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コレクション|所蔵作品紹介(一覧)|特色|
風景
小山正太郎(1857-1916)
1876-78年
58.0×85.0cm 麻布、油彩
家畜の遊ぶ水辺の情景が、低い水平線とやや傾いて上方へ向かう帆柱の組み合わせによって印象づけられています。色彩も褐色の微妙な階調に赤と緑がわずかに点じられるのみですが、手堅いなかにも柔らかな自然の表現が新鮮です。ここに見られる、いわば空気の感じられるような自然描写は、1876年に工部美術学校の画学教師として来日したバルビゾン派の流れをくむイタリア人風景画家、フォンタネージによってもたらされたものです。小山はその生徒のひとりであり、この作品が在学中に描かれたことが画面右下の署名によって知られます。
小山正太郎は、越後長岡(現新潟県長岡市)の生まれ。川上冬崖の聴香読画館、工部美術学校で学び、l889年には明治美術会結成に参加します。美術教育者としてもすぐれ、東京高等師範学校教授として近代日本の図画教育の基礎を築き、私塾不同舎で小杉未醒、青木繁、満谷国四郎ら多くの後進を育てました。
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