研究報告/第74号
農業・園芸総合研究所研究報告
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第74号:2005年3月発行
第74号抄録
昆虫病原糸状菌,Beauveria bassiana及びVerticillium lecanii による
園芸作物害虫の微生物的防除に関する研究
増田俊雄
The Microbial Control of Horticultural Pest Insects using Entomopathogenic Fungi ,Beauveria bassiana and Verticillium lecanii
Toshio MASUDA
本研究は,薬剤抵抗性の発達などで化学合成農薬だけでは防除が困難となっているコナガ Plutella xylostellaに対する昆虫病原糸状菌Beauveria bassianaを利用した微生物的防除法及びオンシツコナジラミTrialeurodes vaporariorum及びアブラムシ類に対するVerticillium lecaniiを利用した微生物的防除法を確立するため,各菌株が有する病原力,標的昆虫への感染条件,ほ場における防除効果を検討したものである。得られた結果の大要は以下のとおりである。
- 1)コナガの微生物的防除に利用するため,病原性の強い菌株を選抜し,コナガに対する病原性や温度及び湿度条件と感染との関係,コナガ体内への侵入に要する時間を検討した。分離源の異なるB.bassiana5菌株とM.anisopliae 1菌株を供試して,コナガ幼虫に対する病原性を調査したところ,コナガから分離されたB.bassiana MG-Bb-1株の病原性が最も強かった。そこで,B.bassiana MG-Bb-1株をコナガの微生物的防除素材として選抜し,より詳しい実験を行った。MG-Bb-1株はコナガの各齢期の幼虫に対し強い病原性を示したが,1齢幼虫に対しては他の齢期に比較して病原力がやや低かった。本菌株は卵に対してわずかに病原性を示したが,蛹に対する病原性はほとんど認められなかった。湿度条件がコナガ幼虫のMG-Bb-1株の感染に及ぼす影響を調査したところ,死亡率は,湿度76%以上で80%以上であったが,湿度52%では著しく低下した。1×107分生子/mlの濃度の分生子懸濁液をコナガに接種後,7℃から30℃の間の8段階の温度条件で飼育したところ,すべての温度条件下で95%以上の高い死亡率が得られた。しかし,死亡に至るまでの時間は,温度の低下に伴って延長した。また,接種後幼虫を12時間周期で高温(25℃)と低温(15℃)の条件で飼育した場合は,平均温度である20℃における結果と類似した死亡パターンとなった。温度(t)と感染から死亡までに要する日数(D)から,1×107分生子/ml接種における感染速度(V)を求めると,V = 1/D = 0.0232t- 0.1285(r2=0.9715)の回帰直線が得られた。得られた回帰直線から発病の下限温度及び死亡までに要する有効温量を算出したところ,それぞれ約5.5℃及び43.2日度となった。 MG-Bb-1株のコナガ4齢幼虫への侵入は比較的迅速に起こり,25℃では接種6時間後から開始され,15時間後には完了した。このことは,本菌株を微生物的防除に利用する上で有利な特質であると考えられた。室内で行った感染実験から,MG-Bb-1株をコナガの防除に用いるときは,本菌の分生子をコナガ体表面に付着させてから10~15時間の間,温度を20~30℃,湿度を75~100%に保つ必要があることが明らかとなった。
- 2)MG-Bb-1株をコナガの防除に利用するため,ポット植えのキャベツ及び露地ほ場のキャベツに本菌の分生子懸濁液を散布し,コナガに対する防除効果を検討した。また,コナガの被害が発生する6月から10月の期間に,MG-Bb-1株試作製剤による露地キャベツでの防除試験を,6回実施した。本菌の分生子懸濁液散布は,室内で行ったポット試験において,コナガに対して防除効果をもたらした。野外のキャベツほ場で行った散布試験では,本菌の分生子懸濁液散布により,コナガ幼虫密度が極めて低く抑えられ,対照薬剤のフルフェノクスロン(Flufenoxuron)乳剤と同等の防除効果を示した。MG-Bb-1株試作製剤の散布は,露地キャベツのコナガに対して高い防除効果が認められ,実用的な使用に耐えうるものと判断された。MG-Bb-1株試作製剤の散布菌濃度は,菌の増殖に係わるコストや標的外昆虫に対する悪影響の回避などの点から,防除効果が期待できる濃度範囲の中で実用に耐え,かつ,できるだけ低い濃度であることが望ましく,2~5×106分生子/mlが適当であると考えられた。