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地下鉄停車場
清水登之(1887-1945) 1924年
116.5×81.5cm 麻布、油彩
清水登之は栃木県の生まれ。フランス留学が洋画家へのコースだった時代に、20歳でアメリカに渡りました。アメリカで画家となった日本人の多くに共通するのは、アメリカで絵画の手ほどきを受けたこと、そして生活者だったことです。彼も渡米後の数年間、各地で働いて学資を貯めてからシアトルの画塾に入りました。30歳でニューヨークに出て、アート・ステューデンツ・リーグに通い、ここで彼は都市の生活をテーマとするようになりました。
アメリカで画家としての評価を得た清水はl924年、l7年間のアメリカ生活を切りあげて妻子とフランスに渡り、日本に帰るまで三年間ヨーロッバにとどまります。《地下鉄停車場》ではバックの建物やアップになった人物像の幾何学的な構成やボリューム感に手法上の新しい展開もうかがえます。しかし、地下鉄という近代的な設備やデパートの包みを持った女など、都市生活のひとこまが彼のテーマの中心になっていることは変わりません。
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