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1940年代後半から2000年頃にかけ、多くの日本人が不自然な形で行方不明となり、日本当局による捜査や亡命北朝鮮工作員の証言により、これらの事件は北朝鮮による拉致の疑いが濃厚であることが明らかになった。
平成14年9月の第1回日朝首脳会談において、北朝鮮当局は初めて拉致を認め謝罪し、再発防止を約束した。同年10月には、5名の拉致被害者が24年ぶりに帰国したものの、安否不明(国が認定している12名)の方々については、未だに北朝鮮当局から納得できる説明がされておらず、今なお全ての自由を奪われ、長きにわたり北朝鮮に囚われたままの状態で、現在も救出を待っている。日本政府は、帰国した5名を含む17名を北朝鮮当局による拉致被害者として認定しているが、この他にも、日本国内における日本人以外の拉致容疑事案や、「いわゆる特定失踪者も含め拉致の可能性を排除できない事案がある」とし、拉致の可能性を排除できない行方不明者は約900名近くいると言われており、宮城県関係の特定失踪者として3名がリスト公開されている。
日本国内では、平成9年に拉致被害者の御家族により「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)」が、平成29年には特定失踪者(拉致の疑いのある失踪者)の御家族により「特定失踪者家族会」が結成され、被害者の救出を求める運動が展開され、これまでに1,500万筆を超える署名が内閣総理大臣に提出されている。
国においては、北朝鮮による日本人拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、国の責任において解決すべき最重要課題と位置付け、その解決のためには、世論の一層の喚起が不可欠であり、特に若い世代に拉致問題への理解促進を図ることが重要であるとの認識の下、内閣官房拉致問題対策本部及び文部科学省から令和3年4月23日付けで「北朝鮮当局による拉致問題に関する映像作品等の活用促進について」が発出された。この通知は、児童生徒が拉致問題について深く認識し、拉致問題を人権問題として考える契機とするため、アニメ「めぐみ」及び映画「めぐみ」の学校等における上映を促進するよう、また、政府の拉致問題対策本部が毎年実施している、全国の中高生を対象とした「北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール」への参加についても、都道府県教育委員会を通じて学校等の関係機関に周知することを求めたものである。
よって、本県議会は、一日も早い拉致被害者全員の救出に向けて、アニメ「めぐみ」、映画「めぐみ」、「拉致被害者御家族ビデオメッセージ~必ず取り戻す!愛する家族へ~」、拉致問題啓発舞台劇公演「めぐみへの誓い―奪還―」、「北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクール」などを通じて拉致問題を知り、北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深めるための取組を推進する。
右、決議する。
令和3年12月15日
宮城県議会
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