しかし,この濃度では,モンシロチョウPieris(Artogenia) rapae crucivora幼虫の密度抑制効果は不十分であった。MG-Bb-1株試作製剤の散布は,1回散布試験と2回散布試験のどちらでも,1回目の散布でコナガに対する防除効果が現れ,効果が低い事例がなかったことから,散布後に感染好適条件が維持できれば,1回散布で十分な防除効果が得られると判断された。だだし,本菌はコナガの卵や蛹には感染しにくいことから,コナガが多発生で発育ステージが不斉一の場合には,7日~10日程度の間隔をあけて2回目を散布すると,1回目で感染を免れたコナガに対しても防除効果が期待できると推察された。露地栽培キャベツの部位別の温湿度の推移を継時的に測定したところ,温度はキャベツの部位間で大きな違いは認められなかったが,湿度はキャベツ株外と比べて株内で高くなり,コナガの生息部位は本菌の感染にとって好適な高湿度が保たれている時間が長かった。本研究によって,露地栽培でも作物の形状や標的害虫の寄生部位によっては,昆虫病原糸状菌の感染にとって好適な環境条件が確保できる場合もあり,露地作物においても昆虫病原糸状菌の利用が可能であることが明らかとなった。
- 3)MG-Bb-1株は,ヨトウガMamestra brassicae 1齢幼虫及びモンシロチョウ3齢幼虫に病原性を有した。しかし,両者の感受性はコナガ幼虫よりも低く,90%以上の高い死亡率を得るためには,108分生子/ml以上の濃度が必要であった。コナガに対する散布濃度は,2~5×106cfu/mlで防除可能であるが,この濃度ではヨトウガ及びモンシロチョウ幼虫は十分防除できなかった。散布濃度を高めればコナガとの同時防除が可能であるが,菌増殖のコストや標的外昆虫に対する影響の点から,モンシロチョウやヨトウガの防除には,物理的防除などの他の防除法を利用することが必要であると考えられた。
- 4)MG-Bb-1株は,施設園芸を中心に問題となっている害虫類にも病原性を示した。モモアカアブラムシMyzus persicaeに対しては,106分生子/ml以上の濃度で高い死亡率が得られた。ミカンキイロアザミウマFrankliniella occidentalisに対しては,107分生子/ml以下でも死亡率が50%にとどかず,実際の防除に利用するためには108分生子/ml以上の散布濃度が必要であると考えられた。ナミハダニTetranychus urticaeに対しては,107分生子/mlの濃度で高い死亡率が得られた。ナミハダニやミカンキイロアザミウマは薬剤抵抗性の発達により,施設園芸,果樹園芸の最重要害虫である。これらの害虫を防除するためには,MG-Bb-1株の比較的高い濃度が必要であるものの,本菌が両種に感染することは今後の微生物的防除資材の有効利用にとって意味が大きいと考えられる。
- 5)MG-Bb-1株の有用昆虫類に対する病原性を調査したところ,カイコBombyx mori 1齢及び4齢幼虫に対しては,それぞれ108分生子/ml及び107分生子/ml濃度で,強い病原性を示した。捕食性天敵と考えられるミイデラゴミムシPheropsophus jessoensisやセアカヒラタゴミムシDolichus halensisに対しては,3.7×106分生子/mlの濃度では病原性は認められなかった。ナミハダニなどTetranychus属のハダニの防除に用いられている天敵のチリカブリダニPhytoseiulus persimilisに対しては,107分生子/ml以上の濃度での死亡率が高かった。ハダニ防除にMG-Bb-1株を利用する場合には,チリカブリダニに対して悪影響を与える可能性が示唆された。
- 6)チリカブリダニを放飼したハウス栽培のイチゴに,5×106分生子/ml濃度に調整したMG-Bb-1株試作製剤を散布し,本菌によるナミハダニの防除試験を行った。その結果,MG-Bb-1株試作製剤散布区では,ナミハダニの密度抑制効果が認められた。MG-Bb-1株試作製剤散布区におけるチリカブリダニの個体数は,試作製剤散布後も個体数が増加した。このことから,5×106分生子/ml濃度のMG-Bb-1株試作製剤散布は,チリカブリダニに悪影響を及ぼさないと考えられた。
