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ガッタリとは、落水を利用した唐臼、「水唐臼」【みずからうす】のことです。シーソー式の「鹿おどし」と同じ原理で動く穀類などを精製、粉砕する器具です。【とうす】ではなく、ここでは【からうす】と読みます。ガッタリは水唐臼の地方名で「バッタリ」、「バッカリ」と呼んでいる地方もあります。不思議なことにガッタリは、地域限定の名前ではないらしく、滋賀県多賀町、長野県白馬村(日本の棚田百選「青鬼の棚田」がある)などでも同じ名前で呼ばれていて、地域のシンボルとして保存されています。ガッタン、バッタンという音は印象深く、全国的に名前にしやすい音なのでしょう。
唐臼は、その名の通り、中国大陸から直接または朝鮮半島を通じて伝来した可能性が高く、特に安土桃山時代以降、磁器製造技術の伝搬に伴って全国各地に普及したようです。この頃にあった歴史的事実といえば、豊臣秀吉の朝鮮出兵。この時、参戦した各大名が陶工を日本に連れてきていて、有田、伊万里などの有名な磁器産地はこの頃が起源といわれています。磁器製造には、陶石を必要としますが、これを粉砕するために唐臼を利用しました。唐臼は、人力で動かす形式が最初で、伝来した当初から水を利用した唐臼「水唐臼」だったかどうかは不明ですが、人力が最初に伝来し、水力を利用したのはその後と考えるのが普通でしょう。
陶器の砕石用の水唐臼で有名なのが、大分県日田市小鹿田焼(おんたやき)の唐臼。谷間の沢でギーッ、バタンと音をたてる風景は「日本の音風景100選」にも選ばれています。
後方のくりぬいた部分に水がたまる
前方が持ち上がり水を流すと杵が石臼を突く
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