みやぎ高度電子機械産業振興協議会/活動紹介/令和2年度航空宇宙市場セミナー
活動紹介/令和2年度航空宇宙市場セミナー
令和2年11月26日(木曜日)に、TKPガーデンシティ仙台にて、「令和2年度航空宇宙市場セミナー」を開催しました。
講演
講演1 『アフターコロナの航空機産業の展望とAeroEdgeの経営戦略』
【講師】 AeroEdge(株) 取締役兼執行役員CTO 水田和裕 氏
【要旨】
- 菊池歯車から分社化して2016年に設立、仏のエンジンメーカー サフラン社のサプライヤーに日本企業として初めて選定された。長期契約を締結し、エアバスA320neo・ボーイング737maxに搭載されるLEAPエンジンのチタンアルミ製低圧タービンブレードを供給している。
- 仕事を獲得するために単なる量産案件ではなく、新しい技術で獲得したいというのがAeroEdgeの姿勢。現時点では一見優位に見えない技術が10年後に革新を起こす可能性があり、「やる」より「やらない」方がリスクと考えるのがAeroEdgeのやり方。
- R&D分野では積層造形(AM)やチタンアルミ合金の鋳造技術に注目しており、AM分野では首都大学東京、鋳造技術では物質材料研究所(NIMS)と共同研究を行っている。AMは今の形状のまま既存の加工方法から造形に置き換えるだけでは意味がなく、AMだからこそ出来る形状に設計出来るかどうかが鍵になる。この設計能力を持つ企業は現状では少なく、中小ベンチャーにはイノベーションを起こすチャンスであると認識している。
講演2 『JAXAから生まれる新たなビジネス』
【講師】 JAXA角田宇宙センター 特任担当役 吉田誠 氏
【要旨】
- JAXAでは現在H3ロケットの開発に取り組んでいる。H2A、H2Bはエンジンのマイナーチェンジのみだったので、本格的な開発はH2以来30年ぶり。角田宇宙センターではLE-9エンジンの開発を担当している。
- 宇宙分野への民間企業の参入は進んでおり、スペースX社のクルードラゴンのように、アメリカではロケット打ち上げはNASAではなくほとんど民間企業で行っており、ロケットやエンジンのリサイクル技術も進んでいる。
- JAXAでも新事業促進部を立ち上げ、民間企業と共同で宇宙関連事業の創出を目指す研究開発を進めている。東北の企業では宮城県の(株)ワンテーブルが防災用・宇宙用の両方に活用出来る食品(ゼリー)の開発に取り組んでいる。