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掲載日:2017年3月23日

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研究PRパンフレット(H28)/枯草菌給与による乳房炎発症の緩和

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宮城県畜産試験場

枯草菌給与による乳房炎発症の緩和(PDF:85KB)

酪農肉牛部 乳牛チーム TEL: 0229-72-3101

研究の目的

乳用牛の乳房炎の発症を予防するため,「プロバイオティック飼料」として枯草菌含有飼料添加物(「カルスポリン」(Bacillus subtilis C-3102株),アサヒカルピスウェルネス(株))を給与したところ,乳房炎を出産直後に毎年繰り返し発症する牛の乳房炎発症を緩和することが確認されました。

研究成果

過去に乳房炎発症履歴のあるホルスタイン種経産牛を供試し,給与区では分娩予定日1ヶ月前から分娩3ヵ月後まで「カルスポリン」を6×109個/頭/日給与したところ,乳房炎発症履歴のある牛への「カルスポリン」の給与は,乳房炎の発症が有意に減少することが確認され,「カルスポリン」は乳房炎の発症を緩和する効果があることが分かりました(表1,2)。また,乳房炎を出産直後に毎年繰り返し発症する牛の末梢血中免疫担当細胞の発現割合を解析したところ,「カルスポリン」非給与区において乳房炎を発症した牛では出産直後から血中樹状細胞の割合が低くなり,「カルスポリン」給与区において発症の緩和が確認された牛では血中樹状細胞の発現が高いことが分かりました。

表1 「カルスポリン」非給与区における前乳期と今乳期の乳房炎発症の比較
乳期 乳房炎発症回数 投薬日数 出荷停止日数
前乳期 0.5±0.2 4.7±2.6 9.9±5.0
今乳期 0.9±0.3 4.8±2.4 10.9±4.4
危険率 P=0.40 P=0.78 P=0.76

(分娩後3ヶ月間の比較)

表2 「カルスポリン」給与区における前乳期と今乳期の乳房炎発症の比較
乳期 乳房炎発症回数 投薬日数 出荷停止日数
前乳期(非給与) 1.3±0.2 6.9±1.8 21.0±4.1
今乳期(給与) 0.4±0.2 3.4±1.8 5.1±2.6
危険率 P=0.02 P=0.15 P=0.01

(分娩後3ヶ月間の比較)

利活用の留意点等

「カルスポリン」給与は乳房炎の発症を全くなくす方法ではなく,症状を緩和させる方法であることを申し添えます。本成果は東北大学大学院農学研究科とアサヒカルピスウェルネス株式会社との共同研究により得られたものです。「カルスポリン」はアサヒカルピスウェルネス株式会社の登録商標です。
より詳しい内容は「普及に移す技術」第91号(平成28年発行)「枯草菌による乳房炎発症予防」をご覧ください。

普及に移す技術第91号/第91号参考資料24

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農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

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