- 7)V. lecaniiを微生物的防除に利用するため,オンシツコナジラミから分離されたMG-Vl-18株とワタアブラムシAphis gossypiiから分離されたMG-Vl-45株が有する病原性について調査した。 MG-Vl-18株はオンシツコナジラミの成虫と幼虫に強い病原性を示したが,蛹に対しては成虫や幼虫の場合と比較して病原性が弱かった。また,卵には病原性が認められないことが明らかとなった。さらに,シルバーリーフコナジラミBemisia argentifoliiはオンシツコナジラミよりも本菌に対する感受性が高かった。MG-Vl-45株は,ワタアブラムシとモモアカアブラムシに対し強い病原性を示した。一方,両菌株とも,カイコに対する病原性は弱かった。MG-Vl-45株の分生子及び短菌糸の大きさは,MG-Vl-18株のそれと比べて大きかった。一方,MG-Vl-18株はMG-Vl-45株に比べ生育温度範囲が広く,生育速度も速かった。両菌株は,オンシツコナジラミ,ワタアブラムシ及びモモアカアブラムシに対して病原性を示したが,菌株によって明らかな病原性の相違が認められた。オンシツコナジラミ成虫及び幼虫に対しては,MG-Vl-18株の病原性がMG-Vl-45株に比較して強く,特に幼虫への接種試験で顕著な差が認められた。モモアカアブラムシの有翅虫及び無翅虫,ワタアブラムシの無翅虫に対する病原性はMG-Vl-45株がMG-Vl-18株よりも強く,特に106分生子/ml以下の低濃度において,両菌株の差異が顕著に現れた。ワタアブラムシとモモアカアブラムシを供試して,MG-Vl-45株の感染条件について検討した。接種方法を食餌浸漬と虫体浸漬で比較したところ,食餌浸漬法で菌を接種した場合,虫体浸漬法で接種した場合と比べて,死亡までの期間は短くなり,死亡率も高くなる傾向が認められた。このことから,本菌のアブラムシ類への主要感染部位は,葉面に接触する脚部であることが示された。実用場面では,必ずしも虫体全体に直接菌液が付着しなくとも防除効果が得られる可能性があり,残効性や予防的な利用も期待できると考えられた。感染好適温度は温度別接種試験及び菌の生育温度から25℃付近と考えられたが,10℃のような低い温度条件下においても感染が認められた。しかし,温度の低下に伴って感染死亡虫の出現は遅延した。実際の防除を考えると,高い防除効果を得るためには15℃以上の温度が必要であり,また高温では菌の生育が抑制されることから,30~35℃を超えるような場合には散布を避けた方がよいと考えられた。本菌の感染には,湿度は100%が最もよい条件であるが,85%以上の相対湿度があれば,高い死亡率が得られろことが明らかとなった。MG-Vl-45株のワタアブラムシ体内への侵入は,20℃,100%湿度条件下で,接種14~16時間経過後に開始され,20時間後にはほぼ完了することが明らかとなった。
- 8)MG-Vl-18株及びMG-Vl-45株の実際のほ場における防除効果を確認するため,それぞれの菌株の分生子懸濁液を用いて散布実験を行った。MG-Vl-18株の散布は,ビニールハウス内に設置したポット植のトマトとハウス栽培のキュウリに発生したオンシツコナジラミを対象として行った。散布区における感染死亡虫は,散布10日後以降になって急激に増加し,その後はオンシツコナジラミ密度を20日間以上抑制した。MG-Vl-18株は,オンシツコナジラミに対し高い防除効果を示したが,効果の発現は遅効的であった。MG-Vl-45株の散布は,ハウス栽培のキュウリに発生したワタアブラムシを対象として,2回実施した。本菌はワタアブラムシに対して高い防除効果を示し,効果も長期間持続した。しかしオンシツコナジラミ同様,効果は遅効的であり,多発生時に散布した試験では,無散布区に比較して密度抑制効果が高く優れた防除効果を示したが,散布10日目まではワタアブラムシ個体数は減少しなかった。少発生時に散布した試験では,散布4日目まではワタアブラムシ個体数は減少しなかったが,7日目以降は本菌による感染死亡虫が急激に増加し,その後は低密度に維持された。対照薬剤のエチオフェンカルブ(ethyophencarb)乳剤に比較して速効性は劣ったが,10日目以降の効果は本菌散布区で高かった。本菌散布後も捕食性天敵類の個体数が増加し,病死虫は認められなかったことから,本菌の捕食性天敵類に対する悪影響はほとんどないものと推察された。MG-Vl-18株及びMG-Vl-45株を用いた防除試験の結果から,V. lecaniiを害虫防除に使用した場合の防除効果発現の特徴は,散布から5~10日間は害虫密度が低下しないが,それ以降は急激に死亡虫が増加し,防除効果が長期間持続することであった。このことは,標的害虫個体群内でのV. lecaniiによる病気の蔓延が防除効果に重要な役割を果たしていることを示し,密度抑制効果の持続性は死亡個体からの二次感染が最も重要な要因となっていると考えられた。 V. lecaniiによる害虫防除を成功させるためには,標的害虫の密度が低い時点で本菌を用いる必要があると考えられた。
以上の結果から,コナガの防除にはB.bassiana MG-Bb-1株が,オンシツコナジラミの防除にはV. lecanii MG-Vl-18株が,アブラムシ類の防除にはV. lecanii MG-Vl-45株が利用できると考えられた。さらに,薬剤抵抗性の発達により防除が困難なその他の園芸作物害虫に対しても,昆虫病原糸状菌を用いた防除の可能性が示された。
