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タクシーメーターやガソリンスタンドの給油メーター、体温計や血圧計など、私たちの周りにはたくさんの「はかり」(計量器)があります。これらのはかりは、どのようにしてその正確さが保たれているのでしょう。
今回は仙台市太白区にある計量検定所の水戸伸一さんにその業務内容について伺いました。
Q
計量検定所は、どのようなことをする所ですか。
A
主に、スーパーなどで見かける食材の重さを測るはかりやタクシーメーター、水道メーターなどに使用される計量器が、正確であるかを検査しています。国が定めた計量制度に基づく検査によって、私たちの安全・安心な生活が保たれているんです。
計量器に関する興味・関心を多くの方に深めていただくため、11月1日の計量記念日を中心に仙台市の八木山動物園などで子どもから大人まで楽しめるイベントを開催するなどの普及啓発活動もしています。
Q
検査は定期的に行うのでしょうか。
A
定期的なものや、立ち入り検査、使用前の検査などさまざまです。定期的なものは、2年に一度のペースで仙台市を除く全ての市町村に出向き、店等で使用されているはかりの集合検査を行います。また、スーパーや計量器の修理事業者等への立入検査を行うこともあり、販売される商品の重さは正確か、修理した計量器に不備はないか検査しています。
Q
一定期間使い続けたものは、正確に測れなくなってしまうのでしょうか。
A
使う頻度や使い方によってまちまちで、数年使い続けていても正確に測れるものもあります。はかりには使用期限がありませんので、壊れない限り事業者は使い続けるでしょう。定期検査(2年に一度)で正確に測れなくなったはかりを見つけ出すことは、とても重要なんです。
Q
今特に力を入れていることを教えてください。
A
東日本大震災後、沿岸部の水産加工工場が被災し、受検件数が減少しましたが、復興とともに施設の再建が進み、はかりを使う事業者の数は元に戻りつつあります。事業者と消費者の信頼関係を築き、消費者が安心して商品を購入できるよう、正確なはかりの使用は欠かせません。新しい施設の把握漏れがないよう関係市町村と連携し、未受検防止に力を入れています。
Q
業務の中で、困ったことや課題はありますか。
A
新たな職員の確保および人材育成です。計量士の資格を持つ職員や計量士相当の知識と技術を持つ職員が高齢化と退職により減少しています。われわれの事務所でも、職員の大半は定年退職した計量検査経験者です。このため、所内研修やOJT(職場での実務により従業員の職業教育をすること)のいっそうの充実を図っています。
Q
メルマガ読者の皆さんに伝えたいことはありますか。
A
タクシーメーターや給油メーターなどの計量器には、検定有効期間が定められています。期間が切れた計量器の使用を根絶するためには、私たちだけでなく利用者の目によるチェックも必要です。計量器に明記していますので、読者の皆さんも、さまざまなメーターを見かけた時は確認をお願いします。
スーパーで売られている商品やタクシーメーターは正確に計量されているのが当たり前だと思っていましたが、実際は職員が1件ずつ丁寧に検査をしているからこそ、正確な計量が維持されていると分かりました。ズームインを通して、多くの方に計量検定所が担う業務の重要性を知っていただきたいです。
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