普及に移す技術第93号/普及技術5
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普及技術5(平成29年度)
分類名〔果樹〕
リンゴ「はるか」の青実果混入軽減のための摘花処理の効果
リンゴ「はるか」の青実果混入軽減のための摘花処理の効果(PDF:228KB)
宮城県農業・園芸総合研究所
1 取り上げた理由
「はるか」は「ふじ」と同時期に収穫できる有望な黄色系リンゴ品種であり,県内でも普及が進んでいる。しかし,「はるか」は糖度が低くみつ入りの悪い青実果(成熟不良果)が収穫果実に混入しやすく問題となる。
そこで,青実果の混入軽減技術として摘花処理の効果を明らかにしたので普及技術とする。
2 普及技術
- 1)「はるか」は摘花処理を行い,粗摘果時に長さ20mm以上の果台に着果した果実を全て摘果,主幹部付近の日当たりの悪い所に着果した果実を中心に5果そうに1果となるように仕上げ摘果,9月中旬以降に肥大の悪い果実を見直し摘果することで青実果の混入が減る(表1,2)。
- 2)摘花処理の収穫果実の階級は,摘花処理をしない場合に比べて3Lと2Lの割合が増加する。
また,平均1果重も大きくなる(図1)。
- 3)摘花処理をした果実の糖度と硬度は,摘花処理をしない場合に比べてやや低くなるがみつ入り指数は高くなる(表3)。
- 4)青実果は果台長20mm以上の果そうで発生が多い(表4)。
- 5)青実果の縦径と横径は,どちらも8月までは健全果と同等であるが,9月以降は肥大が緩やかになり健全果と差が見られる(図2)。
3 利活用の留意点
- 1)この技術は有袋栽培と無袋栽培のどちらにも利用可能である。
- 2)石灰硫黄合剤による摘花処理も可能であるが,年次により効果が変動するため手や鋏により確実に摘花処理することが望ましい。
- 3)中心花満開時に人工受粉をすることが望ましい。
- (問い合わせ先:宮城県農業・園芸総合研究所園芸栽培部 電話022-383-8134)
4 背景となった主要な試験研究
- 1)研究課題名及び研究期間
食料生産地域再生のための先端技術展開事業「被災地の早期復興に資する新品種・新技術を利用した果樹生産・利用技術の実証研究」(平成24年~平成29年)
- 2)参考データ
- 3)発表論文等
- a 関連する普及に移す技術
リンゴ「はるか」の高品質な果実が生産可能な果実袋(第92号参考資料)
- 4)共同研究機関 農業・食品産業技術総合研究機構果樹茶業研究部門
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