<Summary>
The diamondback moth, Plutella xylostella, whitefly, Trialeurodes vaporariorum, and the aphids, Aphis gossypii and Myzus persicae are major horticultural pests because of their resistance to chemical insecticides. This study developed microbial controls for the diamondback moth and whitefly and aphids using entomopathogenic fungus Beauveria bassiana and Verticillium lecanii, respectively.
- 1)The pathogenicity of five isolates of B. bassiana, and an isolate of Metarhizium anisopliae in P. xylostella were investigated. Treatment of 4th-instar larvae, with each isolate, resulted in 0-100% mortality 5days after inoculation. Detailed studies were made of the most virulent B. bassiana isolate, MG-Bb-1, obtained from P. xylostella, to determine its efficacy at the different developmental stages of P. xylostella, and at different doses and humidities.
MG-Bb-1was highly pathogenic in larvae of all instars, but only slightly pathogenic in eggs, and not pathogenic in pupae. Humidity influenced its virulence in 4th-instar larvae; MG-Bb-1 caused mortality exceeding 80% at an RH of at least 76%, but only 30% mortality at 52% RH.
The mortality at various temperatures, and the conidial invasion time after inoculation, were investigated. When larvae were inoculated with a suspension of MG-Bb-1( 1 ×10 7conidia/ml), the mortality exceeded 95%, regardless of the incubation temperature. However, the longevity of infected larvae was prolonged as temperature decreased. The mortality in larvae exposed to cycles of 25℃(12h) and 15℃(12h) was very similar to that in larvae reared at a constant temperature of 20℃. These results indicate that the speed of killing depends on the thermal constant. Based on the linear relationship between the temperature( t) and time to death( D), V=1/D=0.023t-0.1285(r2=0.972), 5.5℃ and 43.2 days-degrees were estimated as the lower threshold for lethality and the thermal constant, respectively. Conidial invasion of the host began approximately 6h post-inoculation, and was completed in 15 h at 25 ℃.
