ツキノワグマの被害に遭わないために
クマに注意しよう!
クマは一般的に人に対して警戒心が強い動物といわれています。しかし、最近、市街地でもクマが多く目撃されています。こうした現象は、狩猟圧力の減少、森林環境・里地里山の変化、中山間地域の社会変化などによってクマが人間に慣れてしまい、警戒心がなくなってきたためといわれています。こうしたクマとの遭遇を避け、被害を未然に防ぎましょう。
令和6年度ツキノワグマ目撃情報のページ
ツキノワグマに関する情報について(生態・注意方法等)
(画像はフィールドガイド足跡図鑑:日経サイエンス社より借用)
- 体長 100~160センチ
- 体重 50~130キログラム
- 聴力・嗅覚 人間よりずっと良い。
- 走る速度 人間よりずっと速い。
- 運動能力 水泳・木登りが得意。
- 食物 ブナの実、ドングリ類などの木の実、山菜、昆虫等
- 生態 冬期間冬ごもりを行い、雪解け頃に目覚めて活動を始める。行動圏は40キロ平方メートル(通常オスの場合)と言われているが、食べ物の豊凶により異なる。通常3~4歳で繁殖可能となり、1回に1~3匹の子グマを産む。子グマは2年ほどは母グマと一緒に行動する。行動時間帯は朝夕、黎明薄暮時。
- 生息数 宮城県内の生息個体数は3,380頭と推定されている。(令和5年度調査結果)
- 目撃等情報に注意しよう!
入山する場合は、事前に新聞・ラジオ等のマスコミ情報や地元市町村等からクマの目撃等情報を入手し、危険なところには近づかないことが大事です。
- クマに自分の存在を知らせよう!
山にはクマをはじめ多くの野生生物が生息しています。「自分」の存在をクマや他の動物に分かってもらいましょう。
そのためには・・・複数人数で入山したり、クマ鈴やラジオを携帯して音を鳴らす、皆で大声でしゃべるなどしながら歩きましょう。
クマ鈴はアウトドアショップ等で販売されています。
クマが人間の存在に気がつかず、バッタリと出会ってしまう状況が一番危険です。また、山菜取り等で夢中になり、山道から逸れてヤブに入ることは、クマに出会いやすく、大変危険です。
- 活動時間や気象状況に気をつけよう!
クマの活動時間帯は、朝夕・黎明薄暮時です。この時間帯での行動は特に注意してください。(天気が悪くて薄暗い日は、昼間も活動することがあります。)
また、霧や風のある気象状況や沢沿いは、クマも注意力が散漫になります。注意して行動してください。
- ゴミ等は放置せず、持ち帰ろう!!
最近のクマは入山者が山に捨ててしまうゴミ等を食べることがあります。ゴミを食べるようになったクマは「人間は食べ物を持っている」と学習し、意識的に人間に近づくようになり、周辺住民や後から入山する人を危険な状態に陥れることになります。
ゴミは自分で持ち帰るようにし、キャンプの際の食料等も野外やテント内に放置せず、クマがとれないような場所に保管しましょう。
- クマの痕跡をみつけたら、その場を離れよう!!
山を歩いていると、木の樹皮にクマの爪痕や、地面にフンや足跡、樹上には餌を食べるために作った棚のようなもの(クマ棚)を見かけるときがあります。このようなものを見つけたら、近くにクマがいると思って行動し、出来るだけ引き返してください。また、子グマを見つけた場合は決して近づいたりしないで、お住まいの市区町村役場等へご連絡ください。
クマの痕跡一覧
爪跡
(画像はフィールドガイド足跡図鑑:日経サイエンス社より借用)
- そっと立ち去ろう
遠くにいるクマなら心配ないので、そっと立ち去りましょう。
- 騒がない
大声をあげたり、石や棒等を投げつけることは、クマをいたずらに興奮させるだけです。まず、落ち着いてください。
- そっと後ろに下がる
クマとの距離を保つことで、お互いの興奮を静める効果があります。慌てて逃げ出したりせず、クマに背中を見せずに向き合ったまま、ゆっくりと後退してください。
- 子グマに出会ったら
子グマが可愛いからといって、絶対に近づいてはいけません。近くに必ず母グマがいます。母グマは子グマに危害を加える可能性のあるものに攻撃を仕掛けます。
- 抵抗しない(身を守る)
腹這いになり、両手で首の後ろをガードします。ザックを背負っていれば背中は守られ、一番大事な頭部や首部が守られます。
クマの攻撃は、多くは最初の一撃で終わり、その後、人間から離れていきます。
- クマ撃退用スプレーを使用する
アウトドアショップではトウガラシの主成分であるカプサイシンを噴出させる「クマ撃退用スプレー」が販売されています。しかし、これの有効射程距離は4~5mで噴射時間は4~5秒です。クマが有効な射程距離に入ってくるのを待って顔面に命中させることが必要で人も影響を受けるため取扱いが難しいため、スプレーを持っているからと過信せず、まずクマと出会わないことが大事です。
ここに書いてある方法のとおりにすれば必ず大丈夫とは言えません。研究や経験からとりあえず有効であるという方法です。クマに出会わないようにするのが一番大切です。
参考動画(クマと出会った際や攻撃してきた際の対策)
ある日、森の中じゃないのに、クマに出会ったら(群馬県自然環境課作成)(外部サイトへリンク)
クマに出会ってしまったらどうしたらいいの?(NHK北海道作成)(外部サイトへリンク)
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クマは人里におりてきて農作物等を食べることもあります。
簡易な初期段階の防除法から、メーカー品までこれまでに用いられている機材等を紹介します。
- クマ鈴やラジオ、爆音機を鳴らす
人がいることをクマに認識させる。しかし、続けて使うとそれらの音に慣れてしまう場合がある。
- 各種忌避剤を散布する
すぐれた嗅覚を利用する。
- 犬を利用する
繋がれていても犬の吠える声で敬遠する。
- 爆竹・花火で追い払う
人がいることをクマに認識させる。
- 警戒音を利用する
動物の「危険な声」を流すことで、近寄らなくなる。詳しくはメーカーへ。
- 電気柵で囲う
各メーカーから販売されている。設置のための講習などを受けておく必要がある。
関連情報等
クマ関係リンク
日本ツキノワグマ研究所(外部サイトへリンク)