営繕課が工事を行った建物について【宮城県石巻合同庁舎】
宮城県石巻合同庁舎
- 施設名称 宮城県石巻合同庁舎
- 完成年度 平成29年度
- 所在地 石巻市蛇田字新沼田地内
- 設計年度 平成26年度~平成27年度
- 工事年度 平成27年度~平成29年度
- 設計 株式会社山下設計東北支社
- 施工 建築 三井住友・深松・石堂特定建設工事共同企業体
- 電気 株式会社ユアテック
- 衛生 山下設備工業株式会社
- 空調 株式会社晃和工業
- 昇降機 日本エレベーター製造株式会社仙台営業所
- 構造 鉄骨造
- 敷地面積 約25,200平方メートル
- 階数 地上5階(一部6階)
- 建築面積 約3,290平方メートル
- 延べ面積 約12,500平方メートル
- 総工事費 5,590,024千円
- 床面積1平方メートルあたりの工事費 447,202(円/平方メートル)
特徴等
旧庁舎は昭和43年に建設され,これまで耐震補強等の改修工事を行いながら継続的な使用行ってきたが,東日本大震災にて地震と津波により甚大な被害を受けたことから,旧庁舎の仮復旧工事を行いながら新庁舎の建設を行い,石巻圏域の行政サービス拠点である「石巻合同庁舎」の移転・建て替えを行ったもの。
新庁舎の建設にあたっては,「石巻合同庁舎基本構想」に基づき,老朽化,狭隘化,設備の陳腐化など現状の庁舎が抱える課題や中長期的な行政ニーズなどを踏まえ,「災害に強く広域防災拠点機能を備えた庁舎」,「多様な行政ニーズに対応できる利便性の高い庁舎」,「地球環境・周辺環境に配慮した庁舎」の3つが基本理念とされた。具体的には,
(配置計画)
- 周辺地域への影響を考慮し,棟構成を庁舎棟と附属棟とに分け庁舎棟の高さを抑えた。
- 南側道路からのアプローチのしやすさ,北側住宅地への日影の影響,三陸自動車道からの騒音の影響を考慮し,庁舎棟は敷地の南側に配置。
- 災害救助活動スペース確保のため駐車場は車止めを設けず,敷地の東側にまとめて配置することにより,隣接する公園との一体利用を図った。
- 駐車場内にはヘリコプター着陸用スペースを設け,災害救助活動拠点としての機能強化を図った。
(平面計画)
- コア部(階段,エレベーター,トイレや書庫等の諸室)を中心に,整形なオープンフロア形式の執務室エリアを南北に配置し,将来の業務形態の変化や組織変えなどに柔軟に対応できる計画とした。
- 来庁者の利便性に配慮し,利用頻度の高い窓口サービスや事務所を低層階に配置
- 大会議室は一般開放を想定し,基準階部分とは別の低層棟部分へ配置することで,休日利用時にも開放エリアを限定し庁舎全体のセキュリティを確保した。
(立面・断面計画)
- 大スパン構造により将来的な執務レイアウトの変更にも柔軟に対応できる計画とした。
- 水害を考慮し,電気室や自家発電機室は2階に設置した。
- 採光確保のために南北側に連装窓を設けるとともに,日射抑制のため庇の設置,Low-E複層ガラスの採用などを行った。
(構造計画)
- 庁舎棟は,地域の防災拠点としての役割を担う施設であるため,耐震安全性の目標は「大地震動後,構造体の大きな補修をすることなく建築物を使用できることを目標とし,人命の安全確保に加えて機能確保が図られている。」こととした。(重要度係数I=1.25)
- 架構形式東西方向 純ラーメン構造
南北方向 ブレース(アンボンドブレース)付きラーメン構造
- 基礎形式
杭基礎 既製杭(SC杭+PHC杭)
杭長 約58m 杭工法
プレボーリング拡大根固め工法
(設備計画)
- 災害時における電源インフラ途絶時の機能維持のため,非常用発電機による電力供給(72時間)を確保している。非常用発電機は,浸水の危険を避けるため2階に設置。
- 雑用水は専用の地下水槽(3日分程度の容量)を設け,トイレの洗浄水として利用することでインフラ途絶時にも機能維持が可能とした。
- 太陽光発電装置の設置やセンサー制御による照明装置,LED照明装置の採用などにより,自然エネルギーの有効活用や環境負荷の低減,省エネ化に努めた。
- 建設地は軟弱地盤であるため,不同沈下や地震により排水管が破断しないよう,建物導入部に可とう性,追従性に優れたフレキシブル管を使用し,信頼性・耐久性の確保に努めた。
等の計画により基本理念の具現化を図っている。
外観
エントランスホール
執務室(オープンフロア形式)
大会議室
授乳室
多目的トイレ
宮城県石巻合同庁舎へのお問い合わせについて
施設へのお問い合わせについては,
URL:新石巻合同庁舎について(https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kanzai/shinishinomaki.html)
にお願いいたします。