In laboratory bioassays, a high rate of infection of P. xylostella larvae by B. bassiana required a suitable temperature(20-30℃)and high humidity(75-100%), and these conditions had to be maintained for 10-15 hours after conidial adhesion.
- 2) Conidial suspensions(10 7conidia/ml) of MG-Bb-1 were sprayed on cabbage seedlings planted in plastic pots, and on a cabbage field, to control P. xylostella. Fungus treatment was effective against P. xylostella larvae on cabbage seedlings in plastic pots. In the field experiment, the application controlled P. xylostella as well as flufenoxuron did.
The efficacy of the pilot formulation of MG-Bb-1 at controlling P. xylostella was evaluated in six field trials, conducted between June and October. Applications of the pilot formulation at a dose of 2-5×106conidia/ml significantly affected P. xylostella larvae. However, this dose was ineffective against larvae of Pieris( Artogenia) rapae crucivora.
When the pilot formulation of MG-Bb-1 was applied once or twice in the field trials, both applications had similar effects on P. xylostella. One application was sufficient to control P. xylostella, given favorable environmental conditions. However, MG-Bb-1 had almost no pathogenicity in eggs or pupae, so two applications were necessary to treat P. xylostella outbreaks.
Temperature and humidity were measured at the lower, middle, and upper leaves of the cabbage plants. No temperature differences were found, while the humidity was greater at the lower and middle leaves than at the upper leaves. P. xylostella larvae are usually found on the lower and middle leaves of cabbage, where conditions favor the control of P. xylostella by entomopathogenic fungi.
- 3)MG-Bb-1 was pathogenic in 1st-instar larvae of Mamestra brassicae and 3rd-instar larvae of P.(A.) rapae curcivora. However, their susceptibilities to MG-Bb-1 were lower than that of P. xylostella; 1×108conidia/ml were needed to produce mortality over 90%. It might be possible to control these insects with an increased dosage, but it is advisable to use other control methods, such as physical control, in order to mitigate production costs as well as unwanted effects on non-target insects.
- 4)The pathogenicity of MG-Bb-1 against key arthropod pests in greenhouse cultures was investigated. MG-Bb-1 was pathogenic in the aphid Myzus persicae, the thrip Furankliniella occidentalis, and the spider mite Tetranychus urtica. MG-Bb-1 caused high mortality in M. persicae at concentrations above 106conidia/ml. Conversely, F. occidentalis and T. urtica were less susceptible to MG-Bb-1 than was M. persicae. Nevertheless, F. occidentalis and T. urtica are major greenhouse pests because of their resistance to chemical insecticides, so MG-Bb-1 should be used to control F. occidentalis and T. urtica.
- 5)The pathogenicity of MG-Bb-1 in non-target insects was investigated. MG-Bb-1 was pathogenic in Bombyx mori larvae and a predatory mite, Phytoseiulus persimilis, but not in two predators of P. xylostella: Pheropsophus jessoensis and Dolichus halensis.
- 6)The pilot formulation of MG-Bb-1(5×10 6conidia/ml) was sprayed on greenhouse strawberry to control the two-spotted spider mite, T. urtica, and to confirm its effect on the mite predator, P. persimilis. The population density of T. urtica was suppressed as a result of the interaction between the effects of the pilot formulation and predation pressure, due to P. persimilis. Nymphs and adult P. persimilis infected with MG-Bb-1 were not observed in this greenhouse trial at that dosage.
- 7)The pathogenicity of two V. lecanii isolates(MG-Vl-18 isolated from whitefly, T. vaporariorum, and MG-Vl-45 from cotton aphid, A. gossypii) was investigated. MG-Vl-18 was highly pathogenic in larvae and adults, with intermediate effects in pupae, and no pathogenicity in eggs of T. vaporariorum. The Silver-leaf whitefly, Bemisia argentifolii, was more susceptible to MG-Vl-18 than T. vaporariorum. MG-Vl-45 was highly pathogenic in the aphids, A. gossypii and M. persicae. These isolates had almost no pathogenicity in B. mori.
