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1ヘクタール(太陽光発電施設の設置を目的とする場合には0.5ヘクタール。以下同じ。)を超える面積の森林(注1)(保安林を除く。)を開発しようとするときは、知事の許可を受ける必要があります。
これら開発の対象となる森林の多くは私有財産ですが、なぜ私有財産である森林の開発に知事の許可が必要なのでしょうか。
(注1)「森林」・・・ここでいう森林とは、都道府県が定める「地域森林計画」において、「森林として使用することが適当」とされている民有林のことをいいます。この土地のことを「地域森林計画対象民有林」といいます。「民有林」とは、国有林を除いた森林を指します。
森林は確かにその所有者のものです。しかし、森林は私有財産であると同時に、土砂災害等の防止、水害の防止、水資源の確保、様々な生物の生息・生育場所や私達の保養の場としての環境保全機能等の公益的機能を有しています。
森林法では、この森林の持つ「公益的機能」を以下の4点に整理しています。
これらの機能により、私たちは、森林から多くの恩恵を受けています。また、これらの恩恵がなければ、私たちの日常生活は維持することができません。そして、これらの機能はいったん失われると、回復させることは非常に困難です。
私有財産であるからといって、無秩序な開発を行えば、森林の持つこれらの働きが失われ、周辺に土砂の流出等の災害や、洪水、あるいは水の枯渇等の深刻な被害をもたらすことになります。このように、他の人々の生命や財産に悪影響を与えるような行為は、厳に慎まなければなりません。
つまり、開発を行う場合は、他人に迷惑をかけないように、適正に行う必要があります。そのためのルールが、「林地開発許可制度」です。
森林において土地の形質を変更する行為(注2)(開発行為)であって、その面積が1ヘクタール(太陽光発電施設の設置を目的とする場合には0.5ヘクタール。以下同じ。)を超える場合に、許可が必要です。
森林所有者などが隣接又は近接した土地で共同で開発を行うときに、それぞれの人が開発する面積が1ヘクタール以下であっても、それら全体での開発面積が1ヘクタールを超える場合は、許可を要します。なお、道路だけを作る場合は、幅3メートルを超える道路で、面積が1ヘクタールを超える場合に許可を要します。
また、面積が1ヘクタール以下の森林を開発する場合で、樹木を伐採する場合は許可を要しませんが、市町村長へ届出(注3)が必要です。ただし、何年にもわたり開発を行う場合で、それぞれの土地の開発が1ヘクタール以下でも、全体で1ヘクタールを超える場合は林地開発許可申請が必要です。
※国や地方公共団体が行う森林の開発や、法律等に基づく公共性が高い開発行為は、許可を要しないとされていますが、これらの場合でも、適正な開発が実施されるよう、開発行為者は知事と事前に連絡調整を行うことになっています(宮城県林地開発許可制度実施要綱)。
(注2)「土地の形質を変更する行為」・・・森林を、土や石を掘り出したり、農地や事業用地等、森林以外の土地とすることを指します。なお、単に樹木を伐採するだけで、樹根を除去しない場合は、「土地の形質を変更する行為」に該当しないので、許可は不要です。ただし、市町村長に「伐採又は伐採後の造林の届出」をすることが必要です(森林法第10条の8)。
(注3)「届出」・・・「伐採又は伐採後の造林の届出」といいます。
開発行為は、森林の持つ公益的機能に配慮し、その機能を損なわないようにする必要があります。したがって、これらの公益的機能が低下することで、他人に迷惑がかかり、地域社会や自然環境との調和を欠いたような開発は、許可されません。
森林法では、開発行為を許可するに当たり、上記の4つの公益的機能に即し、以下のように規定しています(第10条の2第2項)。
開発しようとする森林が現に持つ機能に比べて、開発行為の結果が以下のどれにも該当しない場合、知事は開発行為を許可しなければなりません。
上記のおそれがないと認められる場合とは、以下に例示したような基準をクリアしている場合のことを示しています。
なお、具体的な許可の基準については、技術基準を御覧ください。
林地開発許可制度は,昭和49年10月から始まったものですが,宮城県内では,平成21年3月31日現在で,754件の許可を行い、およそ5600haの森林が開発されています(面積は当初許可時の面積の合計です)。また、国、地方公共団体等が行う開発行為で許可を要しないもの(知事と連絡調整を行う行為)の件数は606件で、面積はおよそ5200haとなっています。
