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寒玉系キャベツの夏まき冬どり栽培技術体系(PDF:214KB)
バイオテクノロジー開発部 資源開発利用チーム Tel:022-383-8131
加工・業務用のキャベツは周年で消費される品目です。県内の慣行である夏まき秋どり栽培でのキャベツの出荷期間は概ね9~11月であり,出荷期間をさらに拡大するには冬春端境期に収穫できる作型が必要です。そこで,宮城県内で12月以降にキャベツの出荷を可能とするために,夏まき冬どり栽培の技術体系を確立しました。
夏まき冬どり栽培では,耐寒性の強い品種を7月に播種することで,11月中旬以降も収穫が可能となり,出荷期間を拡大することができます(図1)。
図1 宮城県におけるキャベツ夏まき冬どり栽培の作型 ○:播種 △:定植 □:収穫期間
品種は,加工・業務用には,葉質が硬い寒玉系品種を選びます。夏まき冬どり栽培では11月下旬以降の収穫となるため寒害が発生しにくい品種が向いています。厳寒期の収穫でも外葉壊死症状や内部黒変症状が少ない「彩音」,「彩ひかり」,「冬くぐり」,「YR銀次郎」等が適しています(図2)。また,マルチ被覆を行うことが寒害軽減に効果的で(図2),結球重の増加効果もあることが確認されています。
図2 寒害(内部黒変)発生程度の品種間差とマルチ被覆の影響
なお,定植直後の高温による苗の枯死を軽減するために白黒ダブルマルチの使用が有効です。栽植様式は,株間32~36cm,条間35~40cmの2条植えとし,栽植密度は10a当たり4,100~4,700株程度とします。
キャベツの寒害である内部黒変症状は,球内部に黒い斑点が局所的に発生する症状であり,外観からは発生の有無を正確に判断することはできません。厳寒期の収穫に際しては,いくつかの結球を開いて内葉を確認する必要があります。
本研究の一部は,農林水産省「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」により実施しました。
より詳しい内容は「普及に移す技術」第90号(平成27年発行)「寒玉系キャベツの夏まき冬どり栽培技術体系」をご覧ください。普及に移す技術
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