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夏期の園芸施設内におけるファン付き作業着(商品名:空調服)の効果的利用法(PDF:160KB)
夏期の園芸施設内作業は過酷な暑熱環境下で行われています。これら施設内で高温時に作業する場合の熱中症対策として,ファン付き作業着(商品名:空調服,以下「空調服」)の効果を高める機能性下着と組み合せた着用や,移動式小型ファンによる作業者への直接送風による暑さ軽減の有効性を明らかにしました。
空調服の中に,アイスタッチ,ハイグラ,ナイロンといった機能性繊維素材の下着(機能性下着)を着用することで,作業着内温度(作業着と下着の間の温度を背中部分で測定)は,作業者周辺温度よりも0℃~3℃低下し,綿の下着を着用した場合に比べて,特に暑さ指数の高い条件で降温効果が高くなります(図)。
また,アイスタッチ素材の下着を使用し,その胸側に霧吹きで水を吹きかけて空調服を着用すると,霧吹き前と比べて作業着下温度は3℃~5℃低下します。
さらに,収穫台車に設置した移動式小型ファンを利用して,作業者に風速1m/秒程度で直接送風することで,顔や頭部の暑さを効果的に軽減することができます。
図 作業着と下着の組み合わせ別の作業着内-作業者周辺温度差と暑さ指数との関係
写真 空調服を着用しての作業(左)と収穫台車に設置した小型ファン(右)
暑さ指数は人間の熱バランスに影響の大きい気温・湿度・日射を取り入れた指標で,28℃を越えると熱中症発症するリスクが急激に高まります。高温が予想される場合には,こまめな水分補給や休憩をとる,気温の高い時間は作業をしない等の対策をとり熱中症を予防しましょう。
本研究の一部は,農林水産省「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」により実施しました。
より詳しい内容は「普及に移す技術」第90号(平成27年発行)「夏期の園芸施設内におけるファン付き作業着(商品名:空調服)の効果的利用法」をご覧ください。
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