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掲載日:2022年6月23日

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公衆衛生上必要な措置に関する基準の解説について

公衆衛生上必要な措置に関する基準の解説

1.一般的な衛生管理に関する基準(食品衛生法施行規則別表第17(第66条の2第1項関係))

1.食品衛生責任者等の選任

  • イ 法第51条第1項に規定する営業を行う者(法第68条第3項において準用する場合を含む。以下この表において「営業者」という。)は、食品衛生責任者を定めること。ただし、第66条の2第4項各号に規定する営業者についてはこの限りではない。なお、法第48条に規定する食品衛生管理者は、食品衛生責任者を兼ねることができる。
  •  ● 食品衛生責任者には、営業の種類、業態等に応じ、可能な限り、講ずべき公衆衛生上の措置について知識及び経験を有する適切な者を充てるよう、営業者に指導すること。特に、飲食店営業については、調理業務において講ずべき公衆衛生上の措置が適切に行われるよう、食品衛生責任者に調理師を選定するよう努めること。
  •  ○ 食品衛生責任者の選任自体は許可又は届出の要件ではないため、食品衛生責任者の選任が完了していない営業許可申請又は届出については、申請又は届出時点では食品衛生責任者として選任予定の者を記載し、許可又は届出後速やか(6か月以内)に資格を証する書類の提出又は養成講習会の受講を行わせること。
  •  ○ 届出不要な営業者は食品衛生責任者の選任を必要としないこと。
  •  ○ 施設内に複数の部門がある場合において、衛生管理上支障がなければ食品衛生責任者の兼務は差し支えない。
  • ロ 食品衛生責任者は次のいずれかに該当する者とすること。
  • (1)法第30条に規定する食品衛生監視員又は法第48条に規定する食品衛生管理者の資格要件を満たす者
  • (2)調理師、製菓衛生師、栄養士、船舶料理士、と畜場法(昭和28年法律第104号)第7条に規定する衛生管理責任者若しくは同法第10条に規定する作業衛生責任者又は食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成2年法律第70号)第12条に規定する食鳥処理衛生管理者
  • (3)都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が適正と認める講習会を受講した者
  •  ○ ロ(3)の食品衛生責任者養成講習会の標準的なプログラムについては、「食品衛生責任者の取扱いについて」(令和2年1月17日付け薬生食監発0117第1号厚生労働省医薬・生活衛生局食品監視安全課長通知)によること。
  • ハ 食品衛生責任者は次に掲げる事項を遵守すること。
  • (1)都道府県知事等が行う講習会又は都道府県知事等が認める講習会を定期的に受講し、食品衛生に関する新たな知見の習得に努めること(法第54条の営業(法第68条3項において準用する場合を含む。)に限る。)。
  • (2)営業者の指示に従い、衛生管理に当たること。
  •  ○ ハ(1)にて規定する食品衛生責任者実務講習会については、営業許可の対象となる施設及び集団給食施設の食品衛生責任者が食品衛生に関する新たな知見を習得するための講習会であること。
  •  ○ なお、届出対象事業者についても受講を奨励します。
  • ニ 営業者は、食品衛生責任者の意見を尊重すること。
  • ホ 食品衛生責任者は、第66条の2第3項に規定された措置の遵守のために、必要な注意を行うとともに、営業者に対し必要な意見を述べるよう努めること。
  • ヘ ふぐを処理する営業者にあっては、ふぐの種類の鑑別に関する知識及び有毒部位を除去する技術等を有すると都道府県知事等が認める者にふぐを処理させ、又はその者の立会いの下に他の者にふぐを処理させなければならない。
  •  ○ふぐ処理者の認定基準については、「ふぐ処理者の認定基準について」(令和元年10月31日付け生食発1031第6号厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官通知)により、条例、要綱等の必要な制定及び改定を行う必要があるため、今後別に定める。

2.施設の衛生管理

  • イ 施設及びその周辺を定期的に清掃し、施設の稼働中は食品衛生上の危害の発生を防止するよう清潔な状態を維持すること。
  •  ○ 計画的な清掃等の実施は、衛生上の基本事項である。清掃の実施にあたっては、施設に応じた定期的に清掃を実施すること。
  • ロ 食品又は添加物を製造し、加工し、調理し、貯蔵し、又は販売する場所に不必要な物品等を置かないこと。
  •  ○ 食品又は添加物を製造し、加工し、調理し、貯蔵し、又は販売する場所(以下「作業場」という。)内の整備状況を確認すること。
  • ハ 施設の内壁、天井及び床を清潔に維持すること。
  • ニ 施設内の採光、照明及び換気を十分に行うとともに、必要に応じて適切な温度及び湿度の管理を行うこと。
  • ホ 窓及び出入口は、原則として開放したままにしないこと。開放したままの状態にする場合にあっては、じん埃、ねずみ及び昆虫等の侵入を防止する措置を講ずること。
  • ヘ 排水溝は、固形物の流入を防ぎ、排水が適切に行われるよう清掃し、破損した場合速やかに補修を行うこと。
  •  ○施設及びその周囲に滞留した排水、廃棄物の腐敗に起因する害虫の発生防止のため、適切に維持管理すること。
  • ト 便所は常に清潔にし、定期的に清掃及び消毒を行うこと。
  • チ 食品又は添加物を取り扱い、又は保存する区域において動物を飼育しないこと。
  •  ● 食品又は添加物を取扱い、又は保存する区域に原則として客席は含まれない。
  •  ● 補助犬を伴っての飲食店等の利用については、「身体障害者補助犬を伴う障害者等の飲食店等食品営業に係る店舗の利用について」(平成14年10月3日付け食監発第100305号)により、補助犬の飲食店等食品営業施設への立ち入り等が妨げられることのないよう配慮すること。
  •  ○ 作業場は衛生上支障がないと認められる場合を除き、他の用途と併用することは認められないこと。
  •  ○ 同一作業場で複数の業種又は品目に係る食品等を製造する場合は、併用による危害も踏まえて衛生管理計画を作成するよう指導するほか、必要に応じ、作業場内に業種または品目毎に専用の場所や作業室を設けるなど、衛生上支障が生じないように指導すること。

