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宮城県庁門前図
高橋由一(1828-1894)
1881年
61.1×122.0cm 綿布、油彩
宮城県指定有形文化財
ここに描かれるのは1881年当時の宮城県庁です。江戸時代、藩の学問所養賢堂であった建物であり、1945年7月の戦災で焼失しました。
高橋由一は佐野藩士の子として江戸に生まれました。最初狩野派の日本画を学びますが、西洋の石版画の真に迫った写実性に感激して西洋画を志したといわれます。幕府の洋学研究機関、蕃書調所で川上冬崖に師事し、一方では横浜の在日外国人チャールズ・ワーグマンの手ほどきを受けながら、情報も材料も乏しいなかで油彩による写実表現に努力しました。日本洋画の第一世代を代表する画家です。維新後は、民部省吏生、大学南校画学係教官をつとめた後、画塾天絵学舎を開いて門弟を指導しました。
この絵は、宮城県が由一に依頼して二点の松島の風景画とともに制作させたものです。現実の再現それ自体を目的とした由一の本領が存分に発揮されている一点です。
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