日本一長い運河群への桜植樹について
1.日本一長い運河群への桜植樹について(概要)
2.プロジェクトの趣旨
宮城県には,阿武隈川から松島湾を経て旧北上川まで,全長約49kmにわたる日本一長い運河群(貞山運河,東名運河,北上運河)があります。古くは,舟運を目的として,仙台藩主・伊達政宗の命で建設が始まり,後に,明治政府により計画された野蒜築港事業に関連して延伸されたものですが,近年では,河川としての役割を担っています。
周辺の松並木と調和した美しい運河群の景観は,その歴史と共に,多くの方々に愛されてきました。運河群の魅力を地域振興に役立てようと,様々な利活用策も検討されてきました。しかし,東日本大震災の大津波によって堤防や護岸が被災し,周辺の松並木も,その多くが流出したことで,美しい景観が失われています。
東日本大震災を契機に,運河群には,津波の多重防御施設という新たな役割が期待されています。災害復旧工事によって,築造400年を超える運河群に,新しい歴史が刻まれることになります。この機に県では,復旧後の運河群に桜を植樹し,美しい景観の創出によって,運河の歴史に華(花)を添えることにしました。
官民が連携して桜を植え,管理を行い,満開を迎えた桜は,被災者の慰めとなるでしょうし,植樹の経緯を通じて津波防災意識の継承を図ることや,人々の集う魅力的な沿岸地域の復興に役立てたいと考えています。
運河らしい景観に配慮した堤防整備や植樹の一例(出典:貞山運河再生・復興ビジョン)
3.基本方針
- 官民連携の下で桜の植樹と管理を行い,全国から参加や協力を募ります。
- 桜の配置は,運河周辺のまちづくり計画や,周辺の自然環境,既存の景観等との調和をもって計画します。
- 運河の災害復旧工事や,周辺で行われる復興関連事業と調整しながら植樹を進めます。
- 広く情報発信を行い,参加や協力を広げ,取り組みを進めます。
4.官民連携の具体的枠組み
県では,官民連携の枠組みとして,桜植樹を通じた貞山運河復興に向け,(1)桜植樹ボランティア,(2)寄附金,(3)苗木や資機材の寄附,(4)植樹した桜の育成や管理にご協力いただく桜回廊サポーターを募集中です。詳しくは下記のホームページをご覧ください。
運河群への桜配置計画
5.参加申込みから植樹と管理の流れ
- 参加申込みは,通年受付しますが,1月頃に参加者を決定し,3月頃に植樹活動を行います。
- 運河群の復旧工事や周辺事業と調整を行い,毎年10月頃に桜を植樹する箇所や,本数などについて決定します。
- 桜植樹は,植樹箇所の近隣住民の参加を優先し,その後,桜植樹ボランティア登録者の参加数を調整します。(11月頃~)
- 資機材の寄附登録者と,必要な資機材の仕様・数量等を調整します(11月頃~)。
- 県は,植樹業務を発注し,必要に応じて植樹に必要な調査や基盤整備を行います。
- また,植樹した桜の育成や管理にご協力いただける団体を桜回廊サポーターとして通年募集します。
6.注意点
- 桜植樹箇所や植樹本数は,災害復旧工事の進捗に応じて,県が毎年設定します。
- 現地状況や,ご支援の状況によっては,ご希望に添えない場合があります。
7.これまでの植樹実績
これまで多くの皆様から協力をいただきながら,貞山運河沿いに桜植樹を官民連携で行ってきました。
今後も,継続して行っていく予定ですので,引き続き皆様からの御支援をよろしくお願いします。
<これまでの植樹実績>
- 平成24年度 仙南浄化センター(岩沼市) オオシマザクラ100本
- 平成25年度 岩沼海浜緑地(岩沼市) オオシマザクラ60本
- 平成26年度 多賀城緩衝緑地(多賀城市) 祇園枝垂桜1本,ヤマザクラ31本,オオシマザクラ9本 計41本
- 平成27年度 貞山公園(多賀城市) ヤマザクラ19本,オオシマザクラ23本 計42本
- 平成27年度 石井閘門 祇園枝垂桜2本
- 平成28年度 北上運河(東松島市) オオヤマザクラ54本,ヤマザクラ72本,オオシマザクラ17本 計143本
- 平成29年度 岩沼海浜緑地(岩沼市)祇園枝垂桜13本 オオヤマザクラ12本,ヤマザクラ37本,オオシマザクラ6本 計67本
- 平成30年度 仙台港多賀城地区緩衝緑地(多賀城市) オオヤマザクラ64本
これまでの桜植樹実績箇所図はこちら(PDF:377KB)
8.桜植樹に関わる最近の動き