3.設備等の衛生管理

  • イ 衛生保持のため、機械器具は、その目的に応じて適切に使用すること。
  •  ○ 機械器具は、用途に応じ使用するものとし、使用する対象の食材による相互汚染等を防止する対策を講じること。ただし、機械の種類によっては必ずしも専用と限定するものではない。
  • ロ 機械器具及びその部品は、金属片、異物又は化学物質等の食品又は添加物への混入を防止するため、洗浄及び消毒を行い、所定の場所に衛生的に保管すること。また、故障又は破損があるときは、速やかに補修し、適切に使用できるよう整備しておくこと。
  •  ○ 食品に直接触れる機械器具類については、取り扱う食品の種類が変わるたび、並びに作業終了後の洗浄、消毒を行うなど、汚染を防ぐ措置をとること。
  •  ○ 器具等の保管にあっては、洗浄、消毒後の汚染を防止するため、衛生的に保管すること。
  •  ○ 手順書(従事者にわかりやすく説明した張り紙、マニュアル等施設に応じたものをいう)を作成する場合、当該手順書には、機械器具に応じて、洗浄消毒の頻度、方法、作業責任者等を従事者にわかりやすく記載することが望ましい。
  •  ○ 機械・器具類は必要に応じて分解し、部品を含めて洗浄、消毒を行い、故障・破損等がなく衛生的に使用できる状態にすること。
  •  ○ 記録には、外部の業者に委託して保守点検を依頼した場合にあっては、その業者により作成された記録も含まれる。
  • ハ 機械器具及びその部品の洗浄に洗剤を使用する場合は、洗剤を適切な方法により使用すること。
  • ニ 温度計、圧力計、流量計等の計器類及び滅菌、殺菌、除菌又は浄水に用いる装置にあっては、その機能を定期的に点検し、点検の結果を記録すること。
  • ホ 器具、清掃用機材及び保護具等食品又は添加物と接触するおそれのあるものは、汚染又は作業終了の都度熱湯、蒸気又は消毒剤等で消毒し、乾燥させること。
  • ヘ 洗浄剤、消毒剤その他化学物質については、取扱いに十分注意するとともに、必要に応じてそれらを入れる容器包装に内容物の名称を表示する等食品又は添加物への混入を防止すること。
  • ト 施設設備の清掃用機材は、目的に応じて適切に使用するとともに、使用の都度洗浄し、乾燥させ、所定の場所に保管すること。
  •  ○ 所定の場所とは、食品等を汚染することがないように、ロッカーを設置するほか、食品等を取り扱う作業室の一角を区別して取り扱う場合も含められるものとする。この際、専用であることがわかるよう場所の表示があることが望ましい。
  • チ 手洗設備は、石けん、ペーパータオル等及び消毒剤を備え、手指の洗浄及び乾燥が適切に行うことができる状態を維持すること。
  •  ○ 手洗い設備には、洗浄剤が充填されていることを確認する。
  •  ○ 乾燥設備は、設置位置により汚染が拡大するおそれがあるため、適切な位置に設置されていることを確認する。ペーパーレスの場合にあっては、乾燥設備内の水たまり等による二次汚染がないよう維持管理すること。
  • リ 洗浄設備は、清潔に保つこと。
  •  ○ 洗浄設備とは、「シンク」のことを指すが、「蛇口」、「水切り台」、「洗浄台」、「洗浄機」等も清潔に保つこと。
  • ヌ 都道府県等の確認を受けて手洗設備及び洗浄設備を兼用する場合にあっては、汚染の都度洗浄を行うこと。
  • ル 食品の放射線照射業にあっては、営業日ごとに1回以上化学線量計を用いて吸収線量を確認し、その結果の記録を2年間保存すること。

