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知事室へようこそ
平成29年1月4日
県庁2階講堂
新年おめでとうございます。
東日本大震災から5年10か月、6回目の新年を迎えました。
昨年も、職員の皆さんには震災復興に全力を注いでいただき、ありがとうございました。お正月はゆっくりとお休みできたでしょうか。
今年は酉年、「トリ」こむことから商売の縁起の良い年と言われています。県内外、国内外から活力を「トリ」込んで、フェニックス・不死鳥のように、宮城・東北を元気に再生していきましょう。
今年は、震災復興計画の「再生期」の最終年に入ります。ふるさと宮城のさらなる発展の基礎を築く正念場です。
これまでにまいてきた「創造的な復興」の種が芽を出してきます。これらをしっかりと育てていきましょう。
仕事始めの今日から、助走期間なしで、フルスロットルで走り続けたいと思いますので、よろしくお願いします。
早速、今月、新しい県産ブランド米のネーミングを発表します。よい名前を考えていただいていますので、期待してください。県をあげて「みやぎ米」ブランドをPRし、消費者に選ばれる米になるよう育てていきます。
また、3月までには、東北初となる商用水素ステーションが整備されます。環境負荷の低減、災害対応、経済活性化などに大きな効果が期待される水素エネルギーの普及拡大を力強く進めていきます。
さらに、三陸自動車道が南三陸海岸インターチェンジまで開通します。沿岸部へのアクセスがさらに向上し、震災からの復興、産業再生や観光振興を力強く後押しすることが期待されます。
4月には、石巻市で木材パルプから作り出される「セルロースナノファイバ-」の量産が始まる見通しです。この新素材は、食品や自動車など、幅広い分野への応用が期待されており、県としてしっかりと支援していきます。
夏には、LCCのピーチ・アビエーションによる仙台空港の拠点化と、新規路線の開設が検討されています。空港民営化によって今後高まってくる航空需要を、空港運営権者と連携して円滑に受け入れ、東北の交流人口拡大に努めていきます。
また、同じく夏頃には、仙台と山形を結ぶ二口林道の舗装工事に着手する予定です。昨年の国道347号の開通と合わせて、山形とのより一層の交流を進めていきたいと考えています。
また、今年はイベントも盛りだくさんの年です。
7月から8月にかけては、全国高等学校総合体育大会と、全国高等学校総合文化祭が開催されます。復興を乗り越えて、宮城の高校生が活躍する姿を全国に発信する大切な大会です。
7月から9月にかけては、牡鹿半島を主会場として、東日本大震災の復興支援イベント「リボーンアートフェスティバル」が開催されます。我が県の沿岸部の魅力を広く発信し、被災地の復興とさらなる発展につなげていきたいと考えています。
9月には、全国の優秀な和牛が5年に一度集まり競い合う、「全国和牛能力共進会宮城大会」がいよいよ開催されます。我が県が誇る「仙台牛」で、日本一の獲得を目指していきます。
10月には、県内初の公認フルマラソンを目指し、「東北・みやぎ復興マラソン」が津波被害を受けた名取市、岩沼市、亘理町で開催される予定です。
11月には、「(仮称)世界防災フォーラム」が仙台市で開催されます。おととし開かれた国連防災会議を引き継いで開催されることになり、震災の教訓と復興の状況を全世界に向けて発信する貴重な機会となります。
また、今年は、伊達政宗公の生誕から450年となる年です。市民が主体となって観光振興や歴史文化の保存などに取り組む運動が始まっており、県としても一緒に盛り上げていきたいと思います。
これらのイベントを通じて、宮城の食・文化・自然・歴史や、東日本大震災からの復興と支援への感謝をしっかりとPRできるよう、一丸となって取り組んでまいりましょう。
さて、我が県の震災復興は着実に進んでいますが、合わせて考えなければいけないのは、復興需要後、この先の我が県経済をどのように活性化していくのかということです。
これまで、私自らがトップセールスマンとなって、県内総生産10兆円を目指して、富県宮城の実現に取り組んでまいりました。平成26年度の県内総生産は実質値で9.4兆円で、目標まであと少しのところまで迫ってきていますが、復興需要後もこれまでの成長を維持できるよう、県経済をどうやって底上げしていくかが重要な課題です。このためには、製造業や農林水産業の振興、観光など交流人口の拡大に加え、高品質な県産品の輸出、被災地の産業再生など、県内経済をフル回転させるとともに、水素エネルギーなど新しい産業を生み出し、さらには、女性も、高齢者も、障害のある方も、一人ひとりが力を発揮できる社会をつくり上げていくことが必要です。
