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キャベツの長期無追肥育苗による生育斉一化技術(PDF:220KB)
バイオテクノロジー開発部 資源開発利用チーム
TEL:022-383-8131
当所で提案している「寒玉系キャベツの夏まき冬どり栽培技術体系(第90号普及技術)」では,育苗・定植時期(7~8月)に高温乾燥や大雨等の天候不順が起こりやすく,初期生育不良等の問題が頻繁に発生します。そこで,夏期の生育安定とその後の生育をそろえる技術として,長期無追肥育苗を提案します。
「長期無追肥育苗」は,キャベツをセルトレイ育苗する際,肥料成分を含まない水だけを施用し,育苗日数を慣行育苗(25日程度)よりも長く(概ね45日以上)管理する方法です。
この育苗方法は,キャベツやブロッコリーの生育に不適な条件下で,初期生育を安定させる技術として知られています。また,かん水を続けていれば,苗は長期間維持できるため,天候等によって定植作業が遅れても,定植後は慣行育苗と同様に生育します。
長期無追肥育苗によって葉は固く葉色は淡くなり,いわゆる「老化苗」の状態になりますが,慣行育苗より葉数や草高のばらつきが少なくなり,苗質がそろいます(図1)。
写真1 慣行育苗(左)と長期無追肥育苗(右)
また,長期無追肥育苗は,慣行育苗より収穫球の重さのばらつきが小さくなります。この効果は,作型や品種の早晩性に関わらず認められます(表1)。
表1 キャベツの育苗条件の違いが収穫球に及ぼす影響(2014年)
育苗条件は慣行育苗と同様とします。セルトレイの種類は128穴又は200穴が適し,かん水は直上散布で構いませんが,セルトレイ底面から根部が出ないようにベンチ上または遮根状態で育苗します。また,病害虫防除は慣行育苗と同様に行うことをお勧めします。播種・育苗の作業は,定植時期に合わせて慣行育苗よりも早めに開始し,地域ごとの定植適期の晩限を必ず守ることも重要です。
より詳しい内容は「普及に移す技術」第93号(平成30年発行)「キャベツの長期無追肥育苗による生育斉一化技術」を御覧ください。
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