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長沼ダムは,南谷地遊水地と併せて迫川の洪水調節,長沼川の正常な機能の維持,および長沼の湖面利用(レクリエーション)を目的として建設している総貯水容量3,180万立方メートルの多目的ダムです。
長沼ダムの洪水調節は,現存の県内2位の大きさを持つ長沼を利用し,迫川の洪水を導水路で導き,ダム地点の計画高水流量毎秒1,700立方メートルのうち毎秒600立方メートルを長沼ダム。毎秒300立方メートルを南谷地遊水地。合計毎秒900立方メートル洪水調節し,迫川下流域の洪水被害を軽減するものです。
ダムは主ダム(均一型アースダム)堤高15.3m,鞍部ダム(均一型アースダム)堤高9.5m梅ヶ沢副堤(堤高9.7m),滝沢副堤(堤高9.6m)の4基のダムで構成されています。
また,迫川の洪水を長沼へ導水する施設として,越流堤長さ580m,導水路2,700mの整備をおこなっております。
また,湖面の有効利用として漕艇場(国際A級2,000)コース整備を宮城県教育庁と共同施行でおこなっております。
平筒沼は,遊歩道と浮き桟橋が整備されて散歩や散策が楽しめる公園です。四方を自然林に囲まれていて春は桜,夏はスイレンやハス,秋には紅葉,冬には白鳥などの渡り鳥が飛来する風情豊かなところです。
荒川サイフォン(平成5年竣工)は,長沼ダムと迫川を結ぶ導水路計画により交差することとなった,一級河川荒川を地下に潜らせたものです。その構造は,幅6m,高さ5m,延長216.5mの函渠の6函配置(全延長は241.5m)となっており,荒川の流下能力を確保しています。
南谷地遊水地は,長沼ダムと併せて迫川の洪水を調節し,下流域の洪水被害を軽減させるために計画されたものです。
遊水地の越流堤流入部は,幅2.5m,高さ0.62mの木製の扉120門が配置され,常時は錘重(すいじゅう:重り)により閉扉していますが,洪水時は水圧により自動的に転倒し,洪水を遊水地へ流入させる構造となっています。
半世紀前(昭和31年竣工)に造られ,動力源や人的操作を必要としないこの施設は,現在もその動作機能を有し,来るべき災害に備えています。
錐重(上方から撮影)
木製の扉
登米大橋は,登米市登米町寺池三日町地内~登米市登米町日根牛地内に位置する,一級河川北上川を横過する国道342号の河川橋梁です。
登米市登米町の北上川に「橋」が懸かったのは大正6年のこと。山田義三郎氏を中心に架橋組合が組織され,長さ117間の『舟橋』によって登米町上町~日根牛舟場が繋がりました。大正15年,「来神橋」と呼ばれていたこの『舟橋』を登米町が買収し,その後,宮城県が管理しています。
『舟橋』とは,川に船を並べ,その上に桁を配置して踏板を敷いて通行に供した橋です。固定した橋脚がなく水上に浮きながら留まっているので,船が上下する度に橋が上下することになります。
現在,登米市域の北上川に懸かる錦桜橋と米谷大橋も,それぞれ「錦桜橋」,「楓橋」と呼ばれる民間の力で架けられた『舟橋』が前身であり,洪水による流出を期に,県による永久橋の設置へとつながることになります。
昭和20年,コンクリート床版橋(RCT桁)の登米大橋(長さ310m,幅4.8m)が完成し,昭和44年12月には幅1.5mの歩道橋が併設されました。
現在の登米大橋は,昭和53年6月の宮城県沖地震によって上部工が被災したため,昭和54年12月に鋼床版鈑桁に架け替えられたものです。
来神橋(船橋)(大正15年頃の撮影)
昭和20年完成の「登米大橋」建設状況
迫川は,北上川水系旧北上川の支川で,その流域面積は913平方キロメートルで宮城県の総面積の約13%を占めており,迫川,二迫川,三迫川の三河川からなっています。
宮城県内の主要河川における河口から50km地点の標高における高低差は,鳴瀬川40m,江合川55m,阿武隈川44m,北上川16mです。
それに対して迫川の中・下流部50Km地点(東北本線鉄道橋付近)は,高低差が7mしかない低平地にあります。
そのことから,昔から洪水があると甚大な被害を受けている県内屈指の難治河川であり,そのため迫川は藩政初期の時代から北上川と共に幾度となく河川改修が行われ,現在の川の姿を呈しています。
近年においては上流域へのダムや遊水地(南谷地,蕪栗沼)を配した治水計画が行われ,現在は長沼ダムによる治水事業が行われている歴史的にも土木技術的にも非常に価値の高い河川です。
昭和7年から14年にかけ,現在の登米市米山町山吉田から北上川分流地点である剣先までの32kmあった迫川を僅か11.7kmに短縮する新川開削事業が行われました。
その事業の主体である迫川の分岐のために,山吉田水門及び洗堰が新設されました。
本水門は全幅17.3mで手動式巻揚機八連を配し,洪水位の低下,旧迫川への洪水流入防止及び維持用水確保に半世紀以上経過した現在においても利用されております。
また8年かけて行われた新川開削の掘削土量は約440万立方メートルに上るが,その作業は短梯式開削機や馬力,人力等により行われていることから,先人達がいかに困難・苦難を乗り越え事業を成し得たかが伺い知れます。
人馬による掘削作業
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