4.使用水等の管理

  • イ 食品又は添加物を製造し、加工し、又は調理するときに使用する水は、水道法(昭和32年法律第177号)第3条第2項に規定する水道事業、同条第6項に規定する専用水道若しくは同条第7項に規定する簡易専用水道により供給される水(別表第19第3号ヘにおいて「水道事業等により供給される水」という。)又は飲用に適する水であること。ただし、冷却その他食品又は添加物の安全性に影響を及ぼさない工程における使用については、この限りではない。
  •  ● 「飲用に適する水」には水道水を含まない。
  •  ● 「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年厚生省告示第370号)において規定される「食品製造用水(水道水又は26項目の基準に適合する水)」と本規定の「飲用に適する水」は異なる。
  •  ○ 水道事業、専用水道若しくは簡易専用水道により供給される水(以下「水道水」という。)には、簡易給水施設等の規制に関する条例(昭和50年宮城県条例第14号)第2条第1項第3号に規定する簡易専用小水道及び、その他の貯水槽水道を含むこと。
  •  ○ 「飲用に適する水」とは、食品製造用水(食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)第1食品の部B食品一般の製造、加工及び調理基準の項第5款に規定するものをいう。)の規格に適合する水又は水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)の表の左欄に掲げる事項につき同表の右欄に掲げる規格に適合する水であること。
  •  ○ 原材料の洗浄や食品に直接触れる機械器具の清掃等に水道水以外の水を使用する場合は、殺菌装置又は浄水装置を設置するなど汚染防止に努めるほか、飲用に適する水であることが望ましい。
  •  ○ 海藻類の洗浄等、鮮魚介類の洗浄・解凍・冷却等で使用する水は、食品又は添加物を製造し、加工し、又は調理するときに使用する水に該当せず、殺菌海水を使用することが認められるが、当該殺菌海水は生食用鮮魚介類等の規格基準の加工基準で使用が認められている殺菌海水に準じた砂等の異物が混入しないよう必要な措置(砂ろ過器、急速ろ過器、沈殿槽又はストレーナーによる処理等)が行われたものであり、腸炎ビブリオ陰性であることが望ましいこと。
  •  ○ 殺菌海水を使用する施設にあっては、器具、容器の洗浄や従事者の手洗いについて、水道水又は飲用に適する水を使用すること。
  • ロ 飲用に適する水を使用する場合にあっては、1年1回以上水質検査を行い、成績書を1年間(取り扱う食品又は添加物が使用され、又は消費されるまでの期間が1年以上の場合は、当該期間)保存すること。ただし、不慮の災害により水源等が汚染されたおそれがある場合にはその都度水質検査を行うこと。
  •  ● 不慮の災害とは、地震、土砂崩れ、洪水等の井戸水等の水源を汚染し得る災害が全て含まれること。
  •  ○ 食品等を製造し、加工し、又は調理するときに使用する水に飲用に適する水を使用する場合は、年に1回以上水質検査を実施すること。
  •  ○ 水質検査の項目は、食品製造用水又は水質基準に関する省令の表に掲げる全項目を原則とするが、許可、更新時以外については、下表の項目とすることができる。また、重金属及び揮発性有機化合物等の項目については、周辺環境の変化や地下水等の水質状況から必要と判断されるものについて行うこと。
  • 検査項目
    食品製造用水の基準(26項目)に基づく場合 水質基準に関する省令(51項目)に基づく場合
    1.一般細菌 1.一般細菌
    2.大腸菌群 2.大腸菌
    - 3.亜硝酸態窒素
    3.硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 4.硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素
    4.塩素イオン 5.塩化物イオン
    5.有機物等(過マンガン酸カリウム消費量) 6.有機物質(全有機炭素(TOC)の量)
    6.pH値 7.pH値
    7.味 8.味
    8.臭気 9.臭気
    9.色度 10.色度
    10.濁度 11.濁度
  •  ○ 船舶等にて、貯水槽を用いて水道水を貯留し、調理を行う場合においても同様に水質検査を実施すること。
  •  ○ 原材料の洗浄や食品に直接触れる機械器具の清掃等に水道水以外の水を使用する場合についても年に1回以上水質検査を行うよう努めること。
  •  ○ 「殺菌海水」については、生食用鮮魚介類等の加工等に用いる場合は平成13年6月7日付け食発第170号厚生労働省医薬局食品保健部長通知に基づき、1年に1回以上腸炎ビブリオ陰性であることを確認すること。海藻類の洗浄等、鮮魚介類の洗浄・解凍・冷却等で使用する場合も、同様に確認することが望ましいこと。
  • ハ ロの検査の結果、イの条件を満たさないことが明らかとなつた場合は、直ちに使用を中止すること。
  • ニ 貯水槽を使用する場合は、貯水槽を定期的に清掃し、清潔に保つこと。
  •  ○ 貯水槽の清掃の頻度については、水道法、簡易給水施設等の規制に関する条例による他、それ以外の貯水槽については、1年に1回以上とすること。海水を使用する場合にあっても同様とする。
  • ホ 飲用に適する水を使用する場合で殺菌装置又は浄水装置を設置している場合には、装置が正常に作動しているかを定期的に確認し、その結果を記録すること。
  •  ● 殺菌装置又は浄水装置を設置している場合には、装置が正常に作動しているかを定期的に確認し、その結果を記録すること。
  •  ○ 貯水槽を設置している場合や井戸水等を塩素により殺菌して使用している場合には色、濁り、におい、異物のほか、遊離残留塩素が0.1mg/ℓ(結合残留塩素の場合は0.4mg/ℓ)以上であることを始業前及び作業終了後に毎日検査し、記録を行うこと。
  •  ○ 紫外線による殺菌を行っている場合には、紫外線灯の点灯確認及び累積点灯時間を確認するとともに流量が殺菌に適切かどうかを毎日確認の上、記録を行うこと。
  •  ○ 膜による殺菌を行う場所には、ろ過膜を定期的に交換し、適切な圧力が担保されていることを毎日確認の上、記録を行うこと。
  • ヘ 食品に直接触れる氷は、適切に管理された給水設備によって供給されたイの条件を満たす水から作ること。また、氷は衛生的に取り扱い、保存すること。
  • ト 使用した水を再利用する場合にあっては、食品又は添加物の安全性に影響しないよう必要な処理を行うこと。
  •  ○ 水を再利用する場合、再利用水の用途は、食品製造、床の洗浄等様々な事例が想定されるので、個々の事例に応じた「食品等の安全性に影響しないよう」適切に管理を行うこと。

