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国際リニアコライダー(以下、「ILC」という。)は、世界最大規模の直線型加速器を整備し、宇宙の起源創造の解明を初め、人類存在の核心に迫る謎を究明する研究施設であり、日本が世界に、そして人類に対して大きく貢献することのできる施設である。
また、基礎科学の研究に飛躍的な発展をもたらし、世界最先端の研究を行う多くの人材が定着・交流する国際科学技術イノベーション拠点の形成や、精密実験を支える先端産業の集積につながるものであり、科学技術創造立国の実現や高度な技術力に基づくものづくり産業の成長発展に大きく寄与し、日本再興や地方創生に資するものである。
ILCの国内誘致に向けては、研究者・自治体・民間団体等が一体となって取り組んできたところであり、国の有識者会議の検討を終え、日本学術会議での検討が始まるなど、国においての議論も活発化している。
一方で、ILCの誘致については、莫大な建設費用が大きな課題とされており、国においても慎重な検討が進められてきたが、昨年11月にカナダで開かれた国際将来加速器委員会(ICFA)において、直線距離を短縮し、施設を段階的に建設する新計画が承認された。この計画により、費用面での課題が解消することが期待されている。
来年には、欧州において次期欧州素粒子物理学五カ年戦略の検討が始められる。欧州を初めとした世界各国からILC計画への参加、協力を得ていくためにはこの戦略にILC計画が盛り込まれなければならず、そのためにも国が誘致に前向きな方向性を早期に打ち出すことが必要不可欠である。
よって、本県議会は、国に対し、我が国の成長戦略に貢献し、世界に開かれた科学技術の発展と地方創生の原動力となるILC誘致について前向きな方向性を早急に打ち出すよう強く求めるとともに、誘致実現に向けた活動を強力に推進し、ILC計画への国民の理解を深め、全国的な機運醸成が図られるよう全力で取り組むものである。
右、決議する。
平成30年10月18日
宮城県議会
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