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松島湾に浮かぶ大小さまざまな島から構成される浦戸諸島。その一つ、桂島で水産加工品やお弁当づくりに励む「がんばる浦戸の母ちゃん会」の内海さんにお話を伺いました。
——活動を始めたきっかけは?
東日本大震災後、浦戸諸島には多くの復旧工事関係者やボランティアが訪れました。その方々にお礼をしたいと思い、地元の海産物を使った家庭料理でおもてなしをしました。この料理が好評で、当時ボランティアで東京から来ていた大学の方の提案を受け、大学祭で出品してみたところ、長蛇の列ができるほどで、すぐに売り切れました。
いつしか復興への感謝の気持ちとともに、浦戸諸島で獲れた自慢の海産物をより多くの方々に知ってもらいたいと思うようになりました。そうすれば震災の影響で減った観光客などを呼び込み、地域の活性化にも繋がると考えました。ただ当時は、もうけ度外視で行っており、これでは継続的な活動は行えません。そこで平成28年7月に、地域の枠を越えて浦戸諸島の母ちゃんたち33人が集まり、合同会社を設立しました。
——活動の内容は?
私たち浦戸の母ちゃんは、元々ノリやカキの養殖漁業をなりわいとしているため、活動時期はその繁忙期を除いた3月から9月頃までです。
活動のコンセプトは「島のおすそわけ」。養殖が一段落した時期の朝、漁港近くの番屋(作業場)に集まり、地元で生産されたノリやカキを使用した水産加工品や、同じく地元で採れた海産物、農産物を使ったお弁当、オードブル作りに励みます。
水産加工品は、各家庭で作っていた自慢のレシピを持ち寄り、試行錯誤を重ねて商品化しました。本土の販売店のほか、県外を含む各地のイベントで提供しています。
お弁当などは、桂島には食事処がないこともあり、島外から訪れる方々に提供しているほか、地元住民のさまざまな会合や行事などにご活用いただいています。最近では、活動を応援してくれる遠方の方からも注文が入るようになり、贈答用商品の販売も始めました。
——大変だったことは?
震災により浦戸諸島も大きな被害を受けました。住居やなりわいを失い島外に出て行く人もおり、200人程いた島の人口は120人程と約4割も減少しました。
まずは自分の生活再建が優先という中で、無償に近い活動だったこともあり、家のためにならないと言われることもありました。活動していくうちに、なんとか地元を少しでも活気づかせたいという思いに賛同が集まり、島民の皆さんの理解と協力を得られて活動ができていると思います。
——今後の目標は?
震災直後は復興支援の方々が多く訪れていましたが、時間の経過と共に減っています。より多くの方に浦戸諸島のことを知ってもらい、継続的に人を呼び込むために、桂島にはない常設の食事と休憩の場所、お土産販売所を設置したいと思っています。そのためにも、人手や販路などを安定的に確保し、運営を軌道に乗せる必要があります。
時には母ちゃんたちとお茶を飲みながら細く長く活動を続け、地域に元気を呼び込み、浦戸ならではののどかな暮らしを守っていければと思っています。
【写真の説明】
がんばる浦戸の母ちゃん会
代表 内海 みなこさん
http://uratomothers.com/(がんばる浦戸の母ちゃん会)(外部サイトへリンク)
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