5.ねずみ及び昆虫対策

  • イ 施設及びその周囲は、維持管理を適切に行うことができる状態を維持し、ねずみ及び昆虫の繁殖場所を排除するとともに、窓、ドア、吸排気口の網戸、トラップ及び排水溝の蓋等の設置により、ねずみ及び昆虫の施設内への侵入を防止すること。
  •  ● 施設及び周囲の維持管理には、定期的な清掃や、排水溝の洗浄、床・壁・天井の隙間・割れ目の補修等、ねずみ及び昆虫の繁殖場所を排除及び侵入を防止するための措置が含まれること。
  •  ○ ねずみ族、昆虫等の繁殖場所として、食品、残渣等がある場所、隠れやすい場所があるので、施設を点検し、発生原因を作らないこと。
  • ロ 1年に2回以上、ねずみ及び昆虫の駆除作業を実施し、その実施記録を1年間保存すること。ただし、ねずみ及び昆虫の発生場所、生息場所及び侵入経路並びに被害の状況に関して、定期に、統一的に調査を実施し、当該調査の結果に基づき必要な措置を講ずる等により、その目的が達成できる方法であれば、当該施設の状況に応じた方法及び頻度で実施することができる。
  •  ● 「ねずみ及び昆虫の発生場所、生息場所及び侵入経路並びに被害の状況に関して、定期に、統一的に調査を実施し、当該調査の結果に基づき必要な措置を講ずる等により」とあるのは、総合的有害生物管理(IPM)の考え方を取り入れた防除法のことを指し、建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律第20号)に基づく建築物環境衛生管理基準においても取り入れられているものであること。
  •  ● IPMの考え方を取り入れた防除については、「建築物環境衛生維持管理要領」(平成20年1月25日付け健発0125001号、最終改正:平成26年3月31日付け健発0331第30号)等を参考に営業者自身で実施することも可能であるが、外部事業者に委託する場合、建築物ねずみ昆虫等防除業の登録を受けた事業者等、必要な専門知識を有する適切な事業者を選定すること。
  •  ○ 防除に際しては以下に留意すること。
    • 当該区域の状況に応じて薬剤やトラップの利用、侵入場所の閉鎖などの防虫・防そ工事を組み合わせて実施すること。
    • 有効かつ適切な防除法を組み合わせて実施すること。
    • 発生源対策、侵入防止対策等を行うこと。
    • 薬剤を用いる場合にあっては、薬剤の種類、薬量、処理法、処理区域について十分な検討を行い、日時、作業方法等を建築物の利用者に周知徹底させること。
    • 人や環境に対する影響を可能な限り少なくするよう配慮すること。
  • ハ 殺そ剤又は殺虫剤を使用する場合には、食品又は添加物を汚染しないようその取扱いに十分注意すること。
  •  ○ 殺そ剤等の使用に当たっては、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)の規定による承認を受けた医薬品又は医薬部外品等の適正な薬剤を、表示、添付文書(取扱説明書)等で示された方法を遵守して使用すること。
  • ニ ねずみ及び昆虫による汚染防止のため、原材料、製品及び包装資材等は容器に入れ、床及び壁から離して保存すること。一度開封したものについては、蓋付きの容器に入れる等の汚染防止対策を講じて保存すること。

6.廃棄物及び排水の取扱い

  • イ 廃棄物の保管及びその廃棄の方法について、手順を定めること。
  • ロ 廃棄物の容器は、他の容器と明確に区別できるようにし、汚液又は汚臭が漏れないように清潔にしておくこと。
  •  ○ 廃棄物は、廃棄されるまでの間に腐敗変敗し、他の製品、周囲の環境に悪影響をおよぼす状態に変化することが想定されることから、分かりやすく区別するため専用容器で管理すること。
  • ハ 廃棄物は、食品衛生上の危害の発生を防止することができると認められる場合を除き、食品又は添加物を取り扱い、又は保存する区域(隣接する区域を含む。)に保管しないこと。
  •  ○ 廃棄物は、食品等への混入を防止するため、適正に処理を行う必要がある。作業に支障のない限り、食品等を取り扱ったり保存する区域には保管しないこと。
  • ニ 廃棄物の保管場所は、周囲の環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理を行うことができる場所とすること。
  • ホ 廃棄物及び排水の処理を適切に行うこと。
  •  ○ 排水には、排出される全ての水が含まれる。
  •  ○ 汚水処理設備の維持管理に当たっては、他法令で規定される排水処理施設等を有する場合にあっては、その法令等を遵守した管理を行うものとし、それ以外の施設にあっては、グリストラップ等の維持管理を行い、沈殿槽を有する場合はその維持管理を行う必要がある。

