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掲載日:2022年3月3日

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宮城労委平成28年(不)第1号事件

平成29年12月27日命令書交付

(この命令は労働組合法に基づく和解の認定により失効しています。)

<中央労働委員会関係命令・裁判例データベース>
労働委員会命令データベース(https://www.mhlw.go.jp/churoi/meirei_db/mei/m11826.html)(外部サイトへリンク)

1.事件の概要

本件は,
組合が,ビラ配布,ブログの掲載等の組合活動を行ったことについて,会社が,組合員Aに対して組合活動をやめなければ解雇する旨の発言をしたこと,
組合に対してビラ配布の中止を求める発言をしたこと,
団体交渉の申入れ並びに団体交渉議事録及び合意書の作成に応じなかったこと,
組合員Aを解雇したこと
が,労働組合法第7条第1号,第2号及び第3号に該当する不当労働行為であるとして,救済申立てが行われた事件である。

2.命令主文の要旨

  • (1)会社は,組合から申入れがあった団体交渉に誠実に応じ,団体交渉に関する議事録及び合意書の作成に向けて誠実に対応しなければならない。
  • (2)会社は,解雇を示唆するなどの威嚇的な言動によって,組合が行うインターネット上への情報掲載等の正当な組合活動に支配介入してはならない。
  • (3)会社は,組合員Aに対する解雇がなかったものとして取り扱い,同人を原職に復帰させるとともに,同人に対して,解雇がなければ原職に復帰させるまでの間に得られたであろう賃金相当額を支払わなければならない。
  • (4)会社は,本命令書写し交付の日から7日以内に,不当労働行為と認定された行為を繰り返さない旨を記載した文書を組合に交付するとともに,同一内容の文書をA3の白紙に記載し,会社従業員の見やすい場所に7日間掲示しなければならない。
  • (5)組合のその余の申立てを棄却する。

3.判断の要旨

(1)営業会議及び団体交渉等における会社の発言について

会社が,組合員Aに対して,営業会議で行った発言は,解雇を示唆しつつ,正当な理由がなく,組合がインターネット上に掲載した情報の削除を一方的に強要したものであり,支配介入に該当する。また,会社が,組合に対して行った同旨の発言も,支配介入に該当する。

会社が,組合に対して,組合ビラの配布の中止を求めた発言は,団体交渉における率直な意見表明に過ぎず,組合ビラの配布の中止を強要したとまでは認められないこと等から,支配介入に該当するとまでは認められない。

(2)団体交渉議事録及び合意書の作成並びに団体交渉の申入れに応じなかったことについて

会社が,団体交渉議事録及び合意書の作成に応じなかったことは,会社の主張に正当な理由があるとは認められず,誠実に対応しようとする姿勢もうかがわれないことから,労働組合法第7条第2号に該当する。

団体交渉の申入れに対して,会社が応じなかったことは,正当な理由のない団体交渉拒否に該当する。

(3)組合活動をやめなければ解雇する旨の発言について

会社が,組合員Aに対して,組合活動をやめなければ1か月後に解雇する旨を述べたことは,正当な理由がなく,正当な組合活動の中止を強要するものであり,支配介入に該当する。

(4)組合員Aを解雇したことについて

組合員Aの解雇は,正当な理由がなく行われたものであり,かつ,会社に強い組合嫌悪の情が認められることから,組合員Aが組合員であることを理由として行われたといわざるを得ず,不利益取扱いに該当する。

お問い合わせ先

労働委員会事務局審査調整課 審査班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号(宮城県庁17階北側)

電話番号:022-211-3782,3786

ファックス番号:022-211-3799

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