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ギヤマン問屋の夏
竹久夢二(1884-1934)
1914年
117.0×40.2cm 絹本着色、軸装
天江・島田コレクション
竹久夢二は岡山県に生まれ、アカデミックな美術教育を受けずに新聞のコマ絵、印刷絵はがき、詩画集の刊行など、マス・メディアをとおして大衆の人気を獲得した画家です。生活と芸術の一致を夢みて、絵画のみならず商業デザイン、グラフィック・デザインの分野でも活躍し、彼の描いた絵と同様、画家としての仕事も、当時の常道を大きくはずれたものとして注目されました。
《ギヤマン問屋の夏》は、ほっそりした姿と大きな眼に甘美な憂いをたえた「夢二式美人」の画家として、夢二が人気の絶頂にあった1914年の作品です。この年、彼は東京呉服橋に自らデザインした身のまわりの品々を扱う店、港屋絵草紙店を開店し、若い女性の間では港屋の品々で夢二風に装うことが流行したと伝えられます。ここに描かれた少女の初々しくはかなげな情調に、人々の共感を拠りどころとして時代のスタイルとなった夢二の世界を垣間見ることができます。
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