7.食品又は添加物を取り扱う者の衛生管理

  • イ 食品又は添加物を取り扱う者(以下「食品等取扱者」という。)の健康診断は、食品衛生上の危害の発生の防止に必要な健康状態の把握を目的として行うこと。
  • ロ 都道府県知事等から食品等取扱者について検便を受けるべき旨の指示があったときには、食等取扱者に検便を受けるよう指示すること。
  •  ● 食品取扱者等の衛生管理における検便は、毎日の健康確認を補完するものとして取り扱うこと。
  •  ○ 食品等取扱者について検便を受けるべき旨の指示の取扱いを下記のとおりとする。
    • 検査項目
      感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条第4項に規定する三類感染症のうち、細菌性赤痢、腸チフス及びパラチフスとする。
      なお、大量調理施設衛生管理マニュアルでは、大量調理施設では腸管出血性大腸菌の検査を含め、必要に応じ、10月から3月にはノロウイルスの検査も含めることとされていることから、これを参考に実施すること。
    • 実施頻度
      • (1)新規許可及び届出の場合
        原則として許可申請又は届出時に検便を実施すること。
      • (2)許可及び届出済み営業者の場合
        少なくとも年1回以上実施すること。
        飲食店営業のうち仕出し業、弁当屋、大型旅館、ホテル、観光地旅館、民宿、団体等を取り扱うドライブイン、結婚披露宴式場、その他大量調理施設及び広域流通食品製造業については、繁忙期や食中毒の流行期など必要と認めるときに計画的かつ定期的に実施すること。なお、大量調理施設については月1回以上実施することとされており、施設規模に応じ頻度を定め実施すること。
      • (3)その他
        上記の他、保健所長が必要と認めた時は検便を実施すること。
  • ハ 食品等取扱者が次の症状を呈している場合は、その症状の詳細の把握に努め、当該症状が医師による診察及び食品又は添加物を取り扱う作業の中止を必要とするものか判断すること。
    (1)黄疸、(2)下痢、(3)腹痛、(4)発熱、(5)皮膚の化膿性疾患等、(6)耳、目又は鼻からの分泌(感染性の疾患等に感染するおそれがあるものに限る。)、(7)吐き気及びおう吐
  •  ○ 営業者は、食品等取扱者の健康状況の把握を行うとともに、あらかじめ上記症状が認められた場合には製造・調理作業に従事させない等の対応を定めておき、速やかに判断できるよう体制を整えておくこと。
  • ニ 皮膚に外傷がある者を従事させる際には、当該部位を耐水性のある被覆材で覆うこと。また、おう吐物等により汚染された可能性のある食品又は添加物は廃棄すること。施設においておう吐した場合には、直ちに殺菌剤を用いて適切に消毒すること。
  •  ○ 被覆材が異物混入の原因とならないよう留意すること。
  • ホ 食品等取扱者は、食品又は添加物を取り扱う作業に従事するときは、目的に応じた専用の作業着を着用し、並びに必要に応じて帽子及びマスクを着用すること。また、作業場内では専用の履物を用いるとともに、作業場内で使用する履物を着用したまま所定の場所から出ないこと。
  •  ● 食品取扱者には、食中毒発生の未然防止の観点から、原則として衛生的な作業着、必要に応じて帽子、マスクの着用を求めるが、包装済み食品の運搬、保管等を行う運送事業者、冷凍冷蔵倉庫業者のように食品の外装カートン等に触れる業務を行う事業者に求めるものではないこと。
  •  ○ 「必要に応じて」とは、作業工程を考慮して、汚染防止のための措置として行うもので、たとえば直接喫食される調理済食品の詰め合わせ作業、盛りつけ作業等の際には、マスク及び帽子を着用すること。
  • ヘ 食品等取扱者は、手洗いの妨げとなる及び異物混入の原因となるおそれのある装飾品等を食品等を取り扱う施設内に持ち込まないこと。
  • ト 食品等取扱者は、手袋を使用する場合は、原材料等に直接接触する部分が耐水性のある素材のものを原則として使用すること。
  • チ 食品等取扱者は、爪を短く切るとともに手洗いを実施し、食品衛生上の危害を発生させないよう手指を清潔にすること。
  • リ 食品等取扱者は、用便又は生鮮の原材料若しくは加熱前の原材料を取り扱う作業を終えたときは、十分に手指の洗浄及び消毒を行うこと。なお、使い捨て手袋を使用して生鮮の原材料又は加熱前の原材料を取り扱う場合にあっては、作業後に手袋を交換すること。
  •  ○ 手洗いは、用便又は生鮮の原材料若しくは加熱前の原材料を取り扱う作業を終えたときだけでなく、作業する直前はもちろんのこと、作業中に汚染源となり得るものに手指が触れた場合も適宜実施すること。
  • ヌ 食品等取扱者は、食品又は添加物の取扱いに当たって、食品衛生上の危害の発生を防止する観点から、食品又は添加物を取り扱う間は次の事項を行わないこと。
    • (1)手指又は器具若しくは容器包装を不必要に汚染させるようなこと。
    • (2)痰又は唾を吐くこと。
    • (3)くしゃみ又は咳の飛沫を食品又は添加物に混入し、又はそのおそれを生じさせること。
  • ル 食品等取扱者は所定の場所以外での着替え、喫煙及び飲食を行わないこと。
  •  ○ 食品等取扱者が衛生的な作業着等に着替える目的は、汚染区域等に存在する外的要因から食品汚染を防止するためであり、更衣後屋外を移動することは適切ではないこと。
  •  ○ 製造、加工、調理中の食品の汚染防止の観点から食品取扱区域における飲食を行わないこととしており、体調管理のための水分補給を含めた飲食は、食品取扱区域外に飲食できる場所を設定する又は水分補給のための休憩時間を設定する等で対応すること。
  • ヲ 食品等取扱者以外の者が施設に立ち入る場合は、清潔な専用の作業着に着替えさせ、本項で示した食品等取扱者の衛生管理の規定に従わせること。

