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普及技術(平成28年度)
分類名〔家畜〕
肉用牛集団育種推進事業による和牛産肉能力検定は,優れた宮城県産の種雄牛を造成し地域の肉用牛の改良を推進するため実施されている。産肉能力検定の結果,宮城県肉用牛改良委員会で「茂洋美」と「洋勝忠」が選抜され基幹種雄牛となったのでその特性を示し普及技術とする。
なお,平成28年8月から家畜人工授精用凍結精液が配布されており,県内で保留されている気高系,藤良系及び田尻系を父に持つ母牛等への交配利用が期待されている。
1)和牛産肉能力検定済み種雄牛「茂洋美」と「洋勝忠」を基幹種雄牛とする。
写真1 「茂洋美」
写真2 「洋勝忠」
2)特性等
a「茂洋美」は父に「茂洋」,母の父に「勝忠平」,母の母の父に「平茂勝」を持つ血統であり,茂金系,気高系からなる血統構成の肉質肉量兼備型の種雄牛である。一方,「洋勝忠」は父と母の父は「茂洋美」と同じで,母の母の父に田尻系の「神高福」を持つ血統で,より肉量重視型の種雄牛である(表1,表2)。
b「茂洋美」の産子は,現場後代検定の結果から,枝肉重量,ロース芯面積,バラの厚さ,脂肪交雑に秀でており,とくに脂肪交雑の平均8.6は歴代最高成績である。一方,「洋勝忠」の産子は,枝肉重量,ロース芯面積,脂肪交雑に秀でており,とくに枝肉重量の平均512.4kgは歴代最高成績である。また子牛の発育においては共に優れた発育値が期待できる(表2,表3)。
表1 生年月日,産地,血統,特性(優点,欠点)
表2 現場後代検定
(問い合わせ先:宮城県畜産試験場酪農肉牛部電話0229-72-3101)
「茂洋」を父牛に持つ繁殖雌牛との交配は近交係数が高くなるので,注意を要する。
1)研究課題名及び研究期間
肉用種雄牛の検定(平成23~28年度)
2)参考データ
表3 和牛産肉能力直接検定成績
図1「茂洋美」の標準化育種価(SBV) 図2「洋勝忠」の標準化育種価(SBV)
3)発表論文等
a関連する普及に移す技術 なし
bその他 なし
4)共同研究機関
全国和牛登録協会宮城県支部
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