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平成16年2月に第300回宮城県議会記念決議を行ってから、10年余りが経過した。
地方分権一括法の制定以降、地方分権改革が進展し、議会制度についても数度にわたる地方自治法の改正により、議会の権限、機能が強化されてきた。本県議会でも議会基本条例を制定し、その具現化に取り組むなど、議会改革を精力的に実施し、全国的に高い評価を受け、本県議会への期待と役割はますます高まっている。
一方、県政を振り返ると、市町村合併による新たな自治体の誕生、仙台空港アクセス線の開通、東北楽天ゴールデンイーグルスの誕生や自動車関連産業の県内誘致など、県民の生活に深く関わるさまざまな出来事があった。この10年間に本県は発展し、本県議会も大きな役割を果たしてきた。
他方、岩手・宮城内陸地震を初めとする自然災害も相次ぎ、特に平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、最大震度7の揺れと巨大津波により死者・行方不明者が1万人を超し、これまで営々と築き上げてきた郷土が一瞬にして壊滅する未曾有の大惨事となった。
県民一丸となって、復旧・復興に当たってきた結果、徐々に復興が進捗しつつある。しかし、いまだ多くの県民が仮設住宅での生活を余儀なくされるなど、復興への道のりは、未だ道半ばの状況である。
東日本大震災からの復旧・復興には、今後とも更なる困難な課題の発生が予想されるが、本県議会は、被災者・被災地に寄り添いながら、復旧・復興を一刻も早く成し遂げるとともに、県民の負託と信頼に応え、我が郷土をさらに発展させるため、憲法に定められた地方自治の本旨に立ち、全力を尽くすことをここに決意する。
第350回宮城県議会に当たり、右、決議する。
平成26年11月26日
宮城県議会
東日本大震災により、本県の多くの医療機関は壊滅的な被害を受け、被災地における医師不足はこれまで以上に深刻化した。震災復興に取り組む中で、住民の生活の基礎となる地域医療体制を確保するためには、医師の絶対数を増やし、医師の地域偏在を解消する抜本的な対策が必要である。このためには、医学部の新設による中長期的な医師の確保が必要である。
このことから、本県議会は平成24年7月に「医学部新設に関する意見書」を提出し、国に対して医学部の新設を求めていたところ、東北地方に1校に限定して、医学部の設置が認められた。現在、国の東北地方における医学部設置に係る構想審査会において本県からの2件を含む3件について審査が行われているところである。
医学部の新設は、被災地医療の再生にとって最大の課題である医師不足と偏在の解消を図り、地域医療の再生とともに、東北の被災地のまちづくりに寄与する等大きな効果が期待される。
よって、本県議会は、東日本大震災により最大の被害をこうむった宮城県に医学部を新設することを心から希望するとともに、早期の設置に向けた支援を行うものである。
右、決議する。
平成26年7月3日
宮城県議会
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