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換地とは

農業の基盤である土地や水を確保・整備する事業を土地改良事業といいますが,その中の一つで,ほ場(農用地)の大区画化や用排水路の整備などを総合的に実施する事業をほ場整備事業といいます。これによって,農業生産性の向上や,効率的かつ秩序ある土地利用,農業経営の安定化などが図れます。(詳しくはほ場整備班/ほ場整備事業の効果~みやぎの事例~(PDF:17,248KB))。
このほ場整備事業のように工事により土地の区画が変更される事業の中で,工事前の土地(従前の土地)と,これに対応して配分された工事後の新しい区画の土地(換地)とを法律上同一のものとみなし,従前の土地に設定されていた権利関係を,土地の変更と同時に一挙にうつす法制度を換地処分制度といいます。

ほ場整備及び換地のイメージ

ほ場整備及び換地のイメージ図

図:中国四国土地改良換地事務研究会(編著)(平成10年) 「図解 換地計画の手引」全国土地改良事業団体連合会 p.26

なぜ換地をするのか

区画等の変更を伴う事業の場合,工事前と工事後でまったく異なる区画等が形成されるので,工事後の土地に対応した権利関係を再編成しなければなりません。しかし,そのための権利の移転,設定,消滅等のすべての法手続きをそれぞれの土地で行うことは,実際にはほぼ不可能です。

ここで換地処分を行うと,この問題が一気に解決されるのです。換地処分による登記を行うことで,事業施行区域内のすべての土地について,権利の登記はそのままに,従前の土地の登記から新たな土地の登記へと,土地の表示部分(所在地,地目,地積)が書き換えられます。また,公図(法務局備付けの地図に準ずる図面)も換地処分後の図面におきかわります。

換地の効果

  1. 一戸の経営する農地が広範囲に分散していた場合や,あちこちから農地を借りている場合などに,耕作者ごとに農地を集めるので,工作が効率的になります。
  2. 宅地や施設用地などの非農用地を一カ所に集めたり,新たに創り出したりということを計画的に行うので,土地利用の合理化が図れます。

土地区画整理事業の換地との違い

土地改良事業における換地と土地区画整理事業における換地とは,似ているようですが,以下のような違いがあります。

土地区画整理事業の換地との違いの表
  土地改良事業(ほ場整備事業) 土地区画整理事業
事業主体 主に県 主に土地区画整理組合
  以下,県営事業の場合 以下,組合施行の場合
施行区域 主に農振農用地 都市計画区域内
事業参加者 農業従事者(施行地区内の農用地の所有者,使用権者) 施行地区内の土地の所有者,借地権者
事業費 事業者支出金
  • 補助金
  • 分担金(地元負担金)

公共投資

  • 補助金
  • 公共施設整備費(用地費)

民間投資

  • 保留地処分金
換地の原則
  • 区域区分の原則
  • 照応の原則
  • 地積増減2割未満の原則
照応の原則
減歩等 土地改良施設用地等を生み出す
  1. 共同減歩による創設換地
  2. 不換地・特別減歩による創設換地
→法律の規定により,金銭で清算
  1. 公共減歩→公共用地を生み出す
  2. 保留地減歩→事業費に充当
  3. 換地不交付→結果的に金銭で清算
換地処分まで使用収益する土地の指定 一次利用地指定(行政処分) 仮換地の指定(行政処分)
←総会の議決を要する
<総会構成員>
  • 組合員(施行地区内の土地の所有者と借地権者)
<議決>
  • 組合員の半数以上の出席,出席組合員の過半数の同意
換地計画の決定 権利者会議の議決
<権利者会議構成員>
  • 施行地区内のすべての土地につき所有権,地上権,永小作権,質権,賃借権,使用貸借による権利又はその他の使用及び収益を目的とする権利を有する者
<議決>
  • 権利者の3分の2以上の出席,議長を除く出席権利者の3分の2以上の同意
換地計画の縦覧
意見書の処理

県営土地改良事業における換地業務の流れ

以下が,県営土地改良事業における換地業務の流れとなります。

  • 事前調査・換地設計基準作成等
    地区内の農用地の集団化その他農業構造の改善に資するため,地域の実情に即して換地計画の具体的指針を定めます。
  • 換地計画原案作成
    換地の予定地配分を行い,関係権利者の合意形成をします。
  • 一時利用地指定
    換地処分までの間に必要がある場合は,従前の土地の関係権利者に,暫定的に別の土地で使用・収益してもらいます。
  • 確定測量
    工事後の土地の形状や面積を把握するため,測量を行います。
  • 換地計画書作成
    従前の土地に合う換地を定め,従前の土地にあった諸権利の帰属関係を公に定めます。
  • 権利者会議
    関係権利者の2/3以上の出席,議長を除く出席者の2/3以上の賛成で,換地計画が決定されます。
  • 換地計画の決定
  • 換地計画の公告・縦覧
    換地計画の決定を県公報で公告し,この計画書の写しを一定期間縦覧に供します。
  • (異議申立)
    利害関係人は,ここで異議申立をすることができます。
  • 換地処分の通知
    換地計画に従って換地処分が行われ,これが関係権利者へ通知されます。
  • 換地処分の公告
    換地処分について県公報で公告します。公告日の翌日から,従前の土地の権利関係が換地上に移ります。
  • 換地清算 換地処分の登記
    従前の土地と換地の不均衡等のために,換地清算金の徴収又は交付が行われます。また,従前の土地の権利関係が換地上に移るので,登記簿を整理します。

お問い合わせ先

農村整備課換地・用地班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号

電話番号:022-211-2872

ファックス番号:022-211-2879

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