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掲載日:2016年6月14日

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研究PRパンフレット(H28)/オリサストロビン剤耐性イネいもち病菌の発生状況

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宮城県古川農業試験場

オリサストロビン剤耐性イネいもち病菌の発生状況(PDF:284KB)

作物保護部 病害性御斑 Tel: 0229-26-5108

研究の目的

オリサストロビン剤は,病原菌の呼吸を阻害するストロビルリン系薬の殺菌剤(QoI剤)です。イネいもち病・紋枯病に対する防除効果が高く,育苗箱処理剤を中心に平成19年から本県の水稲作でも広く普及してきました。一方本剤は,病原菌の遺伝子変異により感受性が低下し,十分な効果が得られなくなる薬剤耐性菌(以下「耐性菌」)が発生しやすいことが水稲以外の作物で知られていました。そこで,水稲作でも注意が必要と考え,本県における本剤耐性菌の発生状況を調査してきました。

研究成果

オリサストロビン剤耐性イネいもち病菌の発生状況の調査は平成21年から27年まで実施しました。その結果,平成26年に県内で初めて耐性菌が確認されました(69調査地点中10地点で確認:表)。また,平成27年には,本剤を継続して使用したほ場を中心に耐性菌の発生がより広い地域で確認されました(41調査地点中15地点で確認:表,図)。
しかし,平成26年の耐性菌の発生確認を受けて,県からQoI剤の使用自粛を要請したこともあり,平成27年まで耐性菌による被害はほとんど確認されていません。
本県では,耐性菌のさらなる発生や被害を予防するため,平成28年度から水稲対象の全てのQoI剤の使用を中止するよう指導しています。

表 年次別の耐性菌検定結果
年次別の耐性菌検定結果の表

オリサストロビン剤耐性イネいもち病菌の県内確認地点の図

図 オリサストロビン剤耐性イネいもち病菌の確認地点

利活用の留意点等

今回の調査において,採取したイネいもち病菌が薬剤の効く菌(感受性菌)か効かない菌(耐性菌)かの検定は,耐性獲得の原因となる遺伝子変異の有無を検出することで行いました(PCR-RFLP法)。
オリサストロビン剤耐性菌は本剤以外のQoI剤に対しても耐性を示す交差耐性があることが知られており,耐性菌が確認されたほ場や周辺地域においてQoI剤を使用した場合,防除効果が全く得られない危険性があります

より詳しい内容は「普及に移す技術」第91号(平成28年発行)

「オリサストロビン剤耐性イネいもち病菌の発生状況」をご覧ください。

普及に移す技術第91号/第91号参考資料13

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お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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