ここから本文です。
今年で2回目となる石巻地域、松島湾を会場とした「アート」「音楽」「食」の総合芸術祭「Reborn-Art Festival 2019」の開催に向けて活動するReborn-Art Festival実行委員会の松村豪太さんにお話を伺いました。
——リボーンアート・フェスティバルを始めたきっかけは?
東日本大震災後、地元再生の手立てを探していた私は、一時限りの支援では疲弊した東北を立て直すことはできないと考え、持続可能な復興の形を探していたとき、同じ思いを抱いていた音楽プロデューサーの小林武史さんと出会いました。新潟県十日町市の「大地の芸術祭2012」を視察した小林さんは地域の方や若い人がいきいきと活動する様子を見てヒントを感じました。「被災地で芸術祭を」というアイデアが生まれ、これに私も共感しました。
2015年に実行委員会を設立し、東北の再生だけでなく、参加する人それぞれの人生の再生を願うリボーンアート・フェスティバル2017を開催しました。
——開催した感触は?
個人的には2017年はなんとかやりきったというのが実感で、うまくいかない部分も多かったです。しかし、地元が気付かなかった自然の美しさ、食の価値などに気付き、「御番所公園にたくさんの人が訪れた」などの声を地元の方から聞くことができました。
今年は、商工会議所など石巻市内のさまざまな団体のサポートをもらい、より地元が主体となって準備を進めています。
また、有償のボランティアを募集することで地元に少しでも雇用と経済効果をもたらせればと思っています。
——今年の見どころは?
今年のテーマは「いのちのてざわり」です。未曽有の災害で被災した石巻地域だからこそ伝えられる「人が生きることの本質」にアートを通じて触れてほしいと思っています。
牡鹿半島の桃浦(もものうら)エリアは実行委員長の小林さんがキュレーション(企画)を手掛けており、宿泊施設「もものうらビレッジ」やアート作品の展示とともに放牧養豚を行う「リボーンアート・ファーム」もあります。
同エリアでは会期中、夜の時間を使ったアート体験として、旧荻浜小学校の校舎を舞台に「夜側のできごと」を実施します。
——今後の目標は?
リボーンアート・フェスティバルが、たくさんの人にとって「ここ」に来る理由になり続けたいです。遊園地のようないわゆる「観光地」とは違う、新しい切り口で地域に光を当てていきたいです。
アートは分かりづらく、非効率なものです。しかし、非効率なものこそ大切にしないと地方はつまらない、乾いたものになってしまいます。合理性の枠から外れたアートに価値を見いだすことで、地方は元気になり、住んでいて幸せな場所になります。
アートと融合した地元の景色を地元の方が誰かに案内し、それを自慢に感じたり、自分独自の価値を見いだしたりしてもらえるようにしていきたいです。
【写真の説明】
Reborn-Art Festival
実行委員会 事務局長
松村 豪太さん(写真左)
(右は実行委員長 小林 武史さん)
「いのちのてざわり」をテーマにさまざまなアート作品が石巻地域を彩ります。市街地・半島・島に点在するアートを音楽と食とともに巡る旅に出掛けてみてはいかがですか。
TEL 0225(90)4726
お問い合わせ先
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください
重要なお知らせ
こちらのページも読まれています
同じカテゴリから探す