また、昨年発表された最近の国勢調査の結果で、日本の総人口は約1億2,709万人で、調査開始から初めて減少しました。また、65歳以上の割合も過去最高となる26.6%となりました。4人に1人が高齢者ということで、少子高齢化が鮮明になっています。
人口減少対策は喫緊の課題で、今年は、将来を担う子どもたちの成長を社会全体で応援するため、市町村をはじめ様々な主体と連携しながら、乳幼児医療費の助成対象の拡大や、小学校入学用品費助成制度の創設などにより、子育て世代の支援策を充実させていきます。
それと同時に、イクメン・イクボスの推進や仕事・子育ての両立につながるワーク・ライフ・バランスの普及啓発など、子育てがしやすい社会づくりも重要です。
これらは、我が国全体の大きな問題ですが、我が県においても、この問題に取り組んでいただきたいと思っております。
昨年は、イギリスのEU離脱や世界各国での既存政治に対する不満の高まりのほか、初めて東北地方からの直接上陸となった台風10号など、これまでの常識的なものの考え方を覆すような出来事が多い年でした。世界に大きな変化が起きていて、過去の経験則だけでは乗り切れない時代になったと思います。
このような激動の時代に県の行政を進めていく上で、皆さんに2つお願いしたいことがあります。
1つ目は、これまでの経験だけにとらわれるのではなく、アンテナ高く常に時代の変化を予測し、柔軟に対応していってほしいということです。
大切なのは柔軟な発想です。柔軟な発想で、県政に「イノベーション」を起こして欲しいと思います。
「イノベーション」は、世紀の大発見のように捉えられていますが、実は、既存の技術の組み合わせで、それまでその組み合わせに気づかなかっただけのものも意外と多いのです。
例えば、電気とガソリンの二つの動力源で走るトヨタ自動車の「プリウス」や、友人関係をインターネット上で可視化した「Facebook」、現実世界の情報とスマートフォンのゲームを融合させて大ブームとなった「ポケモンGO」など、どれも既存の技術の組み合わせですが、柔軟な発想で新しいものを生み出しています。
県の行政にも、既存のやり方を組み合わせたり、少し工夫したりすることで、従来にはなかった効果を生み出せるものがあると思います。
そういう「気づき」を生み出すためには「連携」が大事です。他の部署だけでなく、県民の皆様、市町村、企業、NPO、他県の方々との組み合わせ。様々な主体と「連携」して、皆さんにもいろいろな発見をして欲しいと思います。
昨年の4月、年度当初の地方公所長会議でも話しましたが、日本初の政策を実現させるような、「イノベーション」を起こす、という気概を持って欲しいと思います。私も、皆さんとしっかり「連携」して、新しいことに果敢にチャレンジしていきます。
もう一つのお願いは、子育てをしやすい職場づくりです。特に子育てをしている男性の職員の皆さんには、仕事も家庭もどちらも大切にして、積極的に育児参加をお願いします。家庭内の「連携」も大事です。
管理職の皆さんには、男性にも女性にも休暇が取得しやすいなど、子育てしやすい職場環境づくり、職場内の「連携」に努めてください。
繰り返しになりますが、今年は、震災復興計画で定める「再生期」の最後の年を迎えます。
これまで、震災以前の状態まで回復させるという「復旧」にとどまらず、10年先取りした復興を目指し、全国のモデルとなる「創造的な復興」に取り組み、着実に成果があがってきています。
しかしながら、今なお、県外避難者の方々も含め、多くの方々が応急仮設住宅等で生活されています。今年は、一人でも多くの方々に一日も早く恒久住宅で安心した暮らしを送っていただけるよう、これまで以上に懸命に力を尽くしていきましょう。
年末にもお話しましたが、今年も、「前向きな行動力」、「明るさ」、「根性」、「知恵」、「風通し」で頑張り、県民のためにどんどん成果をあげていきましょう。
他県から応援に来てくださっておられます職員の皆さんには、大変お世話になりますが、今年も1年皆さんよろしくお願いいたします。
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