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園芸作物において的確に病害診断を行うことは,効果的な薬剤の使用や,病害の蔓延を防止するために非常に重要です。特に,植物のウイルス病については,目視では生理障害と見間違えたりすることや,伝搬方法がウイルスにより異なることなどから,的確に診断し,対策を講じることが必要です。農業・園芸総合研究所では,このように目視での診断が難しい植物ウイルス病害等について,その病原体に特有の遺伝子を検出する遺伝子解析技術を開発し,診断を行っています。
植物ウイルス等の診断については,平成31年1月から令和元年12月までの一年間に普及センター等から持ち込まれた診断依頼が25件(野菜12,花き13件)あり,そのうち19件(野菜9,花き10件)でウイルス等が検出されました。また,植物ウイルス診断以外でも,アブラナ科野菜根こぶ病菌の土壌中の菌密度を遺伝子診断によって定量化する技術や,イチゴに感染した炭そ病菌を迅速に検出できる遺伝子診断技術の開発などにも取り組んでいます。
国内で報告のある病害虫の中には,まだ宮城県内で侵入が確認されていないものもあり,今後このような病害虫が県内で発生した場合でも,迅速に診断できるよう技術開発に取り組んでいく予定です。
写真左:カボチャで発生したズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)。葉にモザイク症状が見られる。
写真右:シクラメンで発生したアイリスイエロースポットウイルス(IYSV)。花にかすれ症状が見られる。
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