仙南の農道をゆく～県営一般農道「八巻矢城線　ガッタリ街道」～棚田

4.棚田

八巻矢城線には、棚田が多い。阿武隈川沿いは急峻な山が迫っており、この山を転げ落ちるように急な沢が阿武隈川に流れこんでいます。この沢沿いに水田が張りついているため、どうしても棚田にならざるをえないのです。

特に見事な棚田は、男ガッタリがある地点から東側にある棚田です。農道からは見上げる形になるため、見逃しやすいのですが、沢沿いの細い道路を上って、人家がある頂上付近や中腹から見るとその全貌がうかがえ、水田ちょうど一枚ずつ段々になっているのがよくわかります。日本の棚田百選に選ばれている近隣の「沢尻棚田」のように石垣づくりの棚田ではなく、きちんと近年になって整備した棚田なのでのり面もしっかりしており、水田一枚の大きさが大きい。沢尻棚田と比較して見ると面白いかもしれません。この棚田は所有者が一枚一枚冬季間の仕事に少しずつ田んぼを大きく直していったそうです。大変だったでしょうね。

平成15年春には、この棚田の下段で宮城教育大学民族舞踊研究会「びっきー」による東北各地の伝統舞踊が演じられたほか、大学生による田植えが行われ、秋には集落をあげた収穫祭が行われる予定です。

田植えや稲刈り前後の風景を見てみたいところですが、頂上部に人家ありますので、交通のじゃまや迷惑にならないように注意して見学して下さい。

農道側から見上げた状態頂上部