The sizes of conidia and blastospores of MG-Vl-18 and MG-Vl-45 differed; MG-Vl-45 produced larger conidia and blastospores than did MG-Vl-18. Conversely, the mycelial growth of MG-Vl-18 was faster than that of MG-Vl-45, and the growth temperature range of NG-Vl-18 was greater than that of MG-Vl-45. Both MG-Vl-18 and MG-Vl-45 were pathogenic in T. vaporariorum, A. gossypii and M. persicae, but host specificity was observed. MG-Vl-18 was more pathogenic in larvae and adults of T. vaporariorum than was MG-Vl-45. The difference was especially marked in the larval stage. MG-Vl-45 was more pathogenic than MG-Vl-18 in A. gossypii (apterous adults) and M. persicae(apterous and alate adults).
MG-Vl-45 was inoculated using two methods: dipping insects( A. gossypii and M. persicae), and dipping food plants(detached cucumber and cabbage leaf), in conidial suspensions. Dipping food plants resulted in higher aphid mortality with MG-Vl-45, as compared to the result from dipping insects. MG-Vl-45 frequently invades the leg segments of aphids, mainly the tarsus. These results indicate that MG-Vl-45 does not need the systemic adhesion of conidia to kill aphids, so MG-Vl-45 has a residual effectiveness and may be used for preventive application. The optimum temperature of MG-Vl-45 was 25℃ for mycelial growth, and for the inoculation tests of aphids. Fungus infection occurred at temperatures as low as 10 ℃, but the longevity of infected aphids was prolonged as temperature decreased. Temperatures as high as 35 ℃ inhibit mycelial growth of MG-Vl-45. MG-Vl-45, as a microbial control agent, must be used at temperatures between 15℃ and 30℃. The optimum humidity of MG-Vl-45 was 100% RH, but high mortalities were obtained above 85% RH. Conidial invasion of the host begins approximately 14-16h post-inoculation and is complete in 20h, at 20 ℃ and 100% RH.
- 8)Conidial suspensions (10 7conidia/ml) of MG-Vl-18 were sprayed on tomatoes planted in flowerpots and on greenhouse cucumber plants to control T. vaporariorum. In both trials, infected larvae and adults of T. vaporariorum increased up to 10days after application, and then the population density of T. vaporariorum was suppressed for a period that exceeded 20days. MG-Vl-18 was effective against T. vaporariorum, but was slow-acting.
Conidial suspensions (10 7conidia/ml) of MG-Vl-45 were sprayed on greenhouse cucumber plants to control A. gossypii. In the first greenhouse experiment, with a low density of A. gossypii, one application of MG-Vl-45 resulted in lower numbers of A. gossypii, as compared to controls; it controlled A. gossypii as well as Ethyophencarb. In the second greenhouse experiment, with a high density of A. gossypii, one application of MG-Vl-45 reduced the numbers of A. gossypii, but the effect of MG-Vl-45 was similar to that of MG-Vl-18. In these experiments, no aphid predators infected with MG-Vl-45 were observed.
The two isolates of V. lecanii take 5-10days, after application, to kill their host insects, which include whiteflies and aphids. Subsequently, many infected hosts are found, and the population density of hosts is suppressed for a prolonged period. These results indicate that the secondary infection of healthy individuals from insect cadavers, covered with newly produced conidia, constitutes an important factor for the success of V. lecanii. V. lecanii must be used when the density of target insects is low.
- 9)B. bassiana and V. lecanii show great potential for the control of horticultural pest insects. The microbial control agents MG-Bb-1 for P. xylostella, MG-Vl-18 for T. vaporariorum, and MG-Vl-45 for A. gossypii and M. persicae constitute particularly valuable components of integrated pest management (IPM) systems.