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園芸環境部 土壌環境チーム Tel: 022-383-8133
津波を被った農地の土壌は,海水中のナトリウムの影響により団粒構造が崩壊することで硬化し,作物の生育が阻害されます。このような農地では,事前に緑肥作物を栽培し,これをすき込むことで土壌物理性の改善が期待されます。そこで,より多くの乾物収量が得られる緑肥作物を選定するとともに,津波被災農地においても,緑肥作物が土壌物理性の改善に有効であることを明らかにしました。
市販されている緑肥作物を畑地条件で栽培する場合,最も乾物収量が高かいのは,春まき栽培(4月28日播種,6月16日すき込み)ではエンバク,夏まき栽培(7月7日播種,8月19日すき込み)ではソルゴーです(図1)。
津波被災農地において,エンバク(4月25日播種,6月21日すき込み,乾物収量573kg/10a)およびソルゴー(6月25日播種,8月中旬すき込み,乾物収量563kg/10a)を作付け,これをすき込むと,土壌表層の硬度が低下し,さらに後作のコマツナおよびホウレンソウの生育が改善されます(図2)。
図1 緑肥作物の乾物収量の比較
図2 後作の生育に及ぼす緑肥すき込みの影響
緑肥作物の選定試験は「褐色森林土」のほ場で行い,緑肥作物の栽培に当たり,窒素成分で5kg/10aを施肥し,播種後,表層にロータリーをかけて浅く覆土しました。
津波被災農地での試験のうち,エンバクの試験は「黒泥土」,ソルゴーの試験は「細粒褐色低地土」のほ場で行いました。後作コマツナの生育は緑肥すきみ後109日目,後作ホウレンソウの生育は緑肥すき込み後約90日目に観測を行いました。
より詳しい内容は「普及に移す技術」第89号(平成26年発行)「物理性の悪化した津波被災農地における緑肥による土壌物理性改善 - 震災復興関連技術 -」,第90号(平成27年発行)「畑地において短期間で乾物収量を確保できる緑肥作物の選定 -震災復興関連技術 -」をご覧ください。普及に移す技術
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