掲載日:2022年12月28日

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「米山・中津山・吉田公民館合同歴史講演会」が開催されました

11月14日に,登米市中津山公民館でNPO法人あぐりねっと21理事長 宮城大学名誉教授である加藤徹先生より,「登米耕土の生立ちとその特徴」について,特別講演がありました。

講演会について

講演会では,大規模ほ場整備「旧迫川地区」内の「短台谷地の開墾」「移住者の御子孫インタビュー」「現在の短台開墾地」などの映像が上映された後,加藤先生より「登米耕土の生立ちとその特徴」と題し講演があり,地元住民や元県農業農村整備事業従事職員など約170名が聴講しました。

講演では,「藩政時代」「明治末期から昭和初期」「戦後」と,3つの時代に分けて河川改修と土地改良事業について説明がありました。特に,「藩政時代」には多くの事業が行われており,その例として,北上川を中心とする河川改修事業や登米地域と栗原地域による水利開発事業がありました。宮城県の水利の源ともいえる北上川の工事は,藩政時代から明治初期まで水上交通のための低水路工事が主体でしたが,明治43年の大洪水を契機に,洪水防御を主目的とした改修工事が開始されました。新河道の開削、追波川の拡幅、北上川の分流施設建設などが実施されて昭和9年に完了し,現在の北上川と旧北上川の形になりました。

各時代の河川改修と土地改良事業を経て現代の「登米耕土」を確立した要因として,「河川改修による治水の安定化」と「積極的な土地改良事業の実施」,「地元住民(農家)の意欲・努力」の3つを挙げました。

講演の終わりには,現在の登米市における作付面積の大きさや収穫量(単収が県内で一番多い)の説明があり,現在の大崎耕土・金成耕土・名取耕土に加え,今後は登米耕土も入れて『宮城の四大耕土』と呼んでもらいたいと話していました。

 

今回,講演を拝聴し農業農村整備事業に携わる者として,先人たちの苦労が今の肥沃に富んだ広大な「登米耕土」として発展したことを感じ,今後,事業を実施するうえで参考となりました。また,過去の地形的な条件などを知り得る大変貴重な機会となりました。

映像の上映中「短台谷地の開墾」

講演会冊子黒枠

映像「短台谷地の開墾」上映中 講演会で配布された冊子

講演会場の様子

講演:加藤徹氏

会場の様子 加藤徹先生による講演の様子

 

パネル展示の実施について

また,登米地域事務所農業農村整備部では,会場の出入り口部分に農業農村整備事業に関するパネルの展示を行いました。展示内容としては,現在工事が実施されている「沼崎・大平地区」,今後工事が実施される「古宿地区」や「米川地区」,近年頻発する豪雨災害に備えた流域治水としての田んぼダムの目的や効果などをまとめた内容を展示し,参加された皆様に農業農村整備事業への理解を深めていただきました。併せて,ため池や用水路での水難事故が絶えないことから啓発用ポスターの展示も行い,水難事故防止を呼びかけました。

パネル展示

ため池パネルパート3

 
パネル展示の様子 水難事故防止ポスター  

 

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