東日本大震災以降は、復興需要による盛土材不足や、メガソーラー施設の設置のための許可件数、面積が増加しています。
森林において開発をしようとする方は、以下の内容を参考に、所定の手続を行ってください。
手続上、特に定められていませんが、以下の点については、申請に先立ち、担当窓口で相談していただくと、よりスムーズに手続を進めることができます。
事前相談の結果を踏まえ作成した「林地開発許可申請書(ワード:35KB)」を2部、添付書類を3部作成し、下の受付窓口に提出してください。
「事業計画書」、「資金計画書」の様式はこちら(事業計画書(ワード:55KB))、(資金計画書(ワード:31KB))
開発箇所の所在地 | 窓口(担当部署) |
---|---|
白石市、角田市、蔵王町、七ヶ宿町、大河原町、村田町、柴田町、川崎町、丸森町 |
大河原地方振興事務所 |
仙台市、塩竈市、名取市、多賀城市、岩沼市、冨谷市、亘理町、山元町、松島町、七ヶ浜町、利府町、大和町、大郷町、大衡村 |
仙台地方振興事務所 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sdsgsin-r/index.html |
大崎市、色麻町、加美町、涌谷町、美里町 | 北部地方振興事務所 (林業振興部森林管理班) 〒989-6117 宮城県大崎市古川旭四丁目1番1号 電話:0229-91-0765 Fax:0229-91-0749 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/nh-sgsin-r/ |
栗原市 | 北部地方振興事務所 栗原地域事務所 (林業振興部森林管理班) 〒987-2251宮城県栗原市築館藤木5-1 電話:0228-22-2133 Fax:0228-22-5795 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/nh-khsgsin-r/ |
登米市 | 東部地方振興事務所 登米地地域事務所 (林業振興部森林整備班) 〒987-0511宮城県登米市迫町佐沼字西佐沼150-5 電話:0220-22-6125 Fax:0220-22-1604 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/et-tmsgsin-r/ |
石巻市、東松島市、女川町 | 東部地方振興事務所 (林業振興部森林管理班) 〒986-0861 石巻市あゆみ野5丁目7 電話:0225-95-1486 Fax:0225-23-3401 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/et-sgsin-r/ |
気仙沼市、南三陸町 | 気仙沼地方振興事務所 (林業振興部森林管理班) 〒988-0034 宮城県気仙沼市赤岩杉ノ沢47-6 電話:0226-24-8285 Fax:0226-24-8994 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/ks-tihouken-r/ |
通常、こちらのフロー(PDF:127KB)に従います(標準処理期間は80日(土日祝日及び補正期間は含まず))。
大規模な開発行為(10ヘクタール以上の森林の改変を行う場合)では、森林審議会の意見聴取が必要となりますので、さらに時間を要することが考えられます。申請書は、余裕をもって各窓口へ提出されるようお願いします。
許可を受け、開発工事に着手したときは、「林地開発行為着手届(ワード:35KB)」を提出してください。また、許可を受けたら、「林地開発許可標識(ワード:34KB)」を、開発箇所の見やすい位置に掲示してください。
開発行為においては、防災施設(開発目的によっては仮設でも可。)の設置を先行することとし、防災施設の設置完了を県の職員が確認した後にそれ以降の開発行為を行うことができます。
防災施設の設置が完了した場合には、「(仮設)防災施設の設置完了届(ワード:33KB)」を提出し、県の職員の確認を受けてください。
(令和5年4月1日以降に申請し、許可・変更許可を取得した案件に限る。)
許可された内容を変更する場合には、「林地開発変更許可申請書(ワード:38KB)」を提出し、変更の許可を受ける必要があります。
