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水稲直播栽培における漏生イネの防除対策(PDF:597KB)
水稲直播栽培の普及拡大に伴い,前作こぼれ籾に由来する漏生イネの対策が重要となっています。直播栽培では当年作付け品種と漏生イネが同時に出芽するため,移植栽培のような作期中の除草剤による防除は困難です。そこで,前作後の石灰窒素施用と不耕起越冬による漏生イネ対策について,鉄コーティング湛水直播栽培での適用条件を検討しました。
水稲直播栽培において翌年の作付け品種を変更する場合は,異品種混入を避けるため,漏生イネの防除対策が必要です(図1)。
すなわち,前作水稲収穫後はほ場を耕起せず,11月中に石灰窒素を50kg/10a散布し,不耕起のまま越冬させることで,翌作での漏生イネ発生が慣行管理(石灰窒素無施用・秋耕実施)の1.7~2.7%まで低下します(図2)。
ただし,石灰窒素の施用から耕起までの期間が短い場合や(図2左),稲わらが残っている場合には防除効果が低下します。なお,石灰窒素50kg/10aを越冬前に施用すると翌春の土壌アンモニア態窒素が増加します。そのため,基肥を無施用とするか窒素成分で2kg/10a以上を減肥し,過剰生育と倒伏を防ぐ必要があります。
こぼれ籾が多量の場合には,本法のみで漏生イネを完全防除することは難しいため,手取り等の防除対策もあわせて行います。状況によっては移植栽培に切り替え,漏生イネに有効な除草剤による防除を行います。
本研究は「農研機構生研支援センター・イノベーション創出強化研究推進事業 28020C(平成28~30年)」の助成により実施したものです。
より詳しい内容は「普及に移す技術」第95号(令和2年4月発行)「水稲直播栽培における漏生イネの防除対策」をご覧ください。
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