8.検食の実施

  • イ 同一の食品を1回300食又は1日750食以上調理し、提供する営業者にあっては、原材料及び調理済の食品ごとに適切な期間保存すること。なお、原材料は、洗浄殺菌等を行わず、購入した状態で保存すること。
  •  ● 検食の保存期間、保存方法等については、「大量調理施設衛生管理マニュアル」(平成9年3月24日付け衛食第85号別添最終改正:平成29年6月16日付け生食発0616第1号)を参考にされたいこと。
  •  ● 検食の対象は仕出し屋、弁当屋等の大量調理施設を想定して提供食数を規定しているが、同一の食品を1回300食又は1日750食に満たない量を調理し、提供する営業者においても、可能な範囲で検食の保存を行うことが望ましい。
  •  ○ 検食の保存期間及び保存方法については次のとおりとする。
  •   (1)同一の食品を1回300食又は1日750食以上調理し、提供する営業者
     大量調理施設衛生管理マニュアルに基づき、検食を食品の種類ごとに相互汚染のないよう専用の容器を用いて-20℃以下で2週間以上保存すること。
  •   (2)同一の弁当を1回300食又は1日750食以上製造するそうざい製造業の営業者
     (1)と同様に保存すること。
  •   (3)同一の食品を1回30食以上調理し、提供する営業者
     検食を食品の種類ごとに相互汚染のないよう専用の容器を用いて0℃以下で72時間以上保存するよう努めること。
  • ロ イの場合、調理した食品の提供先、提供時刻(調理した食品を運送し、提供する場合にあっては、当該食品を搬出した時刻)及び提供した数量を記録し保存すること。
  •  ○ その他、同一の食品を1回30食以上調理し、提供する営業者についても上記に準じて記録を行うことが望ましい。

9.情報の提供

  • イ 営業者は、採取し、製造し、輸入し、加工し、調理し、貯蔵し、運搬し、若しくは販売する食品又は添加物(以下この表において「製品」という。)について、消費者が安全に喫食するために必要な情報を消費者に提供するよう努めること。
  • ロ 営業者は、製品に関する消費者からの健康被害(医師の診断を受け、当該症状が当該食品又は添加物に起因する又はその疑いがあると診断されたものに限る。以下この号において同じ。)及び法に違反する情報を得た場合には、当該情報を都道府県知事等に提供するよう努めること。
  • ハ 営業者は、製品について、消費者及び製品を取り扱う者から異味又は異臭の発生、異物の混入その他の健康被害につながるおそれが否定できない情報を得た場合は、当該情報を都道府県知事等に提供するよう努めること。
  •  ○ 異味又は異臭の発生、異物の混入その他の苦情であって、健康被害につながるおそれが否定できないものに該当する例としては以下のものが考えられる(平成27年3月25日付け食と暮第783号環境生活部長通知)。
    • 1件又は少数の件数である段階では健康被害につながるおそれがあると直ちに判断できない場合であっても、類似する苦情が複数寄せられたこと等により、健康被害につながるおそれが否定できないと判断される場合。
    • 苦情の件数にかかわらず、食品等を喫食したことによる健康被害の自己申告を含む苦情を受けた場合。
    • 苦情の件数にかかわらず、金属片、ガラス片等の異物、病原微生物、食品等の製造等に用いられない化学物質等の混入の疑いなどに関する苦情を受けた場合。

 ○ 電話等口頭での報告を想定するものであるが、任意の書面による報告も認められる。

10.回収・廃棄

  • イ 営業者は、製品に起因する食品衛生上の危害又は危害のおそれが発生した場合は、消費者への健康被害を未然に防止する観点から、当該食品又は添加物を迅速かつ適切に回収できるよう、回収に係る責任体制、消費者への注意喚起の方法、具体的な回収の方法及び当該食品又は添加物を取り扱う施設の所在する地域を管轄する都道府県知事等への報告の手順を定めておくこと。
  •  ○ 食中毒、規格基準違反等の問題の発生時に備え、問題となった製品を回収するための連絡体制の整備、回収方法、行政への報告手順等をあらかじめ定めること。
  •  ○ 特に重篤な症状を発症した患者等がいるような場合には、速やかに情報伝達が行われるよう留意する必要がある。
  • ロ 製品を回収する場合にあっては、回収の対象ではない製品と区分して回収したものを保管し、適切に廃棄等をすること。