添付書類は、おおむね新規許可申請に準じたもので、変更内容に関係するものが必要です。
なお、開発の期間のみを変更する場合は、「林地開発行為期間延長届(ワード:36KB)」を提出してください。
開発行為の全部又は一部(工区を分けている場合)が完了したときは、「開発行為の完了(又は部分完了)届(ワード:32KB)」を提出してください。
完了届が提出されたら、県は現地確認を行い、申請内容どおり完了していると認められた場合、完了確認通知を行います。
以下の場合には、届出が必要です。
許可を受けた開発行為地については、随時履行状況の調査を実施しています。工事の進捗状況、防災施設の設置・管理状況、残置森林等の保全状況等を主に確認しています。
許可申請において、残置又は造成された森林は、開発が完了した後も、森林として善良に管理することが必要です。また、開発により設置された防災施設等も、それぞれ適正に管理する必要があります。
これらの管理がされないと、森林の持つ4つの機能が将来低下する可能性がありますので、本制度の趣旨を御理解いただき、適正に管理を行ってください。
開発行為が一旦完了した後に、その隣接部分を開発する場合は、当初の開発行為と新たな開発箇所を一体として捉え、全体で許可要件を満たすかどうかを検討しなければならない場合があります。
詳しくは、各受付窓口又は自然保護課みどり保全班までお問い合わせください。
林地開発許可制度は、森林の持つ公益的機能を確保するために設けられた制度です。したがって、本制度に違反する行為は、公共の福祉に悪影響を生じるおそれがあります。
違反者については罰則(森林法第206条)が設けられていますが、このほかに、知事は森林の持つ公益的機能の維持のため必要がある場合に、開発行為の中止を命じ、森林の機能維持に必要な復旧措置を行うよう命令することができます(森林法第10条の3)。これらの命令を行うことを「監督処分」と言います。
なお、監督処分による命令に従わない者についても、罰則が適用されます。
現在の森林法では、1ヘクタール以下の森林の開発の仕方については規制がないため、これらの開発が許可を受けることなく拡大された場合は、森林機能の低下による災害の発生等の危険性が急激に増大します。また、前にも記載したとおり、一旦失われた森林の機能を回復することは、とても困難です。
したがって、森林の違法な開発を未然に防ぐことが最も重要です。
無許可で1ヘクタールを超える森林の開発を行っていると思われる場合は、県の林地開発許可申請受付窓口又は自然保護課みどり保全班まで御連絡ください。
その際、以下の内容をお伝えいただけると助かります。
連絡方法は、手紙、電話、ファクシミリ又は電子メールでお願いします。
宮城県環境生活部 自然保護課 みどり保全班(林地開発許可担当)
〒980-8570 宮城県仙台市青葉区本町三丁目8-1(郵便番号とあて名のみで届きます)
電話:022-211-2676(直通) ファクシミリ:022-211-2693 電子メール:sizenm@pref.miyagi.jp
各受付窓口 受付窓口一覧を参照
このような違反開発を行った者に対しては、通常、知事は、失われた森林の機能を回復するため、監督処分又はそれに準ずる措置を行います。
この措置により、違反開発を行った者は、開発した森林が以前に有していた公益的機能を回復するのに必要な措置(防災施設の設置、開発箇所の植栽、緑化等)を実施することになります。
なお、違反行為者が開発箇所を復旧するに当たっては、通常の許可を得るのとほぼ同様の工事内容及び関係書類提出が必要になります。その上、予定していたとおりの開発ができない場合がほとんどです。
つまり、森林法に違反して開発することは極めて「割に合わない行為」であることがお分かりいただけると思います。
さらに、監督処分を受けた者は、氏名・住所、処分の内容等が公表されます。自然環境の保全について、社会的関心が高まっている現在、このような違反を行ったことが分かれば、社会的信用の失墜は避けられません。
このことからも、開発を行う方は、森林の開発面積が1ヘクタールを超える場合については、事前に許可を得るようにしてください。
※防災調整池設置指導要綱に基づく調整池を設置する場合は、当該基準を適用するものとする。
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