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作物保護部 虫害制御班 TEL:0229-26-5108
斑点米被害をもたらすカメムシ類の1種であるクモヘリカメムシは,宮城県南部が生息域の北限とされていますが,地球温暖化による分布域の拡大が懸念されています。そこで,県内におけるクモヘリカメムシの生息分布調査を行い,クモヘリカメムシの推定生息域について明らかにしました。
冬期の気温とクモヘリカメムシの発生状況から,発生確率を算出する式を作成し,推定生息域を作成しました(図1)。
図中で色の濃い地域ほどクモヘリカメムシが発生する確率が50%を超える頻度が高く,毎年安定的にクモヘリカメムシが発生すると推定される地域となります。
最近10年間でクモヘリカメムシが確認された地域は白石市,蔵王町,丸森町,角田市,大河原町,柴田町,村田町,山元町,亘理町,名取市であり,10年間で6回以上発生確率50%を超える地域でクモヘリカメムシが確認されています。
1980年代から最近10年間までの生息域の推移について,1980年代から1990年代にかけて生息域は県南部全域に大きく拡大しましたが,90年代と比較すると最近10年間では生息域の北上は起きていないと推測されました。
図1 過去10年間のうち生息確率50%を超えた回数
注)作図において農研機構・農環研メッシュ農業気象データおよび国土数値情報行政区域データを利用した。
今後クモヘリカメムシのモニタリングを実施する際は,発生頻度が高い地域や,過去に生息が確認された地域と隣接する地域などに注意して,生息域の拡大に警戒してください。
より詳しい内容は「普及に移す技術」第92号(平成29年発行)「クモヘリカメムシの推定生息域」をご覧ください。
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