11.運搬

  • イ 食品又は添加物の運搬に用いる車両、コンテナ等は、食品、添加物又はこれらの容器包装を汚染しないよう必要に応じて洗浄及び消毒をすること。
  • ロ 車両、コンテナ等は、清潔な状態を維持するとともに、補修を行うこと等により適切な状態を維持すること。
  • ハ 食品又は添加物及び食品又は添加物以外の貨物を混載する場合は、食品又は添加物以外の貨物からの汚染を防止するため、必要に応じ、食品又は添加物を適切な容器に入れる等区分すること。
  • ニ 運搬中の食品又は添加物がじん埃及び排気ガス等に汚染されないよう管理すること。
  • ホ 品目が異なる食品又は添加物及び食品又は添加物以外の貨物の運搬に使用した車両、コンテナ等を使用する場合は、効果的な方法により洗浄し、必要に応じ消毒を行うこと。
  • ヘ ばら積みの食品又は添加物にあっては、必要に応じて食品又は添加物専用の車両、コンテナ等を使用し、食品又は添加物の専用であることを明示すること。
  •  ○ 食品の一般名称等、食品専用と分かる記載があれば可であること。
  • ト 運搬中の温度及び湿度の管理に注意すること。
  •  ○ 危害要因分析の結果、科学的根拠に基づき温度及び湿度の管理が必要ないと判断されたものについて、管理を求めるものではないこと。
  • チ 運搬中の温度及び湿度を踏まえた配送時間を設定し、所定の配送時間を超えないよう適切に管理すること。
  • リ 調理された食品を配送し、提供する場合にあっては、飲食に供されるまでの時間を考慮し、適切に管理すること。

12.販売

  • イ 販売量を見込んで適切な量を仕入れること。
  •  ○ 業態に合わせて適切に販売すること。
  • ロ 直接日光にさらす等不適切な温度で販売したりすることのないよう管理すること。
  •  ○ 農産物についても、腐敗変敗を防ぐため、適切に販売すること。

13.教育訓練

  • イ 食品等取扱者に対して、衛生管理に必要な教育を実施すること。
  •  ○ 従事者への衛生教育は、講習会やOJT等施設に応じた方法で実施すること。
  • ロ 化学物質を取り扱う者に対して、使用する化学物質を安全に取り扱うことができるよう教育訓練を実施すること。
  •  ○ 過去に発生した化学物質による食中毒の原因として、洗浄剤、塩素剤などの残留、混入等がある。
  • ハ イ及びロの教育訓練の効果について定期的に検証を行い、必要に応じて教育内容の見直しを行うこと。
  •  ○ 衛生教育の効果の検証方法については、従事者の食品の取り扱い状況等を確認するための施設の巡回、従業員への聞き取り調査等施設に応じた方法とすること。

14.その他

  • イ 食品衛生上の危害の発生の防止に必要な限度において、取り扱う食品又は添加物に係る仕入元、製造又は加工等の状態、出荷又は販売先その他必要な事項に関する記録を作成し、保存するよう努めること。
  •  ● 食品ロスの削減の推進に関する法律(令和元年法律第19号)の趣旨に鑑み、必要量に応じた食品の仕入れ・製造・販売や製造過程での廃棄品を最小限にするための工程管理等、食品ロスを削減するための取組に努めること。
  •  ○ 必要な事項に関する記録は、原材料の購入伝票、製品の販売伝票等に代えることができること。
  • ロ 製造し、又は加工した製品について自主検査を行った場合には、その記録を保存するよう努めること。

2.食品衛生上の危害の発生を防止するために特に重要な工程を管理するための取組に関すること(食品衛生法施行規則別表第18(第66条の2第2項関係))

 食品衛生上の危害発生の防止のための取組

1.危害要因の分析

 食品又は添加物の製造、加工、調理、運搬、貯蔵又は販売の工程ごとに、食品衛生上の危害を発生させ得る要因(以下この表において「危害要因」という。)の一覧表を作成し、これらの危害要因を管理するための措置(以下この表において「管理措置」という。)を定めること。

  •  ● 施行規則別表第18における第1号から第7号までに掲げる基準は、コーデックス委員会のガイドライン(「食品衛生に関する一般原則」(CXC1-1969)で示されているHACCPの7原則に基づいていること。
  •  ○ HACCPに基づく衛生管理の対象である事業者について、12手順の最初の5手順(HACCPのチーム編成、製品説明書の作成、意図する用途及び対象となる消費者の確認、製造工程一覧図の作成、製造工程一覧図の現場確認)に関する書類の作成等は義務ではないが、危害要因分析を行うために必要と認められる範囲において製品説明書、製造工程一覧図等の作成を行うことが望ましい。
  •  ○ 製品説明書の記載事項
    • 原材料等の組成、物理的及び科学的性質、殺菌及び滅菌処理、包装、保存性、保管条件並びに流通方法等の安全性に関する必要な事項を記載することが望ましい。
    • 安全性に関する必要な事項の具体例は、添加物の使用基準、特定原材料の有無、法に基づく規格基準等、想定する使用方法、消費者層等のことである。
  •  ○ 製造工程一覧図の記載事項
    • 原材料受入から出荷までのすべての工程を記載すること。
    • 工程毎の温度及び時間等の管理基準、作業区分(清潔区域、準清潔区域、汚染区域)の別も記載することが望ましい。
  •  ○ 危害の原因となる物質の例は以下のとおりである。
    • 金属片、プラスチック片等の混入(物理学的危害要因)
    • 病原微生物の増殖、殺菌不足等(微生物学的危害要因)
    • 殺虫剤・洗剤の混入、添加物の不適切な使用(化学的危害要因)

