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リアルタイムPCR法を用いたアブラナ科野菜根こぶ病菌の簡便・高感度検出(PDF:146KB)
アブラナ科野菜根こぶ病の防除対策には,土壌中の菌(休眠胞子)密度を把握することが大切です。従来法(蛍光顕微鏡を用いた形態識別による測定法)は,菌の識別に熟練が必要な上に,検出感度が低い問題点がありました。そこで,遺伝子診断技術の一つであるリアルタイムPCR法(qPCR)を用いた菌密度の測定法について検討しました。
根こぶ病菌に特異的なDNA塩基配列を検出できるプライマー,プローブを利用してqPCR解析を行うことで,従来法よりも簡便かつ高感度な検出が可能になりました。検出作業は,DNA抽出,サンプル調整,qPCR解析の順で行い,約3時間半で根こぶ病菌DNA量の指標であるCt値を得ることができます(図1)。標準サンプルのCt値と乾土1g当たりの根こぶ病菌DNA量および休眠胞子数の間には高い相関があるため,Ct値から休眠胞子数を推定することができます(図2)。本法の検出限界は,乾土1g当たり休眠胞子数10²個と,従来法(同10⁴個)より100倍高い感度での検出が可能です。
図1 根こぶ病菌定量検出の流れ
図2 標準サンプルのCt値と休眠胞子数の関係(検量線)
本法により土壌中の菌密度を推定でき,ほ場間比較や土壌消毒効果の確認等に活用できます。土壌抽出DNAは凍結状態(-80℃)で長期間保存が可能です。本法にはリアルタイムPCR装置が必要であり,1試料当たりの消耗品の費用は約110円です。
より詳しい内容は「普及に移す技術」第90号(平成27年発行)「リアルタイムPCR法を用いたアブラナ科野菜根こぶ病菌の簡便・高感度検出」をご覧ください。普及に移す技術
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