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知事室へようこそ
平成29年12月28日
県庁2階講堂
平成29年の仕事納めを迎えました。
全国からの応援職員が戻られ、一人一人の負担が大きくなる中で、職員の皆さんには、復旧・復興事業をしっかりと進めていただきありがとうございました。1年間本当にお疲れさまでした。
今年は、震災復興計画の「再生期」の総仕上げをしながら、次の「発展期」につなぐ大事な年でした。皆さんに多くの大変な仕事に取り組んでもらいました。
復興まちづくりは着実に進み、気仙沼市と南三陸町で全ての災害公営住宅の整備が完了するなど、11月末で県全体の完成戸数は、計画の約94%となっています。全ての災害公営住宅の完成まであと少しのところまできています。
また、「さんさん商店街」や「いしのまき元気いちば」など、新しい商店街が開業し、多くのお客さまで賑わいました。
さらに、移転新築した気仙沼市立病院のオープンや、高度な衛生管理ができる塩竈市の新しい魚市場の完成など、くらしや産業の再生が進みました。
気仙沼大島と本土を結ぶ「希望の架け橋」、復興の象徴でもある「気仙沼大島大橋」の架設が3月に完了しました。地域の皆様が、悲願として長年待ち続けていますので、一日も早く全線開通できるよう事業を進めていきます。
また、今月、三陸自動車道が歌津ICまで延伸をしたほか、大谷-気仙沼IC間の年度内供用が予定されているなど、沿岸部の物流機能や観光アクセスがさらに向上し、復興に大きく貢献するものと考えています。
「創造的な復興」として民営化を進めてきた仙台空港については、9月にLCCのピーチ・アビエーションが拠点化し、札幌線と台北線が就航されました。これで、最重点地域である台湾には、仙台空港から毎日運行の週12便となりました。
また、フジドリームエアラインズが、来春の仙台-出雲線開設を発表しました。空港民営化後の新たな就航地への路線開設は初めてで、交流人口の拡大が期待されます。
さらに、広域水道と工業用水道、流域下水道の3事業の経営改革のため、コンセッション方式による一体的な管理運営について、検討を進めました。
農林水産分野では、待望の新みやぎ米「だて正夢」がプレデビューを飾り、もちもちとした食感で大変好評をいただいたほか、今月、大崎地方の水田農業地帯「大崎耕土」が東北で初めて「世界農業遺産」に認定されました。
福祉分野では、小学校入学準備支援を新たに開始したほか、介護人材不足に対応するため、外国人を対象とした介護福祉士養成講座を開きました。
震災復興とふるさと宮城のさらなる発展に向けてまだまだやるべきことがたくさんあります。来年も、今年以上に、様々な分野で新しいことに挑戦していきましょう。
一方で、震災から7年経過を前にして、震災の風化を感じることが増えてきました。大災害を経験した私たちの責務として、この教訓をしっかりと次世代に受け継いでいく必要があります。
今年は、11月に世界防災フォーラムが開催され、国内外の皆様に、震災から得た経験や教訓を発信することができました。
また、沿岸部で開催されるイベントは多くの方々が訪れ、被災地の復興状況を見ていただく絶好の機会となります。7月から9月にかけて牡鹿半島を中心に開催された「リボーン・アート・フェスティバル2017」に延べ約26万人が、7年ぶりの開催となった8月の「松島航空祭」に4万人が訪れるなど、被災地の「いま」を感じていただくことができました。
7月から8月にかけては、「全国高等学校総合文化祭」と「全国高等学校総合体育大会」の2つのイベントが開催されました。大会運営を含めて、高校生が懸命に頑張る姿に心を打たれました。
総文祭の開会式には、秋篠宮殿下並びに佳子内親王殿下にお越しいただき、震災の復興状況を御覧になられるとともに、御視察先で多くの方にお声掛けをいただきました。
9月の全国和牛能力共進会では、県代表牛が部門トップを獲得し、総合でも4位となるなど、仙台牛の知名度を向上させることができました。
また、11月には、皇太子同妃両殿下が名取市、亘理町を御視察され、被災された方々に温かいお見舞いと激励のお言葉を掛けていただきました。
一方、今年も、九州北部豪雨など、全国的に大きな災害がありました。県内でも秋に台風18号、21号で大きな被害を受けました。
3月は、栗原市で高病原性鳥インフルエンザ感染が発生しましたが、各方面から多大な御協力をいただきながら、職員の皆さんが総力を挙げて対処した結果、迅速に防疫措置を完了することができました。
現在、渡り鳥の飛来シーズンを迎えており、引き続き、鳥インフルエンザの発生予防と、万一の発生に備えた蔓延(まんえん)防止の対策に万全を期さなければなりません。
さらには、8月と9月には北朝鮮のミサイルが発射され、日本上空を越えて太平洋上に落下しました。
県民生活の安全・安心を守るため、自然災害だけでなく、あらゆる危機に対する日頃の備えが大切であり、災害に強い県土づくりを改めて強く意識した1年でありました。
これまで、今年の出来事を振り返ってきましたが、皆さんの1年はどうでしたか。
4月の公所長会議で話をした、無駄な会議や、資料作成の削減など、生産性を向上させる工夫はできましたか。来年はその取り組みにさらに改善を加えて、限られた時間の中で効率的に仕事を進める「生産性の向上」と、「ワーク・ライフ・バランス」の実現をお願いします。
また、職員の皆さんそれぞれが、県民に役立つ仕事や、困難な事案の解決ができましたか。
ぜひ、年末年始の休みは、自分がこの1年で何を学び、どんな成果、成長があったのか、振り返ってみてください。
そして、来年、自分が県民のためにどんな貢献をするのか目標を立て、どうやって実現させていくかを考えてみてほしいと思います。
それともう一つ、せっかくの長期の休みですので、ぜひ被災地に足を運んで、復興の姿を思い描き、これからどのような取り組みが必要かを考える年末年始にしてほしいと思います。
約9千人の被災された方々が今年も仮設住宅で年を越すという現実を、決して忘れないようにお願いします。
今年の知事選挙で、4期目の重責を担わせていただくことになりました。選挙期間中は、多くの方々からお話を伺いましたが、震災復興や富県宮城をはじめとする、私のこれまでの取り組みの継続と強化に期待をしていただいたと強く感じました。来年も、より一層気を引き締めて、皆さんとともに県政を運営していきたいと考えています。
来年の3月11日で震災から7年を迎えます。そして、4月からは震災復興計画の「発展期」の3年間がスタートします。
極めて重要な3年間になります。復興の総仕上げに向けてラストスパートをかけながら、復興計画後の宮城を見据えて、新しい県政にチャレンジしていく1年にしたいと考えています。
明日からの年末年始の6日間は、じっくりと疲れを癒やしてください。
特に、他県から派遣されている職員の皆さんは、地元に戻って、ぜひ家族や友人、大切な人と一緒にゆっくりと過ごしてほしいと思います。皆さんのおかげで、今年も復興が進みました。今年の成果や苦労したこと、被災地が復興している様子を地元の方々にぜひ伝えていただきたいと思います。本当にありがとうございました。
また、毎年お話していることですが、年末年始の長期休暇中は、組織の体制が脆弱になります。緊急連絡体制の再確認など、不測の事態に備えて、危機管理をしっかりとお願いします。
それでは、来年もまた皆さんと一緒に楽しく仕事ができることを楽しみにしています。年明け初日からスタートダッシュができるよう、しっかりと準備を整えてきてください。
皆さん、良いお年をお迎えください。本当に今年1年ありがとうございました。
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