き力を入れてまいります。特に、名蓋川で3か所の堤防が決壊するなどの被害が生じたことにつきましては、大きな責任を感じており、流域全体の抜本的な治水対策に取り組んでまいらなければならないと思います。
次は、「県制150周年」についてであります。
2月16日をもって、宮城県は誕生150周年という大きな節目を迎えました。
4月からは観光キャンペーンを展開するとともに、様々な記念イベントやコラボ企画などにより、多くの方々にとって、宮城の歴史や伝統・文化に思いを馳せながら、新たな発見や体験につながるきっかけとなったものと思います。
その集大成として、11月1日には多くの方々をお招きし、記念式典を開催することができました。
子ども・子育て分野については、3月に創設した次世代育成・応援基金を活用して、どこでも授乳室プロジェクトや不妊検査費用の助成、結婚応援パスポートの創設、子育て支援サービスの利用者負担の軽減など、新たな取組に着手できました。
引き続き、出生率の向上や若者の県内定着に向けて、市町村と連携・協働しながら、様々な施策を講じてまいりたいと思います。
DXについては、4月の講話でお話したとおり、今後加速化する人口減少など、様々な社会の変革に本気で立ち向かっていくため、変革の第1弾として、「DXによる変革みやぎ」を掲げ、全庁を挙げて取り組んでまいりました。
今年は、原子力防災の分野で、避難訓練にマイナンバーを活用したスマホアプリを導入し、避難の円滑化に向けた実証実験を行いました。この取組は、河野デジタル大臣からも、全国に先駆けた防災DXの優良事例として大いに注目していただいており、今後は原子力防災だけではなく、自然災害への対応や、地域の商店街の振興、観光客の誘致など、幅広い分野に応用してまいりたいと考えております。
公共関与による管理型産業廃棄物最終処分場については、県、大和町、宮城県環境事業公社の3社による基本協定に至ることができました。これについては、現地に足しげく通って地域の皆様と意見交換を重ねてくれた担当職員、そして、ご理解とご協力を賜った関係者の皆様に、改めて感謝を申し上げたいと思います。
ここまで、この1年を振り返ってまいりました。
今年達成したことではありませんが、知事就任当初から掲げてきた目標「県内総生産10兆円」を平成30年度に達成していたことが、3月に公表されました。自動車産業の誘致・集積など、人口減少を見据えた産業構造の転換に県庁一丸となって取り組んできたことが、当初無謀とも思われた高い目標の達成につながったことは、非常に喜ばしいニュースでありました。
最後に、私は年始に「今年の漢字」を発表しておりますが、今年の漢字が何だったか覚えている方はおられるでしょうか。
今年は「育」、育てる、育む、という字にいたしました。この一字には、「子育て」の取組を加速化させていくこと、昨年の知事選挙で掲げた政策集の取組をしっかりと実行し育てていくこと、さらには、県民の皆様がコロナ前の日常を少しでも取り戻して、愛や幸せを育んでいただくような1年になることへの期待と決意の思いを込めたものであります。これらについては、すぐに成果の現れるものではありませんので、引き続き、未来を見据えた必要な取組を一人ひとりがしっかりと育て、育むことが、県全体の躍進につながるという意気込みで、来年もさらに頑張ってまいりましょう。
年末年始は、体調管理に気を付けながらリフレッシュしていただきたいと思います。特に他県からの派遣職員の皆さんは、この機会に地元でゆっくりと過ごしてください。ただし、不測の事態への備えも怠りなく、しっかりとお願いします。
来年も皆さんと仕事ができることを楽しみにしております。それでは皆様、良い年をお迎えください。大変今年1年ありがとうございました。
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