トップページ > しごと・産業 > 農業 > 技術支援 > 普及に移す技術 > 第92号 > 普及に移す技術第92号/普及技術4

掲載日:2017年5月1日

ここから本文です。

普及に移す技術第92号/普及技術4

選択 一覧に戻る

普及技術(平成28年度)

分類名〔畑・特用作物〕

糯性で精麦白度が高い六条大麦奨励品種「ホワイトファイバー」

糯性で精麦白度が高い六条大麦奨励品種「ホワイトファイバー」(PDF:112KB)

宮城県古川農業試験場

1 取り上げた理由

近年,糯性大麦は血中コレステロールの正常化や血糖値上昇抑制などの機能性をもつとされるβ-グルカンを多く含むことから需要が高まっている。実需者は,消費者の国産農産物志向が強いことから,現在ほとんどが外国産である糯性大麦製品の原料を国産に切り替えたい意向がある。このような意向を踏まえ,長野県農業試験場で糯性六条大麦「ホワイトファイバー」が育成さた。実需者から六条大麦主産県である本県に対して糯性六条大麦の作付が強く要望されている。
「ホワイトファイバー」は糯性でβ-グルカン含有率が粳種より高く,精麦白度も「シュンライ」より高く,多収であることから奨励品種に指定されたので普及技術とする。

2 普及技術

  • 1)来歴
    「ホワイトファイバー」は平成9年度に長野県農事試験場(現:長野県農業試験場)において,早生,多収,耐雪性,糯性を育種目標として,「東山系糯437」を母,「東山皮96号(後のファイバースノウ)」を父とした人工交配から育成された品種である。
  • 2)特性の概要
    • a 出穂期は「シュンライ」より1~2日遅く,成熟期は同程度~1日遅く,宮城県での早晩性は“早生”である(表1)。
    • b 稈長と穂長は「シュンライ」より長く,穂数は「シュンライ」と同程度である(表1)。
    • c 「シュンライ」より多収である(表1)。
    • d 容積重は「シュンライ」と同程度,千粒重は「シュンライ」より小さく,外観品質は「シュンライ」と同程度~やや優れる(表1)。
    • e 硝子率は「シュンライ」より低く,55%精麦白度が「シュンライ」より高い(表2)。
    • f 糯性でβ-グルカン含有率が「シュンライ」より高い(表2)。
  • 3)対象地域等
    普及見込み地帯・普及見込み面積山間丘陵地帯を除く県下一円に150ha

3 利活用の留意点

  • 1)赤かび病抵抗性が「シュンライ」と同じ“やや弱”なので適期防除に努める。
  • 2)穂発芽性が“中”なので,刈り遅れによる品質低下を避けるため,適期収穫に努める。
  • 3)その他
    大麦は血中コレステロール正常化作用,食後血糖値上昇抑制作用などの機能性を有することが(公財)日本健康・栄養食品協会により発表されている。これらの機能性は大麦に含まれる食物繊維の内,水溶性食物繊維の主成分であるβ-グルカンが豊富に含まれていることが要因とされている。大麦は他の穀物と比較して水溶性食物繊維量が多いが,糯性大麦は粳性大麦よりもさらに水溶性食物繊維量が多い。

(問い合わせ先:宮城県古川農業試験場水田利用部電話0229-26-5106)

4 背景となった主要な試験研究

  • 1)研究課題名及び研究期間
    麦類・大豆の加工適性を重視した品種選定と栽培法の確立(平成23~27年)
  • 2)参考データ
    表1 特性一覧
    特性一覧
    表2 品質試験成績
    品質試験成績
  • 3)発表論文等
    • a関連する普及に移す技術 なし
    • bその他 平成28年度東北農業研究成果情報
  • 4)共同研究機関 なし

農業系三場所に戻る

お問い合わせ先

農業・園芸総合研究所企画調整部

名取市高舘川上字東金剛寺1(代表)

電話番号:022-383-8118

ファックス番号:022-383-9907

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

information retrieval

このページに知りたい情報がない場合は