普及に移す技術第93号/普及技術10
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普及技術10(平成29年度)
分類名〔家畜〕
新しい基幹種雄牛「洋糸波(ひろいとなみ)」,「勝忠久(かつただひさ)」,「勝福桜(かつふくざくら)」(PDF:229KB)
宮城県畜産試験場
1 取り上げた理由
肉用牛集団育種推進事業による和牛産肉能力検定は,優れた宮城県産の種雄牛を造成し地域の肉用牛の改良を推進するため実施されている。産肉能力検定の結果,宮城県肉用牛改良委員会で「洋糸波」,「勝忠久」,「勝福桜」が選抜され基幹種雄牛となったのでその特性を示し普及技術とする。
なお,平成29年9月から家畜人工授精用凍結精液が配布されており,「洋糸波」は県内で保留されている気高系,藤良系及び田尻系を父に持つ母牛等へ,「勝忠久」と「勝福桜」は茂洋など茂金系を父に持つ母牛等への交配利用が期待されている。
2 普及技術
1)和牛産肉能力検定済み種雄牛「洋糸波」,「勝忠久」,「勝福桜」を基幹種雄牛とする。
2)特性等
- a「洋糸波」は父に「茂洋」,母の父に「茂糸波」,母の母の父に「北国7の8」を持つ血統であり,茂金系の強い血統構成の肉質肉量兼備型の種雄牛である。
「勝忠久」は父に「安福久」,母の父に「勝忠久」,母の母の父に「金幸」を持つ田尻系と気高系からなる血統で,肉質重視型の種雄牛である。
「勝福桜」は父に「勝忠平」,母の父に「福桜(宮崎)」,母の母の父に「安平」を持つ気高系田尻系からなる血統で,肉量重視型の種雄牛である。(表1,表2)。
- b「洋糸波」の産子は,現場後代検定の結果から,枝肉重量,ロース芯面積,バラの厚さ,推定歩留,脂肪交雑に秀でており,とくに脂肪交雑の平均9.3は歴代最高成績である。
「勝忠久」の産子は,推定歩留,皮下脂肪厚,脂肪交雑に秀でており,とくに雌のA4・A5率は100%である。
「勝福桜」の産子は枝肉重量,ロース芯面積,脂肪交雑に秀でており,とくに枝肉重量の平均499kgは基幹種雄牛中歴代4位の成績である。また子牛の発育においては共に優れた発育値が期待できる(表2,表3)。
3 利活用の留意点
洋糸波は「茂洋」を父牛に持つ,勝忠久は「安福久」を父牛に持つ,そして勝福桜は「勝忠平」を父牛に持つ繁殖雌牛との交配は近交係数が高くなるので,注意を要する。
(問い合わせ先:宮城県畜産試験場酪農肉牛部電話0229-72-3101)
4 背景となった主要な試験研究
- 1)研究課題名及び研究期間肉用種雄牛の検定(平成24~29年度)
- 2)参考データ
- 3)発表論文等
a 関連する普及に移す技術 なし
b その他 なし
- 4)共同研究機関
全国和牛登録協会宮城県支部
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