2.重要管理点の決定

 前号で特定された危害要因につき、その発生を防止し、排除し、又は許容できる水準にまで低減するために管理措置を講ずることが不可欠な工程(以下「重要管理点」という。)を決定すること。

  • ● 危害要因分析の結果、重要管理点を定めないこととした場合は、その理由(考え方)を記載した文書を作成しておくこと。

3.管理基準の設定

 個々の重要管理点における危害要因につき、その発生を防止し、排除し、又は許容できる水準にまで低減するための基準(以下この表において「管理基準」という。)を設定すること。

  • ● 管理基準は、温度、時間、水分含量等の測定できる指標のほか、外観等の官能的指標の場合もあり得ること。

4.モニタリング方法の設定

 重要管理点の管理について、連続的な又は相当の頻度による実施状況の把握(以下この表において「モニタリング」という。)をするための方法を設定すること。

  • ● モニタリングに関する記録は、モニタリングの実施者及び責任者が確認した旨を記録すること。

5.改善措置の設定

 個々の重要管理点において、モニタリングの結果、管理基準を逸脱したことが判明した場合の改善措置を設定すること。

6.検証方法の設定

 前各号に規定する措置の内容の効果を、定期的に検証するための手順を定めること。

  •  ● 検証項目の例としては、モニタリング記録の検証、改善措置の内容に関する記録の検証、計測器機等の精度の確認、製品の微生物又は汚染物質等に関する抜き取り検査、施設の拭き取り検査等が考えられるが、営業者が必要に応じて適切な項目を設定すること。
  • ○ 検証の手順として、次のとおり検査を行うことが望ましい。

  (1)法第13条第1項の規定により成分の規格が定められている食品等を製造し、加工する営業者
    製造等した食品等が当該規格を満たしているかどうかについて年1回以上検査すること。

  •   (2)各衛生規範、食品等の収去検査業務の取扱いについて(平成15年4月7日付け生衛第11号)別表で示されている食品等を製造し、加工する営業者
     (1)と同様に検査を実施すること。    

7.記録の作成

 営業の規模や業態に応じて、前各号に規定する措置の内容に関する書面とその実施の記録を作成すること。

  •  ○ JFS、FSSC22000、ISO22000、みやぎ食品衛生自主管理認証制度(みやぎHACCP)等、HACCPに関してコーデックスと同様の要件を求めているものについては、「HACCPに基づく衛生管理」の要件を満たしていると考えられることから、事業者が作成した衛生管理計画の内容や実施状況の内容が基準を満たしており民間の認証機関から定期的な監視指導を受けている場合は、監視指導時に認証を取得した際の書類や記録、審査や監査の結果を提示することができる。

8.令第34条の2に規定する営業者

 令第34条の2に規定する営業者(第66条の4第2号に規定する規模の添加物を製造する営業者を含む。)にあっては、その取り扱う食品の特性又は営業の規模に応じ、前各号に掲げる事項を簡略化して公衆衛生上必要な措置を行うことができる。

  •  ● 施行規則第66条の4第2号に規定する営業者と同等の規模を有する添加物を製造する営業者にあっては、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の実施の対象となること。
  •  ● 小規模な事業者等にあっては、その取り扱う食品の特性又は営業の規模に応じ、施行規則別表第18第8号において「取り扱う食品の特性又は規模に応じ、前各号に掲げる事項を簡略化して公衆衛生上必要な措置を行うことができる」とあるのは、厚生労働省が内容を確認した手引書に則って衛生管理を実施することにより、HACCPに沿った衛生管理に適合するものとして取り扱うものであること。
  •  ○ 一つの事業場での従業員数については、前年度の各月の1日当たりの食品を取り扱う者の数の平均で算出し、一時的な人数が多い場合であっても、稼働月の平均が50人未満である場合は、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の対象とすることになること。

 (参考)
 各月の一日あたりの平均人数=(1か月の従事者全員の労働時間合計)÷{(1か月の歴日数(30日程度))÷7(日曜日)×5(日曜日)}÷8(時間)

  •  ○ HACCPに基づく衛生管理の対象か、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の対象かは、原則として、事業場単位で判断することとするが、許可業種の異なる各食品製造の担当者を専任にする等、明らかに各食品の製造体制を分けることができるのであれば、それぞれの食品製造の状況で判断することは可能であること。
  •  ○ 手引書がまだ作成されていない業種については、食品等事業者が類似業種の手引書を参考に衛生管理計画の作成、記録の実施を行うことができること。
  •  ○ 一つの施設で複数の許可を取得している場合、参考にした手引書が複数あるからといって、必ずしも複数の衛生管理計画を作成する必要はない。
  •  ○ また、手引書は、食品等事業者が衛生管理を実施するにあたり、最低限必要だと考える内容を記載しているものであるが、公衆衛生上の問題が生じないと判断される場合は施設に応じた頻度を設定することとして差し支えない。

 

●:令和元年11月7日付け生食発1107第1号及び,令和2年1月17日付け薬生食監発0117第1号による規定

○:本県にて規定する運用上の留意事項

お問い合わせ先

食と暮らしの安全推進課食品安全班

宮城県仙台市青葉区本町3丁目8番1号13階南側

電話番号:022-211-2644

ファックス番号:022-211-2698

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