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近年,豚においても人工授精技術が広く普及し,人工授精用精液の需要は年々高まっています。一方,精子活力や総精子数などの精液性状は種雄豚の飼養環境に大きく影響され,特に夏期の暑熱の悪影響が懸念されています。
そこで,畜産試験場におけるデュロック種の採取精液の記録を用いて,精液性状に及ぼす環境要因の影響を明らかにしました。
種雄豚より採取された精子活力は,8月に最も低くなり,2月に最も高くなります。一方,総精子数も夏に減少し,9月が最も少なくなります(図1)。しがって,夏の暑さのピーク時には,乗駕欲の旺盛な種豚であっても暑熱対策が必要です。
また,精子活力は,生後月齢の若い種雄豚の方が高く,月齢が増すにつれて減少する傾向にあります。総精子数は,17ヶ月齢までは増加する傾向にあり,その後はやや減少する傾向があります(図2)。12ヶ月齢を超えた比較的若い雄は,精子活力と総精子数が共に高く良好な精液性状が保たれます。逆に,高月齢の雄では精子活力・総精子数共に低下するため定期的な種豚の更新が必要です。
図1 精子活力・総精子数の変化に及ぼす月の影響
図2 精子活力・総精子数の変化に及ぼす月齢
注)両図において月・月齢以外の変動効果及び母数効果は統計的に除いている。
精子採種の間隔が短い場合にも総精子数は減少します。精子活力の低下は,受胎率の低下に直結するため,検査済み人工授精用精液を利用することも産子数確保の対策として有効です。また,夏期には,若い種雄豚を確保し本交に使用することも暑熱対策として有効です。されているので,ミズナのみの給液系統で栽培します。
より詳しい内容は「普及に移す技術」
第91号(平成28年発行)「豚の精液性状に及ぼす環境要因の影響」をご覧ください。
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